通信制高校を羨ましいと思っている全日制生徒へ 2020.05.02
「通信制高校って楽そう!」「全日制の方が大変…」などという感情を持っている人はいませんか?
あなたが羨ましいと思っている通信制高校、実は意外と楽ではないのです。
全然知らなかった通信制高校について。ここでは実際に通信制高校に通う上での大変さ、実情を一気に紹介します。
これを読み終わるころ、果たしてあなたの心に「羨ましい」という感情は残っているでしょうか…?
通信制高校が羨ましがられる理由
まず最初に、具体的に通信制高校が羨ましがられる理由はどんなものがあるのか代表的なものをあげていきます。
登校日数が少ない
通信制高校が羨ましがられる理由として、全日制高校と比べて登校日数が少ないことが挙げられます。
確かに全日制高校には学校側が決めた時間割があり、生徒はそれに沿って授業を受け、卒業へと歩んでいきます。
しかし通信制高校には学校が定める時間割というものがなく、単位の取り方は自分で決められます。そのため自ずと登校日数も減ってくるのです。
それが全日制高校の生徒から見て「羨ましい」と思われる理由の一つでしょう。
服装が自由
多くの全日制高校では学校ごとに制服があります。
学ランやブレザー、セーラー服など学校によって種類は様々ですが、通信制高校にはそれがありません。
高校生といえばおしゃれをしたい年ごろに差し掛かっています。毎日着たい服を着させてくれない制服がそもそもない通信制高校はその点でも「羨ましい」ポイントになるのでしょう。
勉強が少ない
先ほども書いたように、通信制高校は全日制高校と比べて授業が少ないです。
スポーツなどのやりたいこと、仕事などと両立して通っている生徒が通信制高校には多いので、勉強の時間は全日制高校と比べて抑えられています。
全日制高校では毎日6時間目まであるところが、通信制高校ではその半分以下の勉強量で済むことも。
それで同じ「高校卒業」の資格をもらえてしまうため、全日制高校の生徒が羨ましがるのも無理がないかもしれませんね。
実際は意外と卒業するのは大変
ここまで読んで「通信制高校ってやっぱ楽じゃん!」と思った方もいるかと思います。
しかし通信制高校には通信制高校ならではの大変さが存在します。
その実情を紹介していきます。
勉強時間を家で確保するのは大変
通信制高校に通っている生徒は何らかの理由があって全日制での卒業な困難な人や、何かと両立して勉強をしに来ている人がいます。
後者は具体的にはアスリートや芸能活動をしている人、社会人など多岐にわたります。
全日制高校の生徒との違いは勉強だけをするわけではない、ということです。
全日制の生徒は毎日時間が確保された状態で勉強に取り組むことができます。
しかし通信制高校の生徒はそうもいきません。
自分の事情と相談しつつ勉強をしていくため、勉強時間の確保が難しい場合がほとんどなのです。
それで全日制高校と同じ「高校卒業」の資格を得るべく勉強しなくてはならないのですから、決して「羨ましい」の一言ではまとめられないのです。
レポートの提出や期末テストでリタイアしてしまう人もいる
通信制高校では何かと両立をしながら学業に励む生徒が多いということを話しましたが、やはり大変なのです。
通信制高校ではレポート・スクーリング(面接指導)・期末テストの3つを軸として単位を取得します。
何かと両立しつつレポートを提出したり、期末試験の準備をしたりすることは大変です。
全日制高校ではテスト期間に集中してやればなんとかなるものが、通信制高校ではどうにもならないのです。
結局やっていることと両立できなかったり、精神的厳しかったりといった理由でリタイアしてしまう人も少なくはなく、通信制高校の単位取得の難しさがうかがえます。
卒業するためには自分の強い意志が必要
上の2つで通信制高校での勉強は大変だということが少しは分かったかと思います。
その状況でも卒業を目指すのであれば、「やりきる」という本人の強い意志が求められます。
そこで頑張る意思があるのであれば、通信制高校での学びも苦痛にはならないでしょう。
通信制高校に通う人によっては、卒業までの過程を全日制高校と同じ3年では終えることができず、プラスで数年かかる人もいます。
両立をしつつ学ぶことや、自分の抱える事情と相談しつつ学ぶことは大変です。
だからこそ、この意思が必要となってくるのです。
全日制と通信制のいいところをしっかり比較しよう
現在の日本では「通信制高校が恥ずかしい」という風潮があるのが現実です。
「羨ましい」という目で見られることも多いのですが、通信制高校には通信制高校の大変さがあります。
自分を取り巻く状況を考え、自分に合った学び方を選択することが重要です。
通信制高校にも全日制高校にもそれぞれ良い点と悪い点があります。
通信制高校への転向を悩んだら、まずは両者の良い点をしっかりと比較してみてください。
「高校は全日制でなくてはいけない」という決まりは存在しません。
義務教育を終えている高校は、自分に合った学び方をすればいいのです。
通信制高校か全日制高校、あなたに合う学び方はどっちですか?