不登校中には、「そろそろ復学したい」「もうすぐ受検が控えているから勉強しなきゃ」と考え始める人も多くいるのではないでしょうか。
しかし、ある程度勉強する時間が空いてしまうと「何から勉強すればいいかわからない」「いきなり習慣を変えるのは難しい」といった人も少なくないはずです。
そこで今回は、不登校中に遅れた勉強を取り戻す対策方法についてご紹介します。
自分に合った勉強方法について見つけたいといった方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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不登校中に勉強の遅れを取り戻すメリット
人によっては、「すぐに勉強しなくてもそこまで問題ないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
たしかに勉強の遅れそのものについては、すぐに結果に反映されたり自分の人生をいきなり脅かすものになるものにはなりにくいでしょう。
しかし学習レベルが遅れたままだと、「志望校に合格できない」「就職活動において求人数が少なくなる」などデメリットとなることもあります。
一方、今のうちから勉強の遅れを取り戻すメリットには、「不登校から高校・大学進学ができる」「就職の選択肢が増える」といったものが挙げられます。
とくに高校受験については学校によっては、中学校の時の出席日数が足りなくても学力などでカバーできるところも!
さらに大学受験については、出席日数など関係なく高校を卒業さえすれば受験資格があるので、純粋に学力だけで志望校に合格できる可能性が高まります。
以上のことを踏まえても最低限、中学・高校で学ぶレベルの知識はあったほうが良いといえるでしょう。
不登校の勉強の遅れを取り戻す対策方法7つ
では、具体的に不登校中の勉強の遅れを取り戻すにはどんな対策方法があるのでしょうか?
ここでは、不登校の勉強の遅れを取り戻す方法について7つ挙げ、それぞれのおすすめポイントやメリットなどについてご紹介します。
不登校の勉強の遅れを取り戻す対策方法7つ
- 自主学習
- 個別指導塾
- 集団指導塾
- 家庭教師
- 適応指導教室
- 通信制高校
- フリースクール
➀自主学習
自主学習とはおもに、学校の教科書や教材、市販の参考書などを使って自力で勉強する方法です。
とくに、「集団で授業を受けるのがとにかく嫌」「自分のペースで勉強していきたい」「好きな教材や問題集を解きたい」といった方におすすめ。
最近では、動画配信サービスなどで無料で授業を受けられるものもあるので、質さえ見極められればレベルの高い内容も受講可能です。
しかし一方で、学習計画から習慣化まですべて自分次第なので、「モチベーションがイマイチ上がりにくい」「不明点などがあった際、すぐに質問できない」といったデメリットもあります。
自主学習のメリット
- 自分の好きなタイミングやペース、場所で学習できる
- ほかの人に遭遇せず、すぐに始められる
- 参考書や問題種など、基本的にお金がかかりにくい
- 不登校中も自分から勉強する習慣があった人におすすめ
自主学習のデメリット
- 計画的に学習を進めるには、強い意思や精神力がいる
- 自室でおこなう場合、テレビやスマホ、ゲームなどの誘惑が多いので、忍耐強さが必要
- 不明点があってもすぐに解決できない(講師や先生がいないため)
- 「苦手分野がわからない」「そもそも自主学習習慣がない」「自分に甘い」人には不向き
②個別指導塾
個別指導塾は、講師ひとりに対して生徒ひとり、もしくは生徒数人に対して講師ひとりでおこなう学習スタイルです。
個別指導塾のなかには、不登校生に向けてフォローしてくれるところも多く、自宅とも集団授業とも違う雰囲気で集中できるのがメリットです。
ただし、学校や知り合いが多い地域での個別指導塾だと、知り合いと遭遇したり、通塾が必要となるため「家に出たくない」といった人には向かないかもしれません。
個別指導塾のメリット
- 自分のペースで学習できる
- 分からないところをすぐに質問できる
- マンツーマンの場合、その時間中は講師をひとりじめできる
- 学習レベルに合わせて、勉強計画やカリキュラムを立ててくれる
- 講師との距離が近いため、相談しやすい
個別指導塾のデメリット
- 集団指導塾よりも費用が高い
- 競争心が養われにくい
- 学校や家の近所だと知り合いに会う可能性がある
③集団指導塾
集団指導塾とは学校の授業スタイルと同様、おおよそ1クラス10~40人以上のクラスで学習するスタイルです。
おもに「集団は嫌いじゃないけれど、学校のメンバーと合うのが嫌」「集団での授業スタイルが自分に合っている気がする」といった方にはおすすめです。
授業料に関しても個別指導塾や家庭教師を比較すると低い傾向にあり、学校に近い条件で勉強するので復学を目指すのにはちょうどいいでしょう。
しかし一方で集団指導塾は、「質問がしにくい」「不登校であることを配慮してもらいにくい」といったデメリットがあるので、講師と密にコミュニケーションを取りたい方には向かないかもしれません。
集団指導塾のメリット
- 受検対策や定期テスト対策のカリキュラムやペースが把握しやすい
- 周囲と切磋琢磨できる
- 学校とは違う人間関係を構築できる
- クラスによってはなじみやすいところも
- 講師の話がおもしろいことが多い
集団指導塾のデメリット
- クラスによっては人数が多いところがあり、集団行動が苦手な人には向かない
- 学校が同じ人が集まりやすい(場所にもよる)
- 集団内の標準的な速さで進んでいくので、自分のペースと合わないことがある
- クラスの変更や周囲の雰囲気によって、プレッシャーに感じることがある
- 大手や有名集団指導塾だと費用が掛かる
- 不登校生向けのコースが少ない、もしくは配慮が手薄いことも
④家庭教師
個別指導塾だと通塾する必要がありますが、家庭教師であれば自宅に講師が来て直接指導してくれるのでおすすめです。
家庭教師には、テレビCMなどで宣伝しているような家庭教師センターを介して家庭教師を派遣するものと、個人契約によって家庭教師を雇う方法があります。
ほかにも最近では、オンラインでの授業や映像授業などによって指導をおこなうものも!
家庭教師は「〇曜日の〇時から」といった約束があるので、家では自主的に勉強できない人や勉強へのモチベーションが低い人に向いています。
また集団指導塾などと異なり、マンツーマンだからこそひとりひとりの学習レベルや目標に合わせてカリキュラムを作成してくれるため、不登校生やその保護者には安心です。
ただし、周りに人がいない分、競争心が養われにくかったり、一般的な学習塾よりも費用が高い傾向にあるので、経済面と相談して決めるようにしましょう。
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不登校におすすめの家庭教師とは?選び方のコツや必要性について解説
家庭教師のメリット
- 通塾する必要がない
- 自分のペースで学べる
- 自主学習習慣がつく
- 分からないところをすぐに質問できる
- 進路相談や勉強のカリキュラムの変更など、臨機応変に対応してくれる
- 講師との距離が近い
- 学習の進捗などを報告してくれるので、保護者にとっても安心
家庭教師のデメリット
- 講師の質に差がある
- 講師との相性が合わない可能性がある(交代できるケースも)
- 集団指導塾などよりも費用が高い
- 難関学校を目指すのは難しいことも
⑤適応指導教室
適応指導教室とはおもに不登校生のサポートを目的としたもので、各都道府県や市町村などが設置している施設です。
最終的には学校復帰をサポートするものなので、集団での授業やスポーツ、レクリエーションなどをするケースもあります。
メリットとしては、学校と施設が連携できれば通所日数がそのまま学校の出席日数として換算されるため、不登校でも内申書にそこまで影響がでにくいところ。
ただし、集団行動そのものが苦手だったり、学校というものに抵抗がある方は負担が大きいので注意が必要です。
適応指導教室のメリット
- 学校と連携できれば出席扱いになる
- 生活リズムが改善できる
- 基本的には無料でできる(交通費や昼食代はかかる)
- 学習の支援をしてもらえる
- 子育ての相談もできるので保護者にとっても安心
適応指導教室のデメリット
- 欠席扱いになることもある
- 適応指導教室だけでは、学力のフォローが不十分
- 送迎など保護者の負担が増える
⑥通信制高校
「毎日学校に通うのがとにかくつらい」といった方は、通信制高校に通うのもひとつです。
通信制高校は、基本的に学校側から送られてきたレポートなどの課題や教材などの提出するほか、年に何度かのスクーリングといった通学によって高卒認定資格が取れるものです。
なお昨今では卒業に必要な内容だけではなく、プログラミングや芸術、音楽関連など専門的な分野について学べるコースなども充実しており、実際にそこから資格を取って就職につなげた人もいます。
【最新版】学費の安い通信制高校6選!さらに安くするポイントも徹底解説
通信制高校のメリット
- 自分のライフスタイルに合わせて学習できる
- 自分のペースで勉強できる
- 基本的に留年がない
- 専門分野について学べる
通信制高校のデメリット
- 勉強へのモチベーションが高めにくい
- 受検対策などには弱い
- 学習の難易度が低い
- 人間関係が構築できにくい
- 自由度が高いがゆえに怠けてしまう人も多い
⑦フリースクール
フリースクールとは、不登校生などをサポートする民間の施設です。
先ほどご紹介した適応指導教室と同じような指導ではありますが、より運営方針や内容が柔軟であるといった特徴があります。
ただしフリースクールは、適応指導教室と違い学校の出席として扱われないことが多く、費用も多少かかってしまうため要注意。
フリースクールには場所によってさまざまな種類があるのでお、自分の性格や学習レベル、目的に合わせた学校選びをすることが大事です。
フリースクールのメリット
- 人間関係や居場所ができる
- 学力の補強ができる
- 発達障害、医療機関との連携がある
- 社会性、主体性を養える
- カウンセリングを受けられる
フリースクールのデメリット
- 費用が掛かる(相場は3万円/月程度)
- 出席扱いされないケースがある
- 受検対策には弱い
- 就職活動支援は期待できない
- 送り迎えなど、保護者への負担が増える
不登校の勉強の遅れを取り戻す前にできる準備
不登校の勉強の遅れを取り戻すための対策方法についていくつかご紹介してきました。
しかし、不登校期間中にまったく勉強する習慣がない場合、いきなり勉強にシフトチェンジするのは至難の業です。
そこで最後に、ここでは不登校の勉強の遅れを取り戻す前にできる準備や改善すべき生活スタイルについてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
不登校の勉強の遅れを取り戻す前にできる準備
- 体力をつける
- 部屋をきれいにする
- 生活リズムを整える
➀体力をつける
不登校中は通学がないため、基礎的な体力が可なり衰えている可能性があります。
とくに病気や入退院を繰り返すなどであれば、寝ている時間が多いことからほとんど運動する時間などはないはずです。
ある程度の体力や筋力をつけておかないと、復学や学校に通うとなる時でも継続できなかったり、登校するのにも一苦労で授業どころではないなどの状態になります。
部活動ほどハードな運動をおこなう必要はありませんが、自分の出来る範囲でジョギングや筋トレ、散歩などといった習慣をつけておくといいでしょう。
②部屋をきれいにする
不登校に限らず、自宅勉強するにしても復学を目指すにしても自分の部屋をきれいにしておいたほうが良いでしょう。
やはり物が散らかっていると集中力が欠けやすいといわれていますし、とてもではありませんが勉強へのモチベーションは高まりにくくなってしまいますからね。
勉強だけではなく、生活するうえでも整理整頓は大事なことなので、心機一転切り替えていきたいといった方はだぜひ不登校中に自分の身の回りを片付けてみましょう。
③生活リズムを整える
不登校になると、ほとんどの人は昼夜逆転の生活を送るようになります。
夜遅くまでゲームやスマホなどに夢中になり、朝起きれなくてそのまま学校に行けなるなるということですね。
学校は毎日朝から夕方近くまで授業があったり、そのあとも部活動や塾などがあるので復学を目指すのなら、少しずつでも生活リズムを整えるようにしましょう。
たとえば、「朝起きたら散歩をする」「図書館に行く」などといったひとつの習慣をつけたり、とりあえず決まった時間に起きて朝日を浴びるなどでもかまいません。
また、朝方・昼型の生活にすることは、学校に通う以外にもメリットがあります。
高校受験や大学受験といった試験は、試験時間は朝もしくは昼間なので、当日にベストコンディションを発揮するのにも有効です。
不登校でも勉強の遅れは充分取り戻せる!
今回は、不登校中に遅れた勉強を取り戻す対策方法についてご紹介してきました。
どうしても子どもが不登校になってしまうと、「勉強が遅れてずっと追いつけないのでは?」「ずっと学校に行けないのでは?」「卒業できなかったらどうしよう」と心配してしまいますよね。
しかし国や学校では、不登校生に向けたサポート体制やほかで補填できる仕組みが整えられているので、本人の意思さえあれば勉強の遅れは充分取り戻せます。
また不登校になったきっかけにもよりますが、集団指導塾や家庭教師などを利用して、授業対策だけではなく受験対策などに備えるのもひとつです。
中学なり高校なり卒業することは、将来の大学進学や就職活動において求人の幅が広がったり、自分のやりたい業種につける可能性が高まるなどメリットがたくさんあります。
性格や学習レベル、興味、目的などに合わせて、不登校中の勉強の遅れを取り戻しましょう。
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