通信制高校の学費を免除する方法!実質無料で通える? 2020.05.26
「就学支援金」で公立高校の授業料を免除できることは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。しかし、通信制高校の学費を免除する方法となると、すぐに思い浮かばない方もいると思います。
学費が高いと敬遠しがちな私立高校だって、いろいろな制度を利用すれば学費を一部、もしくは全額免除されるかたちで卒業ができるんですよ!
通信制高校で利用できる学費免除制度
通信制高校も全日制高校と同じように就学支援金が使えるほか、さまざまな学費免除の方法があります。
家庭の収入状況にもよりますが、こうした制度を積極的に利用すれば公立高校は実質無料、私立高校も実際の負担を少なくして通うことが可能です。
1つ1つ、平均的な金額などを紹介します。
国から受給する就学支援金
国が運営している高等学校等就学支援金。世帯の収入状況によって受給できる金額は異なりますが、公立校にも私立校にも利用できるためご存知の人も多いと思います。
通信制高校の場合、1単位あたり4,812円が支給されるため、1年間で受給できる最高金額は約12万円です。
これを利用すれば私立高校に入学したとしても、家庭の負担はかなり少なくなるでしょう。
授業料にしか使えないので注意
ただし気をつけてほしいのが、これはあくまで授業料にのみ利用できる支援金だということ。入学金や教育設備費用には充てることができません。
教科書の購入代なども別途負担となります。
各都道府県の学費免除制度
国からの就学支援金だけでは授業料を支払いきることができない、そんな私立高校に通う家庭のために各都道府県ではそれぞれ学費免除制度を用意しています。
ほとんどの都道府県が生活保護受給世帯や非課税世帯を受給対象としており、受け取ることができる金額もそんなに差はありません。
ただ、住んでいる都道府県にある高等学校に通っていないと利用することはできません。
大阪府の例
たとえば大阪府には「私⽴⾼等学校等の授業料無償化制度」があります。
年収690円未満の世帯は授業料が実質無償、年収590万円以上800万円未満世帯では年間20万円の負担だけで通うことができる、保護者の皆さんに大変人気がある制度です。
私立高校に3人以上通わせていると、さらに受給できる金額が上がりますよ。
人気なのは「学び直し」制度
通信制高校は在籍する生徒のうち、半分が成人の生徒です。
一度高校を中退したが編入して高卒資格取得にチャレンジをする、そんな人たちを支援する都道府県が今増えてきています。
この制度では、本来4年間を超えて在籍すると利用できなくなる就学支援金制度を、「学び直し」のときにはそのまま利用できるようにするものです。
返還不要の奨学金制度
「奨学金」と聞くと、大学生が利用する返還必須なものが思い浮かぶかもしれませんが、世の中には返さなくていい奨学金があります。こちらも各都道府県で行われているので、住んでいる地域ではどんな制度が利用できるのかチェックしてみてください。
東京都では生活保護・生業扶助受給世帯は年額52,600円、それ以外の非課税世帯では年額38,100円を受け取ることができます。
こうした奨学金は授業料だけでなく、通学時の交通費や、施設設備費用など諸費用の支払いにも利用できます。
特待生制度
これは国や都道府県ではなく学校が用意している制度。入学試験での成績優秀者などが、学費を一部または全額免除されるものです。
特に大手の学校に多い制度で、特待生に選ばれるのは狭き門ではありますが、選ばれれば収入状況などに関係なく授業料などを免除してもらえます。
少ない利息で費用を借りられる制度
ここまで紹介したのは学費の一部または全額免除の方法ですが、高校卒業後から返済ができ、通常のローンなどよりも低い利息で教育費用を借り入れできる制度も多くあります。
生活保護世帯などではないけど生徒自身が学費を支払いたい、そんな場合にはおすすめの制度です。
奨学金制度
奨学金は都道府県が運営しているものや自治体が運営しているものなど、いろいろな種類があります。
対象は限られてきますが、都道府県など大きな団体が運営しているものほど安心して利用できるでしょう。
入学金貸付制度
入学時には大きな出費を一度にしなければなりません。私立の通信制高校だと、入学時にその年の授業料と合わせて30万円前後支払う必要があります。
これは入学金のためだけに借り入れができる制度で、いくつかの都道府県がこの制度を設けています。
教育ローンの利用
通信制高校のための教育ローン講座でも紹介している教育ローン。
通常のカードローンなどより低金利で借りることができ、鹿島学園高等学校など大手校では提携先があることも多いので安心して利用することができます。
ローンの利用では学費を免除することはできませんが、在学中は費用の心配をする必要はなくなります。高校卒業後に大学に進学した場合は、大学卒業後の返済も可能です。
通信制高校でもたくさんの免除制度が利用できる
「通信制高校」はまだまだ知らない人も多いスタイルですが、全日制高校や定時制高校と変わりません。学費の免除だって、全日制や定時制と同じようにいろいろな制度を利用することができます。
特に私立高校を検討する場合は積極的に調べてみてください。