通信制高校の学費も就学支援金の対象になる? 2017.05.26
高校には学費の就学支援金という制度があります。
実はこの学費無償化の制度は通信制高校においても対象となることをご存知でしょうか。
ここでは通信制高校に通うにあたって、学費を無償化する就学支援金とはどういった制度なのかについて説明していきます。
そもそも学費の就学支援金ってなに?
高校の学費無償化に関して高等学校等就学支援金制度というものがあります。
どのような制度かというと、公立・私立高校で授業料を支援してもらえる制度です。
支援の支給額
基本の支給額は以下の表の通りです。
学校種 | 支給額/月(円) | 国公立高校 | 9,900円 | 私立高校 | 9,900円 | 国立高校・国立中学校の後期課程 | 9,600円 | 定時制の公立高校・公立中学校の後期課程 | 2,700円 | 通信制の公立高校・公立中学校の後期課程 | 520円 | 国立・公立特別支援学校の高等部 | 400円 |
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通っている高校によって異なるので注意してください。
支援の対象
ただし対象となるのは以下の条件を全て満たす必要があります。
- 国が指定した学校に在学している人(在学条件)
- 日本国内に住所がある人(在住要件)
- 市町村民税所得割額が30万4200円(年収約910万円)未満の世帯(所得要件)
また、私立高校に通っていて、市町村民税所得割額が少ない低所得世帯の場合、以下の表の通りに加算金を受け取ることができます。
世帯の市町村民税所得割額 | 支給額/月(円) | 0円未満(年収約250万円未満) | 24,750円(2.5倍) | 5万1300円未満(年収約250万円~350万円) | 19,800円(2倍) | 15万4500円未満(年収約350万円~590万円) | 14,850円(1.5倍) |
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支援制度の改訂
実はこの制度は2014年4月に一部を改訂して名前も新しくなったものです。
もとは「公立高等学校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度」という名前でした。
公立高校と私立高校に通う生徒の教育費の負担の格差を解消するために制度が改訂されました。
結果、各家庭の経済状況や希望の進路によって支給額も変化するため、進路選択がしやすくなりました。
通信制高校は学費の無償化の対象なの?
前の段落では就学支援金の制度の概要についてお話しました。
では学費の無償化は通信制高校に通う学生に対しても対象となるのでしょうか。
通信制高校は対象?
文部科学省の就学支援金支給対象者には以下のように明記されています。
- 国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
- 中等教育学校後期課程
- 特別支援学校高等部
- 高等専門学校(1~3学年)
- 専修学校高等課程
- 専修学校の一般家庭や各種学校のうち国家資格者養成課程に指定されている学校
- 各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校
よって通信制高校も対象であることが分かりますね。
もちろん市町村民税所得割額による制限や低所得世帯に向けた加算制度も公立・私立高校と同様です。
通信制高校の支援額
しかし、通信制高校の支援金の支給額は公立高校で520円/月、私立高校で9,900円/月です。
また、単位制の通信制高校の場合は1単位あたり4,812円の支給となります。
通信制の公立高校の場合は入学費が500円、授業料が3~10万円程度なので、高校にもよりますが授業料全額の支給とまではいかない可能性もあります。
通信制の私立高校の場合は入学費2万円~5万円、授業料が1単位5000円~1万円程度なのでこちらも授業料全額の支給は難しいと考えられます。
このように全日制の高校と異なる部分もあるのでお気を付けください。
また、私立高校は国からの支援金以外にも都道府県によって授業料補助の制度がありますが、通信制高校が支援の対象になるかどうかは都道府県によって異なるのでぜひご確認ください。
就学支援金を使って自分の好きな学校に通おう!
通信制高校に通うにあたり、多くの学生がこの就学支援金の制度を利用しています。
授業料の問題は通信制高校に関わらず全ての学生や学生がいる世帯にとっての大きな問題ですよね。
経済的負担が大きいので希望している学校をあきらめて仕方なく授業料の安い学校に進学する、といったようなことにはなってほしくありません。
進学したい学校が見つかったとき、学びたいことができたときにこのような支援制度には非常に助けられます。
2014年に学費の無償化についての制度が改訂されたと説明しましたが、今後もこのように制度の内容が変更されていくことがあるかもしれません。
そのためにも学費の就学支援金などについて詳しく知っておきましょう。