通信制高校からの就職は不利?就職活動をうまく進めるコツとは 2023.07.19
通信制高校を卒業した後は、進学か就職かどうかで迷いますよね。
ネットなどでは、「通信制高校からの就職は不利」といった情報などもありますが、実際はどうなのでしょうか?
そこで今回は通信制高校からの就職事情について、さらに就職選考を突破するコツなどについても紹介します。
通信制高校から就職したいと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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通信制高校からの就職が不利と言われる理由とは?
そもそもなぜ通信制高校からの就職は不利だといわれるのでしょうか?
通信制高校からの就職が難しいと思われる原因には以下のものが挙げられます。
通信制高校からの就職が不利と言われる理由- 就活サポートが整っていない
- 学校に届く求人票が少ない
- 通信制高校に対する世間的な偏見がある
➀就活サポートが整っていない
通信制高校に通う生徒の多くは、精神的・身体的・時間的な問題などによって全日制の学校へは通えない方がほとんどです。
したがってメンタルサポートは充実していても、あくまで高卒資格の取得させることを目標としているため、就活サポートについてはそこまで整っていない傾向にあります。
もちろん学校によっては、就活にも手厚いサポートがあるところもありますが、それでもやはり専門学校や全日制高校と比較すると劣る面があります。②学校に届く求人票が少ない
通信制高校はほかの大学や全日制高校よりも、そもそも学校に届く求人票が少ないです。まったく求人がないというわけではなく、年々求人を申し込む企業も増えてきていますが、まだまだ認知度が低く生徒にとっても就職に不利な状態が続いているのは事実です。
実際、通信制高校に通う生徒のなかには就職をせずにフリーターやニート、そのまま進学や就職を選ばなかった人もいます。
③通信制高校に対する世間的な偏見がある
通信制高校は「夢を持つ人が挑戦しながら学習できる学校」というイメージがある一方、なかには「メンタルが弱い人が通っている学校」といった間違った偏見を持つ人もいます。このような世間的な偏見もまた、「通信制高校は就職に不利」「働けない」といったイメージを持たれてしまう原因に挙げられます。
通信制高校からの就職事情
令和2年度に文部科学省から発表された「高等学校通信教育の現状について」によると、通信制高校卒業生の進路は以下のものとなっています。
通信制高校からの就職事情大学進学者…18,0%
専修学校進学者…21,7%
就職者…19,6%
その他…37,4%
上記を見ると、通信制高校に通う生徒のうち5人に1人が就職しているといえます。
また就職率に関してのみいえば、全日制は17,2%となっておりそこまで差はありません。
つまり、通信制高校出身だからと就職に不利になることはほぼないのです。ちなみに3~4割程度ある「その他」については、フリーランスやフリーター、職業訓練校に入学した人、進路不明といった人が含まれます。
もちろん、学校によって進路の割合は異なるので一概にはいえませんが、このような状況であることは頭に入れておくといいでしょう。
参考:高等学校通信教育の現状について|文部科学省通信制高校を卒業した人の就職先
では具体的に、通信制高校を卒業した人はどんなところに就職しているのでしょうか?
ここでは、通信制高校を卒業した人の就職先に多い分野について解説していきます。
- サービス関連
- 販売従事者
- 生産工程従事者
サービス関連
通信制高校を卒業した人が就職する職種として多いのはサービス関連の仕事です。
サービス関連の具体的な仕事にはおもに、ホテルといった宿泊業、飲食業といったものが挙げられます。さらに通信制高校では、料理などを学べるカリキュラムが用意されているところもあるため、調理関連の仕事に就く人も少なくありません。
販売従事者
商品の買い付けや提供、商品の営業などをおこなう販売従事者もまた、通信制高校を卒業した人にありがちな就職先のひとつ。販売従事者のなかには自動車・機械器具・化粧品といった一般的な専門知識を有するものがありますが、通信制高校にはそのような専門的な知識やスキルを学べる学校も!
サービス関連と同様に、通信制高校で学んだことが活かされる職場です。
生産工程従事者
生産工程従事者とはおもに、加工や組み立て、印刷など生産工程でおこなわれる技術スキルを要する仕事です。
この仕事はスケジュール管理能力や計画をもって取り組む能力が必要なので、通信制高校で培ってきた計画性が活かされます。 また、仕事内容も入社してから覚えるものなので、実務経験がなくても就職しやすいといったメリットがあります。 もちろん、通信制高校からの就職先がすべて上記の職種であるわけではありませんが、基本的には無資格・未経験でも就職できる業界が多いといえるでしょう。 さらに、在学中に何かしらの資格や試験を受けていれば、そこに関連する業種・職種に就職する人もたくさんいます。通信制高校から就職するメリット
通信制高校から就職するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、通信制高校から就職するメリットについてご紹介します。
「本当に通信制高校から就職なの?」「通信制高校で就職に有利になるポイントはあるの?」と不安な方は参考にしてみてくださいね。
通信制高校から就職するメリット
- 在学中に就職で有利になる資格や経験を積める
- 公務員試験対策の時間をとりやすい
➀在学中に就職で有利になる資格や経験を積める
通信制高校では基本的にレポート提出による学習が中心となるため、拘束時間が短い傾向にあります。 さらに自分で学習のペースもある程度自由に決められるため、何かしらの資格や検定などを勉強しながら学校生活を両立することが可能です。また学校側が生徒の資格取得をサポートする仕組みがあったり、カリキュラムが整えられていたりするケースも!
入学する前に就職する意思が強いのであれば、学びながら在学中に就職で有利になる資格や経験を積める学校を選ぶこともひとつです。
取得できる資格の例…TOEIC
秘書検定
簿記検定
マナー検定
ビジネス能力検定など
②公務員試験対策の時間をとりやすい
通信制高校では自分でスケジュールを決められるため、公務員試験対策の時間をたくさんとれるといったメリットもあります。例えば、学校が開いている時は試験対策をサポートしてもらい、普段は通常の学習をするなどで調整が可能です。
また通信制高校によっては、公務員を目指す人向けのコースが設けられているところもあります。
さらに公務員のほかには、警察官や消防官を目指す方向けのコースも設けられているため、目標に合った学び方ができるのもポイントです。
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通信制高校からの就職活動を有利に進めるコツ6つ
ここでは、通信制高校からの就職活動を有利に進めるコツについて6つご紹介します。- 専門知識やスキルを学べる通信制高校を選ぶ
- 就職に有利な資格を取る
- 就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ
- アルバイトやインターンシップで実践を積む
- 大学・専門学校への進学を目指す
- エージェントを利用する
➀専門知識やスキルを学べる通信制高校を選ぶ
就職先の即戦力になるような専門知識やスキルを学べる通信制高校を選べば、未経験の人よりも有利に就職活動を進められます。通信制高校では現在、美容や調理、プログラミング、保育、トリマーといったあらゆる分野の専門知識や実務に関わる経験ができるところがたくさんあるので、そこでの経験がアピールポイントに!
卒業に必要な単位取得に関わる拘束時間が短い通信制高校だからこそ、全日制よりも専門知識取得のためにもたっぷり時間を割けられます。
もし、通信制高校入学前や早めの段階で、やりたいことや目標が決まっているのなら、将来の就職につながる専門コースがある学校を選ぶといいでしょう。
②就職に有利な資格を取る
とくにやりたいことがなくて入学した場合も、通信制高校で何かしらの資格や専門知識を持っていると就職活動で有利にはたらくのでおすすめです。通信制高校では高卒に必要な単位だけではなく、専門知識や資格を取得するための特別なカリキュラムを用意している学校もあります。
どこの就職活動でも、何かしらの資格取得に関するエピソードがあれば、「目標に対して達成する能力がある」「向上心がある」と好印象につながります。
③就職サポートが充実している通信制高校を選ぶ
就職活動では、書類選考や面接、筆記試験などがあり、事前準備が大切です。 とくに就職実績数が多い通信制高校では、就職に関するノウハウを持ったサポートが整っていたり、就職事情に詳しい担当者などがいるので、そういった学校を選ぶのもひとつ。 自己アピールの仕方や就職活動や社会人に必要なマナー、選考を突破するための書類・面接対策などが受けられるため、学校選びの時点で就職サポートの内容までチェックしておくといいでしょう。 また担任制を採用している学校であれば、生徒ひとりひとりに対してフォローをしてくれるところも! 「就職活動のために何をすればいいのかわからない…」といった不安も解消されます。④アルバイトやインターンシップで実践を積む
学費や生活費のために働きながら通信制高校に通う生徒もいますが、社会性を身に着ける目的でアルバイトやインターンシップに参加するのもおすすめです。アルバイトでは通信制では得られない、周囲との連携やコミュニケーションをとりながら働くという経験ができます。
また企業のインターンシップでは社会人経験を積めるだけではなく、ある程度の信頼感や評価を得られればそのまま企業に採用・就職されるケースも!
いずれにせよ、アルバイトやインターンシップで身につけた経験やスキルは、就職活動時のアピールになるのでやっておいて損はないでしょう。
⑤大学・専門学校への進学を目指す
「金銭的余裕がある程度ありすぐに就職しなくてもいい」「通信制高校でやりたいことが見つからなかった」といった方は、大学・専門学校に進学してから就職を目指すのもいいでしょう。
ただし大学や専門学校だと毎日通学する必要があるため、通信制高校でのスクーリングに行くので精いっぱいといった方にとっては苦痛になる可能性も。
進学を希望する際は、自分が継続的に通い続けられそうか、保護者や先生たちと相談してみてくださいね。
【2022年最新】おすすめの通信制大学6選!選び方や選択時の注意点を解説⑥就職エージェントを利用する
通信制高校から就職する際は、学校の支援制度やハローワークを利用するといった方法がありますが、就職エージェントを利用するのもひとつ。 エージェントでは就職や業界に詳しいプロがいますので、自己分析から会社紹介、企業への書類・面接対策をおこなってくれます。 また企業との面接日の調整や交渉なども代行してくれるので、「就職活動のはじめ方がわからない」「自分の適性が分からない」といった方におすすめです。23卒におすすめの就活エージェント9選!利用時の注意点も徹底解説
通信制高校から就職面接を受ける際のポイント3つ
通信制高校から就職する際も、一般的な就職活動と同様に面接が必須です。
ここでは通信制高校から就職面接で好印象を残せるポイントについてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
通信制高校から就職面接を受ける際のポイント3つ- 身だしなみや礼儀を徹底する
- 通信制高校の説明をする
- 通信制高校で学んだことをエピソードで話す
➀身だしなみやマナーを徹底する
就職面接を受ける前に身につけておきたいのが、身だしなみや社会人としてのマナー。通信制高校では髪型や服装など自由なところがほとんどですが、就職活動を始める際には改めなければいけません。
全日制高校でも通信制高校でも企業側としては同じ学生ですし、第一印象は大事ですからね。
リクルートスーツや髪を黒く染め、外見ではあくまで協調性を、内面で個性をアピールするようにしましょう。
また、高卒からの社会人ではとくに若さがゆえに明るさや元気さが求められます。
面接でハキハキ話すなどもありますが、面接会場で出会う人にしっかりあいさつをするのも意識したほうが良いでしょう。
ただしこういった身だしなみやマナー、あいさつに関してはすぐに実践できるものではないため、人見知りや苦手意識のある方は普段から練習しておくと安心です。
②通信制高校の説明をする
面接に行くと、高校の特色について聞かれることも少なくありません。 採用担当者によっては、通信制高校は全日制高校とは学習内容が違うなどと偏見や先入観を持つ人もいますので、自分が通ってきた学校について説明できるようにしましょう。反対にここで上手く説明できなかったりすると、マイナスなイメージを持たれたままになってしまうおそれも!
また、「そもそもなぜこの高校に進学したのか?」といった質問をされる可能性もあります。
その際も「〇〇を両立させるため」など、その高校がどんな学校でなぜそこを選んだのかを明確に説明できるようにしておく必要があります。
必要以上に話を持ったり、隠したり嘘をつくのではなく、素直に伝えることを意識してください。
③通信制高校で学んだことをエピソードで話す
通信制高校についての説明や進学理由のほかには、「高校で学んだこと」などもよく聞かれる質問です。
採用担当者は「通信制高校でどんな経験を得たのか」「どんな学生生活を送ってきたのか」といった個人の内面について掘り下げたいと考えているため、それに相応するようなエピソードを用意しておかなければいけません。通信制高校ならではの経験や、自らアルバイトやインターンシップなど課外で学んだことをアピールできれば、たとえ通信制高校にネガティブなイメージを企業が持っていても覆せるはずです。
就職活動では、全日制でも通信制でも大学卒業者でも基本的なマナーや志望動機、自己アピールなどが大切であり、流れや就職活動のやり方はそこまで変わりません。
しかし通信制高校の場合、「なぜ通信制高校への進学を選んだのか」「そもそも通信制高校とはどのような校風なのか」「通信制高校やほかの活動で得たこと」などを聞かれます。
もし就職活動の書類や面接で不安な部分がある方は、通信制高校のキャリア担当や保護者、エージェントなどを利用して書類・面接対策などをおこなってもらうといいでしょう。
面接で通信制高校を選んだ理由について聞かれたときの対処法
先にも述べたように、就職面接では「通信制高校とはどのようなところなのか」「なぜ通信制高校に進学しようと思ったのか」などの質問をよくされます。
ここでは、通信制高校に進学した理由を聞かれた際の対処法について内容別にご紹介します。
- スポーツとの両立のため
- 仕事との両立のため
- 身体的・精神的な問題のため
スポーツとの両立のため
通信制高校に進学するうえで、スポーツといった学業以外に打ち込んできたものがあったという理由があります。
その際は、「通信制高校に通うことで、より集中した環境で打ち込みたかった」旨をつたえるといいでしょう。また、拘束時間が長い全日制ではなく、自由が利く通信制高校に通うことで具体的にどんな結果を残せたのかまで示せればより説得力が増しますよ。
仕事との両立のため
もともと学生時代から働いてきたものがあったり、アルバイトとの両立によって通信制高校を選択する人も少なくありません。 そういった場合は、「なぜそこで働いてきたのか」「そこで得たもの」「成長できたと感じること」などを伝えるのがポイントです。 さらにアルバイト先が就職先の業界に関わるものであれば、よりアピールポイントにつながります。身体的・精神的な問題のため
通信制高校に通う生徒のなかには、身体的・精神的な問題を抱えている方もたくさんいます。 学生時代や日々の生活のなかで大変なことに直面した際、「どう乗り越えてきたのか」「何を学び、どのように社会貢献していきたいか」を軸にアピールすると評価に! やはり通信制高校といっても、だれでも楽に卒業できるわけではありません。 自分で計画立ててひとつひとつこなしていく力、自由に使える時間で自分が何に取り組み得たのか、そして社会でどう活かしていきたいかなどをアピールできれば、面接でもバッチリでしょう。通信制高校から就職するには事前準備が大事!
今回は通信制高校の就職事情や就職選考を突破するコツなどについてご紹介しました。
通信制高校のみに限った話ではありませんが、やはり就職を考えているのなら事前準備が大事です。
もし通信制高校に通ううえで何かしらの目標があるのなら、その分野に強い通信制高校を選ぶのがおすすめ。
通信制高校には高校卒業に必要なもの以外に、資格や特定の分野に特化したカリキュラムが用意されているところもたくさんあります。
進学時点でやりたいことが決まっていない人も、在学中に興味のある分野を見つけたり、アルバイトやインターンシップ、資格取得などを目指すと就職には有利に!
また面接では、「なぜ通信制高校を選んだのか」「通信制高校で学んだこと」などについて聞かれます。
通信制高校に通うメリットには、「自分のペースで学べる」「拘束時間が短く、ほかのことに注力できる」といったものが挙げられます。
メリットとともに、自分が学生生活で得たことや通信制高校の特徴などを挙げれば、就職でも有利に働くはずです。