通信制高校の学費は全日制高校より安いって本当? 2018.07.28
通信制高校と聞いてもあまり馴染みがない人がほとんどだと思います。そのため、入学を検討するのに重要な学費についても、高いのか安いのかイメージがわきにくい人が多いです。
しかし実は、通信制高校の学費は全日制高校よりも安いといわれていることをご存知でしょうか?
通信制高校の学費は実はこんなに安い
通信制高校の学費は安い学校と高い学校の差が大きいですが、これは全日制高校も同じですよね。
たくさんある学校のなかでも、学費が安い学校はどのくらいの費用で通えるのか調べてみました。
- | 年間学費相場 |
---|---|
公立通信制 | 50,000円 |
私立通信制 | 200,000円 |
このように私立でも、学校をしっかり選べば比較的安い金額で通うことができるんです。
就学支援金も使える!
また、全日制高校と同じように国から支給される就学支援金も使うことができるので、実際に負担する金額は上記よりもさらに安くなります!
家庭の収入状況にもよりますが、就学支援金は最大10万円以上支給されるので、私立の通信制高校でも10万円以下の負担で通うことも可能です。
想像よりも安いと感じる人も多いのではないでしょうか?
全日制高校との比較
以下は文部科学省が発表している、全日制高校の平均学費です。
- | 年間学費相場 |
---|---|
公立全日制 | 242,692円 |
私立全日制 | 740,144円 |
公立・私立どちらも通信制高校よりも大きく金額が上回っています。
私立高校は全日制だと授業料のほかに制服の購入費用、修学旅行の費用、行事の参加費などがかかるのが特徴です。
就学支援金を最大限に利用したとしても、自身の負担が50万円以上も必要になります。
通信制が全日制より安く通える理由
こんなに学費に差があるのには、もちろん理由があります。
まず一つ目は、登校日数の差。学費が安い通信制高校ランキングにランクインするような学費が安い学校は、どの学校も年間登校日数が5日以内なのが特徴。
生徒の登校がなければ先生たちの人件費も校舎の管理費もかからないので、費用は安くなります。
イベントは参加自由
体育祭、修学旅行、合唱コンクールなどなど、全日制高校にはたくさんのイベントがあり、参加するたびにお金がかかります。
通信制はそうした行事のほとんどが参加自由。年度の途中で費用を徴収される機会はほとんどありません。
制服や指定ジャージなどの購入も基本的に必須ではないので、諸費用がかからないんです。
働きながら通うことが前提
そもそも通信制高校は、働きながらでも高校卒業ができるようにとつくられた背景が大きい高等学校です。特に公立校では、働きながら通う生徒への配慮が多くあります。
教科書などを購入する必要がなく、教材はすべて教師から紙で配布されるという学校もあります。こうした配慮のおかげもあり、授業料以外の諸費用が最低限の金額しかかからないんです。
定時制高校とも比較してみました
全日制高校と比べると通信制高校の学費は比較的安いことがわかりましたが、定時制高校と比べるとどうなのでしょう。
通信制に通うか定時制に通うか、この2つの選択肢で迷っている人もいると思います。
今回は東京都公立高校で比較してみました!
東京都の定時制高校の学費
定時制高校の場合、学年性と単位制の2種類があり、どちらの学校に通うかによって少し金額が変わります。
東京都の授業料は学年制が32,400円、単位制が年間25単位取得したとして43,500円です(1単位あたり1,740円)。
なお、年収910万円以下の家庭では就学支援金が支給されるので実質の負担はありません。さらに働いている生徒は、教科書の購入代金や夜間給食代などを補助してもらえるケースもあります。
通信制のほうが安い!
東京都立の通信制高校はすべて単位制です。年間25単位取得したとして授業料は8,400円となります。定時制課程と比べると35,100円も安いです!
定時制高校は1日の授業時間数は少ないですが、それでも毎日の登校が必要なので通信制との授業料の差は意外と大きいのが実情。
また、毎日の通学なので行事の参加費用や、友人との付き合いなどでお金もかかるようです。
定時制よりも通信制が人気な地域もある
以前は通信制よりも定時制が圧倒的に知名度も人気も高かったです。しかし最近では逆転する地域も出てきました。
学費が安いこともそうですし、学習スタイルを幅広い選択肢から選べることや、不登校の生徒へのサポートが手厚いことが人気の理由だと伺えます。
定時制課程から通信制課程へ転入する生徒も増えているようです。
学費だけじゃなくサポートにも注目
通信制高校は全日制高校・定時制高校よりも学費が安いです。
しかし、高校選びで重要なのは卒業までにかかる費用だけではありません。
同じ屋根の下で暮らす親子の間でも、大事にしたいポイントが違うこともあります。生徒それぞれ、高校に求めることは違ってくるはずです。
学費だけでなく、立地はもちろんサポートの手厚さや進路状況なども見ながら、全日制・通信制・定時制のうちどの学校を選ぶか検討してみてください。