通信制高校の卒業後の進路を徹底検証 2018.07.09
高校を選ぶときに考えておきたいもの、それは高校卒業後の進路です。
今回は文部科学省の調査結果をもとに、通信制高校の卒業後の進路について詳しく解説していきます。
通信制高校卒業後の進路
高校を選ぶときに考えておきたいもの、それは高校卒業後の進路です。
今回は文部科学省の調査結果をもとに、通信制高校の卒業後の進路について詳しく解説していきます。
以下のグラフに通信制高校の進路別卒業状況をまとめました。文部科学省による平成24年度「学校基本調査」によるものです。
大学等進学者は16.7%。実は10年前の平成24年にはまだ12.1%だったという記録があるので、着実に数字が伸びているんです。
専門学校への進学者と合計すると、約4割の生徒が卒業後の進路に「進学」を選択していることになります。
この調査結果が意外だと感じる人も多いのではないでしょうか。
定時制高校と比較すると・・?
こちらは同じく平成24年度、定時制高校の進路別卒業状況です。
意外にも大学等進学者・専門学校への進学者どちらも通信制高校より低い数字。進学しているのは3割です。
一方で就職者は3割と通信制高校の倍の数字になっています。そのため進路決定率でいえば定時制高校のほうがまだ高い結果を残していますが、高校卒業後すぐに就職をする人自体はどんどん減ってきているので、今後は通信制高校の人気がまだまだ上がることが期待できる結果です。
通信制高校は進学へのステップに
この結果を見ると、通信制高校は「高校卒業資格を取る場所」と同時に「進学するための第一段階」という役割を果たしていると考えられます。
実際に、平成28年現在では「大学進学コース」などを設置する通信制高校も増えていますし、塾や予備校が運営するサポート校も増えてきています。
2人に1人が「その他」の進路へ
しかし通信制高校の進路決定率は6割に届いていません。
残りの4割の生徒は卒業後どんな道をたどっているのでしょうか。
既に仕事をしていて、働きながら高卒資格を取得した場合もあるかもしれません。その場合は特に進路選択は必要ないですよね。
また、子どもがいる主婦の方なら正社員になることはなくパートタイムでの仕事を続けているかもしれません。これも「その他」に入ります。
家事手伝いやフリーターもまだまだ多い
それでも一番多いのはフリーターだと言われています。また「家事手伝い」、いわゆる「ニート」になってしまう人も多いです。
高校卒業後はなんらかの進路に必ず進みたいと考えている場合は、周りに流されずきちんと努力をする必要があるでしょう。
また学校を選ぶ際に、進路決定率などもチェックしてみてください。
通信制高校での進路指導サポート
最近では全日制高校や定時制高校と同じようにしっかり進路指導を行っている学校も多いです。
実際に大学進学者が増えているのもこのおかげではないでしょうか。
進学コースの設置
最近では大学進学に特化したコースを用意している学校も多く、進学率を大々的にアピールしている通信制高校も多いです。
こうした特別コースでは、自由な時間が多い通信制高校のメリットを利用して早いうちから大学受験に特化した勉強をすることができます。
大学に授業体験に行くイベントがあったり、進学した卒業生を招いた講演会を行ったりする学校も増えています。
指定校推薦が可能な学校も多いです。
インターンやマナー講座などのキャリア指導
就職を目指す生徒のために、企業へのインターンシップを授業の一環として取り入れている学校もあります。
インターンは生徒からも保護者からも非常に評判がよく、専門性の強い分野であればそのままインターン先に就職が決まる場合もあるようです。
就職活動はもちろん実際に社会に出たあとに役立つマナー講座もありますし、履歴書の書き方も先生にアドバイスをもらうことができます。
まずは「好き」や「得意」を伸ばそう
年齢に関係なく「まだ将来やりたいことがわからない」「働ければなんでもいい」という考えを持っている人も多いですよね。
そんな人のための指導も通信制高校やサポート校では多く行っています。
高校卒業に必要な勉強以外の、製菓や音楽などの授業にチャレンジできるのも、まずは生徒の興味がある分野を見つけるためのもの。
こうした授業のおかげで高校に通いたくなったという声も多いです。
大学進学・就職を希望なら学校選びから
進路指導について「通信制高校でも意外と充実しているんだ!!?」と驚いた人も多いかもしれません。
たしかに進路については、サポートも実績も学校によって差があるのが現状です。そこで重要になるのが入学する前の学校選び。
進路決定率の高さで選ぶのもいいですし、すでに高校卒業後に進学したいジャンルが決まっているならそのジャンルの進学に強い学校を探すのもいいでしょう。
専門学科卒のほうが正社員になりやすいという調査結果も
なお、平成18年の文部科学省による調査では、専門学科や総合学科卒業のほうが普通科卒よりも正社員として働く比率が高いという結果も出ています。
中学生もしくは高校生の早いうちからすでに自分の夢が決まっているなら、より専門的な学科を選択するのも一つの選択肢です。
まとめ
就職や進学など通信制高校卒業後の具体的な進路について解説しました!
高校卒業資格をとったその先を見据えた対応が大事です。