学費が安い通信制高校の特徴・選び方と学費以外の選び方 2019.02.28
通信制高校の学費は、学校や選ぶコースによって大きく差があります。
同じ私立の学校でも、1年間100万円以上の学費がかかる学校もあれば、20万円前後に収まる学校もあるので、生徒や家庭の状況に合わせてピッタリの通信制高校を選ぶことが重要です。
ここでは学費が安い通信制高校を簡単に見極めるための選び方、また学費以外で通信制高校を選ぶにはどんな方法があるのかを、ご覧いただいている皆さんだけにご紹介します。
ぜひ通信制高校を選ぶ上で参考にしてください。
学費が安い通信制高校の選び方
はじめに、公立高校のほうが私立高校よりも学費が安いことは言うまでもありません。
ここでは私立高校のなかでも学費が安い通信制高校を選ぶためのポイントを紹介します。現在通われている高校や入学を検討している高校の授業料について、少しでも高いなと感じたらこのポイントを満たしているかチェックしてみてください。
- 登校日数が年間5日以下
- 高卒のための最低限の科目のみ必修
- サポート校と併用する必要なし
- 卒業率が高い
- 学費サポートや特待生制度が充実している
今通っている通信制高校、また入学を検討している通信制高校は上記のポイントがいくつ当てはまりますか?
1.登校日数が年間5日以下
通信制高校という名前ではありますが、高等学校の卒業要件を満たすためには最低30時間は特別活動(HRや行事など)に参加しなければなりません。この時間分は必ず登校が必要となります。
登校日数が少ない学校は、この30時間分の登校のみで卒業ができます。年間3日~5日の集中スクーリングへの参加のみさえすれば、その他の時間は学校へ行かず自宅学習だけで構いません。
しかし、最近では週2~5日、全日制高校に近い通学スタイルも増えてきています。こうした学校は先生方の人件費や校舎管理費が多くかかるため、学費が非常に高いんです。
登校日数が少ないほど学費は安い!
たとえば同じ学校でも、登校日数によって授業料にはこんなに差が出ます。以下は角川ドワンゴ学園N高等学校のネットコース(登校は宿泊型スクーリングのみ)と3 Days Course(登校は週3日)の学費を比較したものです。
- | ネットコース | 3 Days Course |
---|---|---|
入学金 | 50,000円 | 108,000円 |
授業料(25単位) | 125,000円 | 378,000円 |
施設設備費 | 50,000円 | 162,000円 |
教育関連諸費 | 25,000円 | 5,000円 |
年間学費合計 | 250,000円 | 653,000円 |
このように40万円も差があります。
高卒のための最低限の科目のみ必修
通信制高校で勉強できるのは国語数学などの教科科目だけではなくなってきました。料理やメイク、ダンスなどのエンタメなど、多種多様な選択科目を用意している学校が増えています。
こうした科目は生徒の興味を伸ばすことができますが、高卒資格の取得には関係のない授業です。そのため、学費の安い学校を選びたいならこうした授業が必修でない通信制高校を選びましょう。
基本的な学費は親の負担にして、こうした必要以上の授業を受ける受講料は生徒自身が支払う、というように家庭で事前にルールを設けるのもいいかもしれません。
サポート校と併用する必要なし
通信制高校を調べているとよく目にするのがサポート校の存在。これは通信制高校を卒業するための学習を支援してくれる塾のようなものです。
高等学校ではないので国や各都道府県からの教育支援金などは適用外。そのため授業料の負担はどうしても大きくなります。
安い学費で高校を卒業することだけ考えるなら、よほど勉強が苦手でない限り、サポート校へ入学する必要はありません。
卒業率が高い
通信制高校は全日制高校と比べてそもそも学費は安いのに、なぜかお金がかかるイメージを持っている人が多いです。
これは卒業までに3年以上要するケースがあることが大きな理由でしょう。そもそも4年以上在籍するのが普通だと思っている方もいるかもしれません。
たしかに1年でも多く在籍すれば、卒業までにかかる学費が高くなるのは当たり前です。
最短で卒業できる学校を選ぼう
安い学費で卒業したいなら、1年1年着実に単位が取得できて無駄なく卒業を目指せる学校を選びましょう。
学校に行くのが苦手で出席日数が足りなくなりそうなら、登校日数が少なく自宅から近い学校を選ぶ。勉強が苦手でテストで落第しそうなら、少しくらい授業料が高くてもサポートが手厚い学校を選ぶ。
このように生徒の苦手に合わせた選び方をしてください。多少それで学費が高くなっても、1年在籍が伸びるよりはよっぽど安いです。
学費サポートや特待生制度が充実している
国や県から支給される支援制度とは別に、学校ごとに学費サポート制度を設けている場合もあります。
兄弟で入学すれば入学金がかからなかったり、成績優秀なら授業料が免除されたり、学校によってはものすごくお得なものもあります。
学校選びのときには、こうしたサポート制度もしっかりチェックしましょう。
授業料全額免除などの場合は、公立高校よりも安い負担で私立高校に週5日通えるケースだってあります。
学費以外での通信制高校の選び方
学校選びで一番重要視されることが多いのは費用ですが、それ以外で通信制高校を選ぶときにはどんな基準を持てばいいのでしょうか。
通いやすさ
この「通いやすさ」には家からの距離などの物理的な問題と、環境や先生の雰囲気などの精神的な問題の2種類が含まれています。
「通信制」とはいえ年に数日間は必ず登校しなければいけないのが通信制高校。生徒のなかには勉強のために週に数日以上登校する人もいます。
そんなときに通いやすさは非常に重要です。入学金が支払えて無事に入学できても、通えなければ卒業できないので意味がありません。「通信制」だからといってないがしろにしてはいけない部分なので要注意です。
卒業率の高さ
保護者がよく気にするのがこの項目です。卒業率はどのくらいなのか。
これは実際のところ学校ごとに結構な差がありますし、さらにいえばコースによっても違います。入学を検討しているコースの卒業率は実際のところどうなのか、面談や説明会で直接細かく聞くことをおすすめします。
制服のデザイン
制服を重視して学校選びをする人も特に女子生徒には多いです。通信制高校でも制服を着用できる学校は意外と多いので、こちらの記事も参考にしてください。
学費が高くなるか安くなるかは選ぶ学校次第
学費が安い通信制高校の特徴、および授業料を抑えたい人におすすめの学校の選び方を紹介しました。
入学する学校や選択するコースによって、かかる費用は大きく異なります。あまりよく調べないままで願書を提出してしまい、そのまま入学が決まってから大きな出費に後悔する家庭も少なくありません。
広い視野をもって通信制高校を選びましょう。