転職エージェントの推薦状の内容と利用価値について詳しく解説

転職エージェントの推薦状とは、転職希望者が企業にどうマッチしている人材なのかをまとめた書類です。転職エージェントは転職希望者を推薦する時に、推薦状を作成して、履歴書・職務経歴書と併せて企業へ提出します。

推薦状には、エージェントという第三者視点から転職希望者のアピールポイントや補足情報が客観的に記載されています。企業も、転職エージェントによる第三者視点での評価として、この推薦状により判断材料を増やし、書類選考を行うことができます。

推薦状の内容とは

転職エージェントの推薦状の内容には、「転職希望者の人物像」「転職理由」「推薦する理由」の3点が記載されることが多いです。

転職希望者の人物像

「転職希望者の人物像」には、転職エージェントが面談中に見た、客観的な視点からの転職希望者の人柄や性格が記載されることになります。ですから、面談中もその点をしっかり意識した立ち振る舞いが必要です。企業から見れば、履歴書や職務経歴書を見ることでこれまでの経歴や実績をつかむことはできますが、その人の性格や物事に取り組む姿勢などは知ることができません。

そのため、転職エージェントは面談やカウンセリングを通して、転職希望者の言動や人柄などを分析し、補足情報として推薦状に記載します。

転職理由

「転職理由」は、転職希望者に一番合った求人を紹介するために、面談で転職エージェントが聞いてきます。実際には本音と建て前がある場合も、転職エージェントには本当の理由を伝える必要があります。転職エージェントがその転職理由をしっかり考慮に入れて、転職希望者に最適な企業を紹介できるようにするためです。

もちろん、転職エージェントも聞いた通りのことをそのまま推薦状に書くことはなく、「上司が嫌いだった」というネガティブな理由でも、しっかりとポジティブな表現に変えて記載します。

推薦する理由

最後の「推薦する理由」については、推薦状なので当たり前ですが、この人をどうして推薦するのかという理由が必要になります。この項目には、転職希望者のスキルや経験が企業にどうマッチしているか、企業が求める条件・水準を満たしているかを記載します。

その他に推薦状に記載される内容としては、転職希望者の希望する年収・待遇に関する内容も多いです。企業への要望というより、転職希望者の求める条件がマッチしているかを企業へ伝えるためという側面が大きいと言えます。

推薦状には、書類選考が通過しやすくなるという利用価値がある

転職エージェントの推薦状は、利用価値が非常に高いです。なぜなら、企業へのアピールとなり、しかも自己PRとは違い、第三者の視点からなので信憑性もあるからです。

推薦状のメリットとして一番大きいのは「書類選考が通過しやすくなる」ことです。転職エージェントは企業とつながりを持っており、企業との信頼関係を築けている場合、企業もその転職エージェントからの推薦状は重視してくれます。

例えば、履歴書・職務経歴書だけだったら書類選考落ちだった場合も、信頼できる転職エージェントからの強い推薦で面接にこぎつけられるというケースもあります。基本的には履歴書・職務経歴書の内容で書類選考の判断がなされますが、推薦状はこの書類にプラスして、転職希望者の強みや人柄を伝えてくれます。

その情報がある場合とない場合では、選考結果が変わるということは十分にあり得ます。

他にも推薦状は、面接対策や自己分析の役に立つ

企業での面接の際、転職エージェントの推薦状から抜粋して、質問してくることがあります。そのため、推薦状の内容をあらかじめ吟味しておくことで、面接での質問を予想して、よい回答を準備しておくといった対策ができます。

また、推薦状には転職エージェントという第三者視点での転職希望者の魅力が記載されている他、転職理由が前向きな表現に言い換えられて記載されているので、自分では気づきにくい自分の強みを見つけることができるかもしれません。言い換えのスキルは、自分が応募書類の志望動機や自己PRを書く時にも参考になります。

信頼できる転職エージェントを選ぶ

ここで大事なポイントとなってくるのは「信頼できる転職エージェント」という点で、企業からしてみれば、選考に悩む転職希望者がいて、転職エージェントが強く推すので面接してみたら全然だめだった…となれば、この転職エージェントは信頼されなくなるでしょう。そうなると転職エージェントも死活問題なので、そうならないように推薦状の内容も転職希望者のことをしっかり見極めた上で作成します。

良い内容の推薦状を作成してもらうためにも、転職エージェントとの面談を軽く考えず、自分を売り込むことが重要です。その業界や職種をなぜ志望していて、自分のどういったスキルや経験がそこで活かせると考えているのか、将来的にはどういうキャリア形成をしたいのか、その他にも仕事に対する自分の考えなどをしっかり面談で話し込むことで、転職エージェントにアピールしましょう。

こういった点から、信頼されていない、もしくは熱意のない転職エージェントに当たってしまった場合、書類選考の通過率が極端に低くなるということもあるので、面談などで違和感を覚えたら、担当を変えてもらうなり、人材紹介会社自体を変えるなりすることも、検討すべきです。

転職エージェントに良い推薦状を書いてもらうには

上記のように、転職エージェントの推薦状の利用価値は大きいですが、そのメリットを十分に活かすためには、転職エージェントに推薦状を見せてもらうよう依頼すべきです。ただし、推薦状はあくまでも企業に宛てて書かれたものなので、勝手に見るのはNGです。もし断られてしまったら、潔く引き下がりましょう。

確認させてもらうことができたならば、自分のどういったところを評価して推薦しているのかを把握し、客観的に自分を見つめることもできます。また、望み通りの推薦状を書いてくれているとは限らないので、確認させてもらうことで、転職希望者自身がアピールしたいポイントを書き直してもらうことも可能になります。

しかし、この点は推薦状を書いてもらう前に、転職エージェントと打合せしておくことも大事です。事前の面談などで、転職エージェントに「推薦状にこういった強みがあることを書いてほしい」というように、ストレートに伝えるのが良いです。転職エージェントとしても推薦状の作成がスムーズに進むので、嫌な顔はしません。

中には質の低い転職エージェントもいるので、確認を求めることで、適当に推薦状を作成されることを防ぐこともできます。もし面談などで伝えていた内容と違うことを書いていたり、誤字脱字が多かったりした場合は、まず担当者に相談してみてください。それでも改善しなかったら、担当者の変更も視野に入れたほうが良いでしょう。

推薦状の利用価値を最大限活かすには

転職エージェントの推薦状には、面談やカウンセリングで話した事柄や客観的に見た人柄など、転職エージェントが分析した情報をもとに記載されることになります。

利用価値の高い推薦状にしてもらうには、面談などで転職希望者自身の本気度や熱意を見せ、転職エージェントに「この人は強く推せる、企業にだめだと思われる人材を推薦して信頼を損なうということがない」と思ってもらうことが重要です。

転職エージェントの推薦状は転職希望者を客観的にアピールするもので、書類選考の結果に関わる書類となるので、そういった点を強く意識したいところです。

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