通信制高校の転入・編入の条件とは?時期や手続きについて解説 2023.07.19
「全日制に行ってみたけど合わない」「高校中退したけれど、もう一度学び直したい」と思い、通信制高校への入学を考える人もたくさんいるのではないでしょうか?
通信制高校には、「新入学」以外に「転入学」「編入学」といった入学の仕方があります。
そこで今回は通信制高校への転入・編入の条件やポイントについて解説します。
通信制高校への転入・編入を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
通信制高校の「転入」と「編入」の違いとは?
高校には、「転入学」と「編入学」というものがあります。
ここでは、転入と編入の違いについて解説します。
通信制高校の「転入」と「編入」の違い
- 転入…学年は変わらず、別の高校に転校すること。
- 編入…中退経験者や高等専門学校が高校に入学し直すこと。
転入とは
転入学とは簡単にいうと、学年はそのままで在籍中に別の高校に転校することを指します。
転入は在籍期間五切れ目がないため中退扱いにならず、周囲と同じように最短3年間での卒業が可能です。
もし転入する場合は、学年の節目である4月に転入するのがおすすめです。
編入とは
編入学とは何らかの原因によって高校を一度中退した人や海外から帰国・移住してきた人、もしくは高等専門学校などに在学している人が、高校に入学し直すことです。
転入とは異なり、一旦退学という形で空白期間ができるため、高校卒業に必要な在籍3年以上を満たすためには卒業時期が延期となる特徴があります。
また編入後は、これまでに取得した単位を差し引いて新たなカリキュラムを編成し再スタートを切ります。
仮に高校1年の途中で退学した場合、途中からカリキュラムを取得するのではなく、もう一度はじめからやり直さなければいけません。
通信制高校へ転入・編入する際の条件
- 居住地域
- 年齢
- 修得単位・教育課程
居住地域
公立の通信制高校は一般的に、転入・編入する学校と居住地や勤務地があることが条件です。
それに対して私立の通信制高校だと、日本全国どこの地域でも転入学・編入学が可能だったりします。
もちろんどこの学校に転入学・編入学するかによっても異なるため、公立でも私立でも一度確認するようにしてください。
年齢
転入学・編入学する条件は、入学する前の年度末に満15歳になっていることが求められます。
したがって、一度高校を中退している人やほかの高校から転入学を仕様としている人であれば、問題はありません。
また年齢の上限はないため、高校中退後に何年か経過していても基本的にはOKです。
修得単位・教育課程
すでに修得している単位と、転入・編入学先のカリキュラムを見比べて、卒業できる見込みがあるかどうかも条件です。
またこの条件を満たしているかに関しては、自己判断が難しい面があるため、くわしくは転入・編入学先に問い合わせてみてください。
通信制高校に転入・編入できる時期は学校によって異なる!
実際にいくつかの通信制高校では、以下の時期で転入者・編入者を募集しています。(2023年7月時点)
転入 | 編入 | |
---|---|---|
N高等学校 | 4月・7月・10月・1月入学 | 4月・7月・10月・1月入学 |
ID学園高等学校 | 毎月1日づけ (3月を除く) | 4月・10月入学 |
一ツ葉高等学校 | いつでも可能 | 4月・10月入学 |
上記でもある通り、多くの通信制高校の場合、転入時期は4月・9月・1月の各学期のはじめで、編入学の場合は4月の学年のはじめのタイミングがほとんどです。
また試験についてはそれに合わせて転入学の場合、5月~1月で月1回、編入学の場合は2~3月あたりに実施しているケースが多いですよ。
もちろん学校によっては、いつでも転入も編入も試験・入学できる学校もあるため、必ず希望する学校の募集要項を確認するようにしましょう。
大学進学に力を入れている通信制高校
通信制高校といっても全国にはさまざまあります。
ここでは大学進学に力を入れている、有名な通信制高校について3校ご紹介します。
大学進学に力を入れている通信制高校
- ルネサンス高等学校
- N高等学校
- ID学園高等学校
ルネサンス高等学校
ルネサンス高等学校は卒業率90%以上、指定校住選枠400校を超える国内の通信制高校でもかなり大規模な通信制高校です。
校則だけではなく授業スタイルの自由さにも定評があり、オンラインでレポート提出ができるので、「働きながら高校卒業資格を取得したい」「何かしらの夢ややりたいことがある」といった人にもおすすめ。
私立・国公立問わず難関大学への進学実績も豊富なので、保護者に方からも絶大な信頼を得ています。
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N高等学校
N高等学校は全国で15,000人以上の生徒数をもつ、KADOKAWA・ドワンゴが運営するネットの通信制高校です。
コースの豊富さが特徴で、一般的な通学コースのほかにプログラミングや音楽制作といった専門的な内容も学べるのも魅力。
スクーリングは約5日、学費は1年でおおよそ25万円程度で通えます。
「ネット通信制高校に興味がある」「なるべく学費をおさえたい」「特定の専門分野について学びたい」といった方にはおすすめ。
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ID学園高等学校
ID学園高等学校は郁文館夢学園が運営する、2020年4月に開校された通信制高校です。就職や進学などさまざまな目的を持った生徒が通っており、プロ教員によるサポートで100%の進路決定率を誇っています。
通学であれは週1回から、オンラインでの学習環境も整えられているので、働きながら通学したい人にもおすすめです。
また通学コースでは、英語を学べるコースやビジネススキルについて学べるコースもあるので、将来起業したい人や海外に興味がある人はぜひチェックしてみてくださいね。
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通信制高校への転入・編入の流れ
- 願書を取り寄せる
- 必要書類(在籍証明書・受験料・入学願書など)の作成
- 書類審査・面接・試験
- 合否判定
- 入学手続き
通信制高校の転入・編入に必要な書類
一般的に、通信制高校へ転入・編入する際には以下の書類が必要となります。- 転学紹介状
- 在学証明書
- 成績証明書
- 単位修得証明書
- 在籍証明書
- 成績証明書
- 単位修得証明書
面接・試験について
通信制高校の転入・編入の場合、基本的には願書を含む書類選考と10分程度の面接がおこなわれます。- 書類選考…入学願書(自己紹介、志望動機)、作文など
- 面接…志望動機(「なぜこの高校を選んだのか」「どんな学校生活を送りたいか」「これまでの高校生活」)、中退した理由など
通信制高校への転入・編入から卒業までにかかる時間とは?
通信制高校への転入・編入時にかかる費用とは?
費用 | |
---|---|
入学金 | 10,000円 |
施設・設備費 | 60,000円 |
授業料 | 224,000円 |
補修費 | 100,000円 |
教材費 | 15,000円 |
諸経費 | 50,000円 |
合計 | 459,000円 |
合計(就学支援金適用の場合)324,264円 |
通信制高校に転入・編入するメリット・デメリット
- マイペースに学習できる
- 前の学校で取得した単位を活かせる
- 通学日数を選べる
➀マイペースに学習できる
「高校の学習内容が難しい」「身体的・精神的な問題で継続的に通えない」と悩む方も多いでしょう。 通信制高校では現役の高校生だけではなく、社会人や高齢の方といったさまざまな背景を持つ方が学んでいるので、自分のペースで学習に専念できます。 毎日通学する必要もないので、身体的・精神的な負担もかなり軽減されるでしょう。 また、たとえ勉強に対してブランクがあったとしても、通信制高校ではひとりひとりに合わせたカリキュラムで進められる工夫がされているので安心。 「一度高校を中退したけれど学び直したい」「高校卒業資格が欲しい」といった方にはおすすめです。②前の学校で取得した単位を活かせる
先にも述べたように、通信制高校への転入や編入をするといった場合、前に在籍していたころに修得した単位を活かせるメリットがあります。 タイミングによっては、ほかの生徒と卒業の時期がずれてしまうケースもありますが、それでも単位の引き継ぎができるのはいいですよね。③通学日数を選べる
全日制の高校に通っていて人間関係に悩まされた人も多いのではないでしょうか。 しかし、通信制高校なら基本的に自宅での学習がメインとなるため、そういった気疲れに悩まされることが減ります。 通信制高校では学校にもよりますが、スクーリングの日数が自分で決められるところも! 「とにかく毎日通学するのがつらい」「自分のペースで学習したい」方であれば、通信制高校のほうが向いているといえるでしょう。 通信制高校に転入・編入するメリットがある一方、反対にデメリットになることもあります。 ここでは、通信制高校に転入・編入するデメリットについてご紹介します。- 世間的な認知度が低い
- 勉強が易しい
- 編入の場合は卒業のタイミングがずれることも
➀世間的な認知度が低い
通信制高校に転入・編入する際のデメリットには、周囲からの認知度や理解度が低いところがあります。 例えばこれまで通ってきた全日制の高校のほうが進学校や名門校だった場合、人に説明する際に少しわずらわしさが出てくる可能性も。 将来就職する際には必ず通信制高校に通っていた理由について聞かれますし、周囲との生活リズムに差が生じるなんてこともあるでしょう。 しかし通信制高校であっても、自分なりにしっかりと目標を立てて学んでいれば、周囲からの評価などは気にする必要はありません。②勉強が易しい
通信制高校での学習内容は比較的易しい傾向にあるため、人によっては「簡単すぎる」「レベルが合わない」と感じる人もいるでしょう。 そもそも通信制高校の学習というのは、高校卒業に必要な単位を取るためといった目的なので、どうしてもハイレベルな授業や学習にはなりづらいのです。 しかし通信制高校によっては、大学進学者を対象としたコースやカリキュラムが用意されているところもあります。 ほかにもマンツーマンでひとりひとりに合った指導が受けられたり、オンラインでも大学受験対策をおこなってくれることも! 通信制高校から難関大学に合格した実績もたくさんあるため、大学進学を希望する方はなるべく大学進学率の高い通信制高校を選ぶことをおすすめします。③編入の場合は卒業のタイミングがずれることも
これは編入に限った話になるのですが、編入をする場合はどこの高校にも属していない空白の期間があり、その間は中退扱いになってしまいます。 履歴書などを出す際にも中退の経歴は残ってしまうため、ここはデメリットだといえるでしょう。 また、高校は3年以上在籍していないと卒業できない決まりになっているため、入学のタイミングによっては半年から1年以上延長してしまう可能性もあります。 ただし一度中退した経歴があっても、その後にきちんと卒業していたり、働くことや学ぶことに意欲があれば就職活動でも不利になることはないので安心してください。通信制高校に転入・編入する際のポイント
- 学校選びは大事
- 学費をおさえるには「単位数」