通信制高校を卒業すると差別されるの? 2020.05.26
通信制高校を卒業して社会にでたとき、普通の高校を卒業した人と差別をされないか不安をもっている方は多いです。
「通信制高校に通ってるといったらアルバイトの面接で落ちた」
「就職のときに不利だっていわれるけど本当?」
こういった不安な声があったりします。今回はそんな不安を解消すべく通信制高校が差别されるのかどうか紹介します。
通信制高校の差别の現状
結論から言いますと、通信制高校へ通っている、卒業したという理由では現在は昔ほど差别されることはありません。全日制高校を卒業しようが、定時制高校や通信制高校を卒業しようが高校を卒業した資格に制度的には違いがないことが広まりつつあるからです。
単純に生徒数が急増しているのも理由でしょう。
偏見はいまだに残っている
ただ、差别を受ける可能性は0とはいえないのが現状です。昔、通信制高校は素行不良や勉強ができないなどの理由で、全日制高校に行くことができなかった人が行く学校というイメージがありました。そのため、いまだに正しい知識がなく、「通信制の生徒は能力が劣っている」と偏見を持っている人がいるのです。学歴を重視するような人からすると、勉強ができないという固定観念を持っていたりします。日本人は普通ではない=少数派のものを好まない気質があり、こういったことがあるのはしょうがないことかもしれません。
しかし実際は通信制高校と一口に言っても、通うコースなどによって授業内容や生徒はかなり異なります。
通信制高校卒業後の進路と就職
文部科学省の平成24年のデータによると通信制高校を卒業した人の進路は次のようになっています。
データから分かるように卒業者の約4割が進学を選択していることがわかります。最近の通信制高校では大学の進学をサポートするために勉強に力を入れている学校や、専門学校に進学できるように高校時代から専門的な学習をすすめる学校が増えています。その結果として、こういった高い進学率がでているようです。
最近ではAO入試や推薦入試で大学に進学することも増えてきていて、昔と比べてかなり大学に進学しやすくなっています。
逆に就職率は15%と低く、これは就職より進学を選ぶようになっていて減っているからです。
このように通信制高校は高い進学実績を出していて、高いレベルにあることがわかります。実際、定時制高校より進学率は高いデータも出ています。
通信制高校卒業者の就職について
昔は通信制高校に対していいイメージがなく、就職に不利に働くことがあったようです。今は通信制高校に通うことが一般的になり、学校のレベルもあがっていて、通信制高校という理由だけで落とされることはほとんどないでしょう。
しかし面接での失敗を通信制高校と結びつけて考えられてしまうことはあるので、明るい受け答えなどは意識するべきです。通信制に通うことになった理由も正直に答えましょう。
心配な人は進学をして最終学歴を更新しよう
大学や専門学校に進学すれば最終学歴が「通信制高校卒業」ではなくなるので、学歴差別がどうしても心配な人は進学することをおすすめします。
さらに差別が不安なら漢字の名前の学校がおすすめ
それでも通信制高校に行くと差別されるんじゃないかと不安な方は、カタカナ表記の学校ではなく漢字表記の学校を選びましょう。
保護者の方は特にこれを基準に学校選びをする方も多いようです。「お子さんはどこの高校に通っているの?」と聞かれたときにも、通信制だということがバレにくいので周りに通信制だと知られたくない方は、こうした選び方もいいかもしれません。
卒業した後の人生が大切!
最初に述べた通り、通信制高校を卒業しても、全日制高校を卒業しても高校を卒業したことに変わりはありません。一方で、まだまだ通信制高校に対してきちんとした知識が広まっておらず、差別的な扱いを受ける可能性はあります。
しかし、どんなに優秀な高校を卒業しようがそれだけではあまり意味がないでしょう。大切なのは卒業した後にどういったキャリアを描くかということをイメージすることです。将来やりたいことをイメージして目的を持って学校を選ぶことが重要になってきます。
将来の夢の実現や目標を持って通信制高校を選ぶのであれば、自分の選択に自信を持つべきです。この記事で通信制高校の差别への不安が少しでも解消されたら幸いです。