サポート校の学費は高い?通信制高校と比較して解説 2023.08.04
通信制高校の卒業を勉強や心の問題など、さまざまな面で支援するサポート校。
最近、通信制高校とサポート校に同時入学して高校を卒業する方も増えてきました。サポート校は自由な通学スタイルや、ジャンル豊富な授業などが人気。個別指導を行う学校も多く、人気が出ています。
しかしもちろん、通信制高校だけに通うよりも学費はグンと高くなります。
どのくらいの金額がかかるのでしょうか
サポート校は高等学校ではないので支援金は適用不可
そもそもサポート校は、国から認可されている高等学校ではありません。あくまで塾のような立ち位置です。
そのため、通信制高校に適用される就学支援金などの学費補助は適用されません。授業料が基本的にすべて自身で負担することになります。特待生制度などを用意している学校も、残念ながら少ないのが実情です。
国の教育ローンは利用対象内
サポート校の授業料に就学支援金を適用することはできませんが、国の教育ローンは対象となっているので利用可能です。
しかしサポート校はそもそも授業料の支払いに比較的余裕がある家庭が通う傾向が強いので、実際には、なかなか利用する方はいないようです。
学校によっては分割払いにも対応しており、分割での支払いをする家庭は少なくありません。
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サポート校と通信制高校との違い
サポート校と通信制高校は提携していることも多いですが、法律的に言えば全く異なるものです。
サポート校と通信制高校には以下の違いがあります。
- サポート校では高校卒業資格を取得できない
- サポート校と通信制高校では運営機関が異なる
サポート校では高校卒業資格を取得できない
通信制高校とは、全日制や定時制とは異なるスタイルではありますが、必要な単位や3年以上の在籍期間があれば高校卒業資格を取得できます。
また最近では、通信制サポート校と呼ばれるものもありますが、通信制サポート校のみ通ったとしても高校卒業資格は得られないため注意しなければいけません。
「通信制高校の授業についていきたい」「大学受験を考えている」方にとって、サポート校は全日制などに通う学生でいうところの塾や予備校に近い存在だといえるでしょう。
ほとんどのサポート校では通信制高校と提携しているため、同時入学できるケースが多いですよ。
サポート校と通信制高校では運営機関が異なる
サポート校と通信制高校は、運営元機関がそもそも違います。
サポート校と公立・私立との通信制高校の運営機関には以下の違いが見られます。
- サポート校…学習塾や予備校を運営する民間企業、学校法人
- 通信制高校(公立)…国、各都道府県や地方自治体
- 通信制高校(私立)…教育に関わる学校法人
サポート校は、学校法人もしくは学習塾や予備校を運営する民間企業によってマネジメントされています。
つまり、学習塾や予備校がこれまで培ってきた教育のスタイルや、大学受験を制するノウハウなどがあるということ。
通信制高校に通いながら難関大学に合格したい人や、より個別の指導を受けたい日Tにとってはおすすめです。
またサポート校は学習支援だけではなく、さまざまな専門分野や技術を学べる環境も用意されています。
進学希望でなく、将来的に何かしらの免許や資格を取得したいと考える人にとってもサポート校は学ぶための環境が充実しています。
サポート校とは
サポート校とは、おもに通信制高校に通う生徒に対して、勉強の指導やレポートのスケジュール管理、カウンセリングなどをフォローしてくれる学習塾のようなものです。
通信制高校では高校卒業資格を得るための授業はしてくれますが、基本的には勉強はすべて独学でしなければいけません。
生徒のなかには、勉強のやり方が分からず途中で挫折してしまう人も多く、3年間で卒業できない人も!
そういった方のために3年間で卒業できるように、学習面・生活面・精神面などを支えてくれるのがサポート校なのです。
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サポート校・通信制高校との学費の比較
具体的にサポート校の学費はどれくらいかかるものなのでしょうか?
ここでは、サポート校と公立と私立の通信制高校の学費について比較してみました。
サポート校 | 通信制高校(公立) | 通信制高校(私立) | |
---|---|---|---|
入学金 | 約5~20万円 | 約500円 | 約1~5万円 |
授業料(施設費を含む) | 約30~80万円 | 約5万円 | 約20万円~ |
合計 | 約40~100万円前後 | 約5~6万円 | 約25万円~ |
サポート校でかかる学費については、コースや登校日によっても変わってきますが、おおよそ初年度にかかる学費は40~100万円前後かかるものだと思っておいたほうが良いでしょう。
学費の違いが出るポイントとしては、「公立か私立か」「施設やコース、登校頻度」かなどで大きく変わってきます。
また基本的にサポート校は、通信制高校と同時入学するケースが多く、その場合だと60~130万円程度の学費がかかると予想できます。
サポート校の学費をおさえるコツ
通信制高校とサポート校に通うことでより充実した支援を受けられる反面、「やっぱり高いのでは?」と心配される方もいますよね。
サポート校の学費をおさえるためには、奨学金や特待生制度を利用する方法が挙げられます。
サポート校のなかには特待生制度を定めている学校も多く、学校が定める条件を満たせば授業料・入学金・施設利用料などが減額されるケースも!
奨学金や特待生制度の条件については、各都道府県や学校によって異なるため、希望学校があればチェックしてみましょう。
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サポート校に通うメリット5つ
高校卒業資格を取るだけなら、通信制高校だけでいいのではと思われる方もいるでしょう。
しかし、通信制高校とサポート校に同時に通うことでメリットもあります。
- 一般的な高校では学べない分野を学べる
- ひとりひとりに寄り添ったフォローやサポートを受けられる
- 基本的に自由度が高い
- 卒業率が高くなる
- オンラインや訪問などのサポートを受けられる
一般的な高校では学べない分野を学べる
サポート校はそもそも法律に基づいた学校ではないことから、学校独自のカリキュラムや授業をおこなっているところがほとんどです。
サポート校では、具体的に以下のものが学べます。
- 音楽
- ダンス
- 調理
- ゲーム
- スポーツ
- 演技、表現
- プログラミング
- 声優、アニメーション
- ファッション
もちろん学校によって学べる分野は異なりますが、あらゆる分野について学べるのは卒業後の進路を考えるうえでも大きなきっかけになります。
実際にサポート校に通ったことがきっかけで、高校卒業後に専門学校や就職を選択する人も多くいますよ。
②ひとりひとりに寄り添ったフォローが受けられる
サポート校では、登校頻度の少ない通信制高校の代わりに個別でのさまざまなフォローが受けられるメリットがあります。
例えば、通信制高校で出たレポート提出のスケジューリング、レポート作成のアドバイス、テスト対策など。
ほかにもサポート校には専門のカウンセラーが在籍しているところも多く、学習面だけではなく生徒の生活面・精神面でのケアもおこなってくれますよ。
とくに通信制高校に通いながら大学受験を目指す人や、より自主的に学ぶ機会を増やしたい方にとってはおすすめです。
③基本的に自由度が高い
サポート校の校則は、基本的に私服登校を選べたり、アルバイトを許可していたりなど自由度が高いのが特徴です。
とくにファッションやメイクなどを学ぶコースに属していれば、積極的に推進している場合もありますよ。
④卒業率が高まる
通信制高校では基本的に自宅学習が中心となるため、人によっては学習へのモチベーションが上がらず、3年以上通信制高校に通う生徒もいます。
しかしサポート校に同時に通うことで、苦手科目の克服や個別授業、自宅学習でもモチベーションを維持し続けられる工夫が整っています。
実際、サポート体制が私立と劣りがちな公立の通信制高校でも、サポート校を利用すれば卒業率は9割を超えるといわれているほどです。
「単独での勉強に不安を感じる」「学習へのモチベーションが低い」「つい1人だと怠けてしまう」方にはおすすめです。
⑤オンラインや訪問などのサポートを受けられる
サポート校は基本的に通学性をとっているところが多いですが、学校によっては週1日からなど登校日の調整が利くケースもあります。
またなかには、オンライン対応や指導員自ら自宅に訪問してくれるサポート校も!
サポート校では、ありとあらゆる事情を持つ生徒に寄り添って、高校卒業までのサポートをフォローしてくれます。
サポート校に通うデメリット2つ
サポート校に通うにあたっては、メリットだけではなく次のようなデメリットもあります。
- サポート校のみでは高校卒業資格を得られない
- 学費が別で必要となる
➀サポート校のみでは高校卒業資格を得られない
サポート校とは通信制高校や全日制高校とは異なり、国認可の教育機関ではありません。
したがって、サポート校単体での通学では、高校卒業資格は得られないため注意が必要です。
しかしサポート校に通うことで、通信制高校の授業のフォローができるため、3年で卒業できる可能性が上がるためそこはメリットといえるでしょう。
②学費が別で必要となる
サポート校に通うには通信制高校とは別で学費が必要となります。
もちろん通学回数やコースによっては費用は上下しますが、一般的には年間約40~100万円前後かかることがほとんど。
ひとりひとりの学習能力に合わせてサポートしてくれる分、経済的な負担は決して少なくありません。
もし通うのであれば、たくさんのコースを選ぶのではなく、厳選したコースのみ受けたり、通学回数などで調整することをおすすめします。
リーズナブルなサポート校もある
先にも述べたようにサポート校の学費は、年間で約40~100万円前後かかります。
しかしサポート校のなかにもリーズナブルな学校もあり、そこでは年間30〜40万円、3年間で100~120万円程度で通えるケースも!
ただし低価格で通えるサポート校にはそれなりの理由があり、例えばほかのサポート校と比べて専門性の高い授業やメンタルケアサポートはありません。
あくまでレポートやテスト対策などを目的とした最低限のサポートのみなので、そこはしっかり理解しておいたほうが良いでしょう。
学費が安いサポート校3選
サポート校には、大学受験や資格取得、ほかにも芸能デビューに向けたプロからのレッスンなどを受けられるものまでさまざまあり、その内容によって学費も左右されます。
ここでは学費が比較的安く、生徒からの信頼も高いサポート校について3つご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
- トライ式高等学院
- 希望高等学園
- 東京療術学院
①トライ式高等学院
学費(年間) | 約80万円~ |
---|---|
提携校 | 鹿島学園高等学校日本航空高等学校・高松中央高等学校 |
- 家庭教師のトライが運営するサポート校
- 個別でのカリキュラムに特化
- 完全マンツーマン制
- 週1~5日から通学日数が選べる
- 大学受験、難関大学、資格取得、専門コースから選べる
- 通学コースと在宅での訪問学習がある
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②希望高等学園
学費(年間) | 約40万円~ |
---|---|
提携校 | クラーク記念国際高等学校 |
- 週2日~年間12日の通学コースから選べる
- 大学進学者を対象としたコースがある
- デザイン・音楽などの分野を学べるコースがある
- 登校時間が自由
- 年間スクーリング日数12日
③東京療術学院
学費(年間) | 約60万円~ |
---|---|
提携校 | 松陰高等学校 |
- スポーツトレーナーやカウンセラーなど専門分野に特化
- 卒業後、すぐに就職にしたい人におすすめ
- 「手に職」と「高校卒業資格」を得られる
- 10~80代と幅広い年齢層が通学している
- 仕事、育児、通学しながら資格が取れる
サポート校と通信制高校を両方通うと学費はいくら?
本題です。通信制高校とサポート校、両方通うと学費は年間いくらくらいになるのでしょうか?
ちなみに通信制高校だけに通う場合、学費が安い通信制高校ランキングにランクインしている授業料が安い学校だと、年間20万円程度、3年間でも60万円ほどで卒業することができます。
世帯年収が約930万円以下なら、ここからさらに就学支援金が引かれる仕組みです。
人気サポート校!KTC中央高等学院に通う場合
今回は人気のサポート校KTC中央高等学院を例にあげて、学費が一年でどのくらいかかるのか見ていきましょう。
KTC中央高等学院は、通信制高校屋久島おおぞら高等学校と提携をしており、入学する際はこの2校でのダブルスクールになります。
屋久島おおぞら高等学校に入学した場合、初年度にかかる費用は以下の通りです。
入学金 | 50,000円 |
---|---|
施設費 | 50,000円 |
授業料(年間25単位取得) | 250,000円 |
年間学費合計 | 350,000円 |
ここにさらにサポート校の授業料が追加されることになります。
週に1日だけ通うケース
サポート校は登校日数が少ない通信制高校の勉強を支援してくれる場所なので、基本的に週1日以上の登校が推奨されています。
KTC中央高等学院には、毎週土曜日の1日だけ学校へ行くサタデイコースというコースがあります。このコースの授業料は180,000円。
屋久島おおぞら高等学校と合わせると、年間53万円がかかります。想像より安いと感じた人もいるかもしれません。
週に2日だけ通うケース
多くの生徒におすすめできるのが、塾のような気分で週2日通うタイプ。仕事や趣味とも両立できますし、勉強面では週2日も通えば問題なく卒業できる確率が高いです。
不登校だった生徒も、このくらいの日数から徐々に登校に慣れていくことがあります。
KTC中央高等学院のツーデイコースの授業料は240,000円です。
通信制高校と合わせると年間学費59万円になります。
週5日全日制のように通うケース
サポート校の多くが、週5日通えるコースを用意しています。
こうなると一気に学費は高くなり、学費が比較的安めなKTC中央高等学院でも480,000円がかかります。
通信制高校と合計すると…年間83万円です。
さらに週5日通う場合、支払う費用はなかなか授業料だけとはいきません。サポート校では、通信制高校よりも頻繁に遠足や体験学習などのイベントがあります。修学旅行がある学校もあります。
こうした諸費用を考えると、年間100万円ほどを予定しておいたほうがいいでしょう。
登校はせず自宅に先生が来てくれるケース
KTC中央高等学院では行っていませんが、家庭教師のように先生が自宅を訪問するサポートを行ってるサポート校もあります。
この場合も日数によって授業料は大きく変わりますが、週に数日以上来てもらうと年間100万円以上かかることが予想されます。
サポート校の学費は支援金が適用されないので注意
今回はサポート校の学費について、通信制高校との比較やメリット、デメリットについて紹介してきました。
サポート校は通信制高校と同時に通う人も多く、学費については60~130万円程度かかる見込みになります。
ただしサポート校は通信制高校と異なり、そもそも国から認められている高等学校ではないため、就学支援金制度が適用されないため要注意。
特待生制度を設けている学校もありますが、基本的には授業料は全額自己負担であると覚えておいたほうが良いでしょう。
しかし、通信制高校とサポート校とのダブルスクールには、レポートへのアドバイスやテスト対策だけではなく、通信制高校で学べない分野を学べたり、個別でのフォローを受けられるメリットも!
学習面だけではなく精神面でのサポートも充実しているので、ぜひ検討してみてくださいね。