高卒認定試験(大検)と通信制高校の違い

「高校を中退したけどやっぱり大学には行きたい」「幼稚園教諭になるために高校卒業資格が必要」「まだ先のことはよくわからないけどとりあえず高校の卒業くらいしておかないと…」

そんなときの選択肢は通信制高校だけではありません。

『高卒認定試験』いわゆる「高卒認定」「高認試験」の資格を取得しようとする人も多いです。

でも実はこの資格、「高卒資格」とは違うことを知っていますか？

高校を途中で中退してしまった場合、もう一度高校に通うのか高卒認定試験を受けるのか迷われる方が多いと思います。
この２つの明確な違いは学歴です。

「高卒認定」では最終学歴は「中卒」のまま

こう聞いて驚く方も多いのではないでしょうか。
いわゆる高卒認定とは「高校を卒業した者と同等もしくはそれ以上の学力があると認める」という学力に対する資格です。
そのため高卒認定試験に合格しても最終学歴は中卒のままになり、就職の際に不利になることも稀にあります。
しかし、大学や専門学校への受験資格を得ることができるので、高卒認定を取得した人の多くはいずれかの学校へ進学をし、最終学歴を更新することが多いようです。

社会人でも高卒認定より通信制高校を選ぶ人もいる

既に社会人として働いている人でも、学歴にきちんと高校卒業と書きたくて、高卒認定ではなく通信制高校への入学をする人は実は多いです。
また、高卒認定試験の勉強は自分との闘いです。
勉強に自信がなく、「合格のために予備校に通うくらいならもう一度高校生活をやり直そうと思った」という生徒もいます。

高卒認定試験とは正式には「高等学校卒業程度認定試験」といいます。

【高等学校卒業者と同等以上の学力がある】ことを認定し、証明するための資格で、実は”高校卒業資格”とは違うんです。

そのため最終学歴は「中卒」のままになります。

学力を証明する資格なので、取得のためには学力試験に合格する必要があります。

試験の時間は各科目ごとに50分です。合格に必要な科目は必修8～10科目です。

以下から自分の得意な科目を選択して受験します。

試験科目

合格科目に有効期限はなし！自分のペースで受験可能

高卒認定試験は一度に全科目合格する必要はありません。

たとえば1回目の受験で国語と数学だけ不合格になってしまった場合には、2回目の受験の際にはその2科目の受験だけで大丈夫。

以前合格した科目はそのまま持ち越しができるので、時間をかけて数科目ずつ勉強を進めることもできますし、個人それぞれ無理のないペースでの学習ができます。

試験日程

試験時期は年2回、8月と11月にあります。

11月の試験で不合格になってしまうと9ヶ月後の8月まで受験できる機会がないので、少しくらい勉強が足りていない場合でも試験の内容を確認するため8月を1回目の受験日にするのがおすすめです。

すでに社会人になっている方や保護者の方は、ここで「大検とは違うの？」という疑問が浮かんでくる方も多いと思います。

実は「高認」と「大検」は同じもの。

大学入学資格検定（大検）は平成17年から、高等学校卒業程度認定試験（高認）に変わったんです。

これにより試験科目が9科目から8科目に減り、受験者の枠も広がりました。

高卒認定試験に合格すると、高校を卒業したという学歴がなくても、大学・短大や専門学校の受験資格を得ることができます。

さらに公務員試験などの多くの国家試験の受験資格も得られるので、将来の進路の幅を一気に広げることができるんです。

たとえばこれを利用して大学へ入学、卒業後は最終学歴を「大卒」にすることができます。

高認試験に合格するメリットは通信制高校を卒業した場合ほぼ同じ。通信制高校を卒業するためには高校への在籍期間が必ず3年必要なのに比べると、高卒認定のほうが勉強さえできれば時間がかからず楽そうに思えます。

どちらを選ぶのがいいのかはその人の現在の状況によって変わってきます。

高卒認定取得後の進路が決まっている人

高校卒業と同等の資格を得たあと、大学に行くのか専門学校に行くのか、そのまま就職をするのか、いずれにせよ自分の進路をなんとなくイメージできているあなた。

その進路に進むための勉強まで、そのまま自学自習でできるのであれば、高卒認定試験で問題ないでしょう。

その後の進路に進むための勉強はどうする？

しかしなかには、無事に高認がとれたら大学に行こうと思ってはいるけど、大学に行くための勉強はどう進めるかまだはっきりしていない人も多いですよね。

高認の勉強は難易度もそう高くないので自学自習でも問題はあまりないですが、大学受験を自分一人の力で進めるのはかなり難しいです。

そんな人はあえて通信制高校に入学して、高校卒業のための勉強と大学受験のための勉強を両立して進めていくのもおすすめですよ。

まだ将来について決まってない人

また今後の進路がまだはっきりしていない人、高校の卒業資格はとりあえずとりたいけど特にやりたいことがない人は、高卒認定試験を無事に取得できてもそのまま変わらない生活を送ってしまうことも多いです。

最近の通信制高校では、企業や店鋪へのインターンや教科科目以外の授業など、進路指導カリキュラムも多いが特徴。

なにか自分がやりたいことを見つけたいなら、通信制高校でゆっくり勉強していくのもいいですね。

社会性・コミュニケーションに自信がない人

たとえ資格が取得できても、他人と話すのが苦手だったり、家から出ることができなかったりすると、もちろん社会に出ることはできません。

せっかく高校卒業と同等の資格をとったのに、外に出ていくことができず資格を無駄にしてニートを続けてしまう人も多いです。

もしも集団行動が苦手だったり就業経験がない場合には、通信制高校やサポート校に入ってコミュニケーション能力を伸ばしたり、少人数制授業で少しずつ集団に慣れていくようなサポートを受けることをおすすめします。

高卒認定試験（大検）と通信制高校の卒業、どちらが自分にいいかなんとなく考えることができましたか？

通信制高校プラザではさまざまな学校を紹介しているので是非いろいろな学校を見てみてください。

高認試験を受けるか学校に通うか、あなたの判断にいいお力添えができますように！