通信制高校の現実とは?メリット・デメリットを解説 2023.07.27
通信制高校に興味がある人はいても、「現実ってどうなの?」と気になる人はいるでしょう。
通信制高校のホームページにはメリットばかり掲載されていますので、実際のところはあまり明確に掲載されていないこともたくさんあります。
そこで今回は、通信制高校のホームページには載っていない、メリットやデメリットについてご紹介します。
これから通信制高校に行こうか迷っている方はぜひ参考にしてみて下さいね。
通信制高校が有利になる現実8つ
通信制高校に通うメリットには以下のものが挙げられます。
- 豊富なカリキュラムやコースがある
- 通学のタイプやペースを自分で決められる
- 人間関係を気にする必要がない
- やりたい仕事や勉強と両立できる
- 留年の制度がない
- 学校からのサポートが手厚い
- 大学進学のための勉強もできる
- 高校卒業資格を取得できる
豊富なカリキュラムやコースがある
通信制高校には豊富なカリキュラムやコースが用意されています。
全日制では高校卒業に必要な単位や授業しか受けられませんが、通信制高校ではより専門的な分野に特化した授業が受けられるメリットがあります。
たとえば、美容やアニメーション、プログラミング、調理、大学進学コース、トリミングなど。
とくにやりたいことが見つからない人でも、通信制高校に通っている中で見つけられるかもしれません。
大学や専門学校への進学、就職にも有利になるので自分にあったカリキュラムやコースを見つけてみて下さい。
通学のタイプやペースを自分で決められる
通信制高校なら自分に合った通学のタイプを選べます。
一方全日制の高校では毎日登校することが前提となり、あまりにも出席数が少ないと留年や中退になる可能性も。
通信制高校では学校にもよりますが、年に定められたスクーリングに参加すれば高校卒業できるところもあります。
また登校日も週1日など自分の好きな日や時間を決められます。
毎日登校したければ通学コースを、なるべく自宅学習したい方は最低限のスクーリングなどにするといいでしょう。
人間関係を気にする必要がない
通信制高校では先にも述べたように、通学コースと最低限の登校のみで高校卒業ができますので、全日制の高校よりも人間関係に悩むことがありません。
また登校したとしても、通信制高校は基本的に少人数制のクラスなので、「集団行動になじめない」「人と話すのが苦手」といった方におすすめです。
実際、通信制高校の方が自分の性格に合っていると感じる生徒もたくさんいます。
また反対に「人と話したい」「社会性を身につけたい」といった方は、部活動に参加すると友達も増やせるでしょう。
学校によっては徐々に登校日を増やせたり、ソーシャルスキルが学べる学校もあるので自分に合った学校を探してみて下さい。
やりたい仕事や勉強と両立できる
通信制高校では、仕事や勉強と両立しながら高卒認定資格を取得できます。
基本的に自宅学習がメインとなり、学習時間も全日制よりも短いのでほかの時間を自分のために使えるからです。
実際通信制高校に通う生徒の中には、高校を中退した社会人の方が働きながら通っていたり、スポーツや芸能活動などに専念するために通う人もいます。
留年の制度がない
通信制高校は単位制なので留年という制度がありません。
通信制高校で高卒認定資格を取得する条件には、「3年以上の在籍」「74単位以上の単位取得」「スクーリングの参加」が挙げられます。
したがって、去年取れなかった単位については翌年に繰り越して取得すれば卒業できるということです。
通信制高校では全日制のように留年を気にせず自分のペースで勉強できるメリットがあります。
学校からのサポートが手厚い
とくに私立の通信制高校では、学校からのサポートが手厚いといったメリットがあります。
基本的に通信制高校は自主的な学習がメインですが、私立だとマンツーマンでの指導が受けられたり、公立や全日制にはないメンタル面でのサポートが充実していたりします。
そもそも通信制高校には不登校経験者や引きこもり、身体的・精神的な問題によって毎日登校できない生徒も多くいます。
臨床心理士の資格を持ったカウンセラーや先生が在籍している学校もありますので、「確実に高校を卒業したい」「楽しい学校生活を送りたい」方におすすめです。
大学進学のための勉強もできる
通信制高校と聞くと、「大学に進学できるの?」と気になる方もいるでしょう。
しかし実際、通信制高校はほかの全日制とほぼ変わらない進学率を誇る学校もなかにはあります。
もちろん学校によって変わるため、「大学進学コース」があるかや自分が行きたい大学への進学実績があるかをチェックしておくといいでしょう。
また通信制高校では自由な時間ができやすいため、空いた時間に予備校に通えるといった利点もあります。
通信制高校でも大学進学はできるので、なるべく学習のサポートが充実しているところを選んでみて下さい。
高校卒業資格を取得できる
通信制高校は学校に登校しなくてもオンライン授業やレポートの提出によって、高校卒業資格を取れる魅力があります。
先にも述べたように、通信制高校で高卒認定資格を取得する条件には、「3年以上の在籍」「74単位以上の単位取得」「スクーリングの参加」が挙げられます。
学校によっては、いつでも学習面に対して相談できる環境が整えられているところもありますし、ひとりひとりの生徒のレベルや目標に合わせて学習計画を立ててくれるところもあるといわれています。
したがって、「確実に高校を卒業したい」といった強い気持ちがあるのなら、なるべく学習面のサポートが充実しているところを選んでみて下さい。
通信制高校に通う上で知っておきたい厳しい現実7つ
通信制高校にはメリットもありますが、デメリットやリスクもあります。
おもに通信制高校には以下の厳しい現実があるため、慎重に見極めるようにしてください。
- 自己管理が難しい
- 友達を作りにくい
- サポート校を利用すると高額になる
- 学校によっては難関大学を目指しにくい
- 自宅学習メインなので質問しづらい
- 世間の目が気になってしまう
- 周囲に通信制高校に通っている理由を聞かれる
自己管理が難しい
通信制高校は自己管理が難しいといったデメリットがあります。
基本的に自主的に学習しなければなかなかモチベーション維持が難しくなるため、サボり癖のある方は卒業できない可能性が高いため要注意です。
実際、通信制高校に通う人の中で自己管理ができない方は、3年経っても卒業できないケースもあるといわれています。
もし人目がないとサボってしまうタイプであれば、学習計画のサポートが充実している学校を選ぶことをおすすめします。
友達を作りにくい
通信制高校のなかで通学コースを選ばないとなると、他の人よりも登校日が少ないため友達を作りにくいといった面があります。
人と関わるのがそもそも苦手といった人にとってはメリットですが、社会性をある程度身に付けなければ今後の就職や進学の際にも苦労することになります。
もし少しでも友達と関わっていたい人や全日制のようにクラスメイトと話したいといった方は、途中で登校日の変更ができるかや部活動に入るといいでしょう。
サポート校を利用すると高額になる
通信制高校のほかにサポート校を利用する方もいます。
サポート校は大学進学を目標として、進学のサポートを重視した学校です。
サポート校との併校する場合、より費用が高額になるといったデメリットがあります。
学校にもよりますが、サポート校にかかる費用はおおよそ100万円程度が相場だといわれています。
またサポート校はあくまで進学をサポートするための学校なので、国に認可されている教育機関ではなく、補助金が受けられないので要注意。
サポート校に通うかは任意なので、慎重に決めるようにしましょう。
学校によっては難関大学を目指しにくい
学校によっては、通信制高校からレベルの高い学校への進学を目指しにくいといった面があります。
もともと通信制高校とは高校卒業資格取得を目的としているので、とくに公立の通信制高校だと進学実績が少ない傾向が強いです。
難関大学を目指している人やもともと偏差値が高い方にとっては物足りないと感じることも。
もしハイレベルな授業を受けて大学進学を目指したいといった方は、大学進学実績豊富な学校を選ぶか、通信制高校にプラスしてサポート校などを別に通うことも検討してみるといいでしょう。
自宅学習メインなので質問しづらい
ほとんど登校しないタイプの通信制高校を選ぶと、疑問点をすぐに質問できにくいといったデメリットがあるため注意が必要です。
もし分からないところがあれば、登校日にまとめて聞くか自分で調べるしかありません。
したがって、学習の理解度が深まらなかったり、不明なままどんどん置いて行かれてしまうといったおそれも。
もしすぐに質問できる環境に身を置きたいのなら、「登校日を増やす」「オンラインでもすぐに質問できるチャットやメールがある学校を選ぶ」「家庭教師など外部の先生に教えてもらう」などがおすすめです。
世間の目が気になってしまう
一般的に通信制高校は全日制よりも進学者が少ないことから、やはり世間の目が気になってしまうといった問題が発生します。
したがって、「周囲からどう思われるのか気になる」と思う方は不安になることも。
しかし就職でも進学でも通信制高校出身だからといって差別されることはほとんどないので安心してください。
周囲に通信制高校に通っている理由を聞かれる
通信制高校に通っていることを話せば、なぜ全日制ではなく通信制高校に通っているのかの理由を聞かれる場面が多くあります。
おもに就職の面接の際などに聞かれることが多く、相手はあくまで興味本位で聞いているだけなのですが、やはり聞かれる側としては嫌な気持ちになってしまいます。
したがってもし通信制高校に通うのであれば、これから先さまざまなところで理由を聞かれると覚悟しておかなければいけません。
通信制高校でよくある質問
最後にここでは、通信制高校でよくある質問についてご紹介します。
通信制高校の入学・卒業はいつまで?
原則、通信制高校は何歳でも入学できます。
入学資格は中学校を卒業している人であれば、誰でも基本的に入れます。
実際は、高校に進学しなかった人や途中で中退した人などが多く、年代も10代だけではなくかなり幅広い年代が通っています。
また卒業については通信制高校の場合、3年間で卒業できます。
もし以前通っていた高校があって転入・編入した際は、場合によっては単位を引き継げるケースも。
仕事ややりたいこととも並行できるので、いつでも自分のペースで入学できるのです。
学力に自信がなくても入学できる?
通信制高校への入学を検討している人のなかには、「学力や成績に自信がないけど入れるの?」と心配する方も少なくありません。
しかし通信制高校の入試は学力検査がなく、一般的に書類や作文、個人面接などを重視しています。
書類や面接も入学や学習へのモチベーション、生徒の性質を最終的に見るためのものなので、学力に自信がない方でも安心して合格できます。
学校によって入試制度が変わることもあるため、必ず事前に確認するようにしましょう。
卒業後の進路は?
通信制高校に入学しようと迷っている方の中には、「卒業後の進路について気になる」といった方もいるはずです。
通信制高校から進学する人の中で一番多いのは専門学校への進学ですが、大学進学や就職する方もたくさんいます。
通信制高校によっては大学進学に特化したコースを用意しているところもありますし、就職に関する指導はむしろ全日制より徹底している学校もあります。
たとえば、履歴書の添削や面接練習などを行い、生徒が就職できるまで綿密にサポートしてくれるなど。
自分がやりたいことや目標が実現できそうな通信制高校を選ぶことが何よりも大事です。
通信制高校の現実を知ってから判断しよう!
今回は、通信制高校のホームページには載っていない現実やメリット・デメリットについてご紹介してきました。
今回ご紹介した内容がすべて当てはまるわけではありませんが、人によってはリスクやデメリットと感じることがあるので注意が必要です。
通信制高校といっても受けられるサポートやコース、カリキュラムは学校によってさまざま。
また、通信制高校でなければいけない理由や入学のタイミングなども重要です。
自分の目的や性格、将来やりたいことに合ったことが実現できるかを慎重に見極めて、入学を決めるようにしましょう。