通信制高校にも県立とか私立ってあるの? 2018.06.12
県立の通信制高校ってあるんですか?この質問は通信制高校プラザにも意外と多く寄せられる質問です。
通信制も、全日制・定時制と変わらない高校卒業資格なのでもちろん公立校と私立校の両方があります。
通信制高校は県立と私立でどう違うのか、全日制と比べながら解説していきます。
県立のほうが私立より学費が安い
私立に比べて県立のほうが学費が安いのは皆さんご存知の通り。通信制も同様です。
通信制も全日制と同様に就学支援金など国からの学習支援を利用できるので、公立校に入学した場合は学費のほとんどをこの就学支援金でまかなうことができ、実質の負担は数万円にまで抑えることができます。
しかし通信制は、学費以外にも私立と県立で大きく異なる部分があります。学費だけで選ぶのはあまりおすすめできません。
県立通信制高校は実は狭き門の場合も
私立の通信制高校の入試は書類選考と面接のみの場合が非常に多いです。学力試験はほとんど行われず、まれに作文の提出が必要になるくらいなのでハードルは低いです。
しかし県立校は学力試験を行う学校も多いので、しっかり受験勉強しないと受からない場合もあります。
そもそも県立の通信制高校は非常に少ない
学力試験があるというだけではなく、県立の通信制高校はそもそも数が少ないという点でも狭き門です。
人工が多い東京都内でも、公立通信制高校は3校しかありません。山梨県は山梨県立中央高等学校の1校のみ。このように公立通信制の選択肢は多くても3校程度しかないのです。
そのため学費をなるべく安くしたい人たちの申込みはこの3校に集中します。結果的に入試の倍率が高くなり、公立校の受験に落ちて仕方なく私立を選ぶ人も多いです。
転入を随時受け入れてない学校も多い
私立の通信制高校のほとんどは転入を年中受け入れていますが、県立の学校は生徒数が増えてキャパオーバー気味なこともあり随時受け入れている学校のほうが珍しいです。
学期の分かれ目ごとに転入を受け入れている学校でも、入学試験と同様選考があることも多いので事前に準備が必要。私立と比べるとかなりハードルが高いです。
登校日数は2週間に1日が基本
入学についてだけでなく、登校スタイルも公立と私立では大きく違います。私立の通信制高校は年間数日~週5日まで自由自在に登校頻度を選ぶことができるのに対して、公立校は基本的に2週間に1日と決まっているんです。
多くの学校は、2週間に1日の登校日を土日に設けています。稀に平日の登校が可能な場合や決められた登校日以外にも自由登校できる学校もありますが、少ないのが実情です。
県立校はサポートが少ないっていうけど本当?
サポートについては学費がかかる分、私立のほうが評判がいいといわれています。これは、公立校では生徒数に対して何人教員を配属できるかが決まっているからです。
私立の通信制高校は「不登校経験者や人間関係に不安がある人向けに個別指導を行っている」などと謳うのにくらべて、公立の場合は全日制高校とサポートできる範囲がほとんど変わらないのでこうした謳い文句をすることは少ないです。
指導を工夫する学校は徐々に増えている
しかし昨今では公立の通信制高校も少しずつ変わってきています。遠足や修学旅行などイベントを行ったり、指定の登校日以外にも自由登校を受け入れたり、サポートの幅が広くなって通いやすくなっているという声も多いです。
都立高校には託児所も
子育てをしながら通信制高校に通う女性も少なくないことから、託児所を校内に併設する学校もいくつかあります。私立には案外こうした学校は少ないです。
比較的、私立は10代の生徒向けの工夫が多い傾向にあります。
県立と私立どちらがいいかは人それぞれ
今回紹介したように通信制高校にも県立(公立)と私立があり、それぞれ特徴があります。
どちらの学校が合うかどうかは本当に人それぞれなので、できれば両方一度見学に行ったり直接話を聞いてみるといいでしょう。高校3年間は人生の進路を決める大事な時間です。卒業できるかどうかはもちろん、卒業後どんなふうになりたいかまで考えて選べるといいですね。