「システムエンジニアってどんな仕事なの？」
「未経験からシステムエンジニアってなれるの？」
このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
現在の日本は深刻なIT人材不足と言われており、経済産業省の発表では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとの試算結果が出ています。
そのため、今からしっかりとした順序を踏めば未経験の人でも十分にシステムエンジニアを目指せます。
しかし、自分がシステムエンジニアに向いているのか、どのくらいの年収なのか、将来性はどうなのかなど不安に感じることもありますよね。
そこで今回は、システムエンジニアになりたい人が知っておくべきことをわかりやすく解説していきます。
システムエンジニアになるための方法も紹介しているため、就職・転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
システムエンジニアとは
システムエンジニアとは、ソフトウェアやハードウェアの開発、運用、保守に関わる専門家のことを指します。
システムの全体像を把握し、それぞれの要素が最適に機能するように整合性を保つ重要な役割で、新たな技術の導入やシステム改善のための企画・提案も行います。
下記で詳しく紹介しますが、基本設計や要件定義、テストなど業務内容は多岐にわたります。
システムエンジニアとプログラマーの違い
システムエンジニアとプログラマーの仕事内容は大きく異なるわけではなく、システムエンジニアとプログラマーが明確に分けられているのはSI業界特有の特徴です。
ちなみにシステムエンジニアは、主に設計やクライアントからの要望を具体化するなど開発以外の仕事をメインで行い、作成された設計書をプログラマーがコードを書いて完成させます。
そのため、システムエンジニアの中にはコードを書けないという人もおり、最悪、コードが書けなくても仕事になるというわけです。
もちろん、システムエンジニアはプログラミングの知識を用いている人の方が、わかりやすい設計書を書けたり、クライアントの要望を具体的に引き出せるなどメリットが多いため、勉強するに越したことはありません。
また、逆にプログラミングの知識が少ないと、プロジェクトが上手く進行できない、ミスが多発するなどの恐れもあります。
そのため、これからシステムエンジニアになりたいという方は、プログラミング知識の勉強をすることがおすすめです。
システムエンジニアの業務内容
以下では、システムエンジニアの業務内容を紹介します。
- ヒアリング
- 要件定義
- 基本設計
- 詳細設計
- テスト
- 運用・保守
ヒアリング・要件分析
まずは、クライアントにヒアリングを行い、設計するシステムの具体化を進めていきます。
ただしクライアントからの、システム内容や価格など全ての要望に応えれないことも多く、どのように近づけていくか考えることも大切な業務の1つです。
要件定義
要件定義はシステムエンジニアの1番重要な業務の1つで、主に開発するシステムの目的と要求を明確にしていく仕事です。
ここでゴールが明確・具体化していないとミスが増えたり、工数が増えたりと納期に遅れが出てしまう恐れがあります。
そのため、ユーザーからの要望を理解し、スムーズに開発進められるよう技術的な視点から解釈する能力が求められます。
基本設計
基本設計では、システムがどのように動作するか、どのような機能を持つべきかなど大枠を設計する段階です。
システムの全体像を捉え、各部分がどのように連携するかを決定します。
このフェーズでは、アーキテクチャやデータフローの設計が主な業務となります。
詳細設計
詳細設計では、基本設計で決定した方針をもとに、具体的なプログラムの動作を設計したり、プログラマーがコードを書けるよう細かな設計をしていく段階です。
ここではアルゴリズムの設計やデータ構造の詳細な設計など、プログラムの具体的な動きを決定します。
これはプログラマーがコードを書くための「設計図」の作成とも言えます。
テスト
テスト段階では、設計したシステムをもとにプログラマーが書いたコードが期待通りに動作するかを検証する工程です。
主にバグの発見と修正、システムの性能評価などを行います。
テストは品質保証の一部であり、システムがクライアントの要求を満たしていることを確認する重要なプロセスです。
運用・保守
運用・保守フェーズでは、システムが日々の業務でスムーズに動作し続けるように、必要なメンテナンスやアップデートを行います。
また、ユーザーからのフィードバックやシステムの動作状況を基に、必要な改善を行うこともあります。
このフェーズではシステムの長期的な安定性と効率性が求められます。
システムエンジニアにおすすめの国家資格
システムエンジニアは、資格がなくても業務は務まるため、持っていない人も少なくありません。
しかし、資格を持っておいた方が就職や転職、効率的に業務が進められる、給与アップなど多くのメリットがあります。
そこで以下では、システムエンジニアにおすすめの国家資格を5つ紹介します。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITの基礎知識を問う試験で、情報システムの企画、開発、運用に関わる基本的な知識と技術を証明します。
プログラミングやデータベース管理、ネットワークの基礎など、幅広い領域がカバーされています。
これらの基本的な知識は、システムエンジニアにとって重要なスキルの1つであるだけでなく、基本情報技術者試験を持っていることが条件としている企業も多いため取得しておきましょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験よりも高度なIT知識と技術を問う試験です。
システム全体の設計や開発に必要な知識、プロジェクトマネジメント能力などが評価されます。
この資格は、システムエンジニアが高度な業務を遂行するための一つの目安とされています。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、情報システムの構築に関する高度な技術と経験を証明する資格です。
システムの企画から設計、実装、運用まで、全体的な視点からシステムを理解し、効率的にシステムを構築する能力が評価されます。
大規模なシステムを設計・構築する職務に就くための資格と言えます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークに関する深い知識と技術を証明する資格です。
LAN、WAN、インターネット接続、ネットワークセキュリティなど、広範なネットワーク技術に関する理解と設計能力が求められます。
システムエンジニアがネットワーク分野で専門性を深めるための重要な資格と言えます。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースの設計、構築、運用に関する知識と技術を証明する資格です。
リレーショナルデータベースの理解、SQLの使い方、パフォーマンスの最適化など、データベースの専門知識が問われます。
データ管理が重要な業務となるシステムエンジニアにとって、非常に価値のある資格と言えます。
システムエンジニアにおすすめのベンダー資格
以下では、システムエンジニアにおすすめのベンダー資格を3つ紹介します。
- オラクルマスター
- マイクロソフトオフィス スペシャリスト
- マイクロソフト テクノロジーアソシエイト
オラクルマスター
オラクルマスターは、オラクル社の製品（特にデータベース）に関する深い知識と技術を証明する資格です。
オラクルデータベースは業界で広く利用されており、その設計、実装、運用に関する知識を身につけることは、多くの企業での就業機会を増やすことにつながります。
マイクロソフトオフィス スペシャリスト
マイクロソフトオフィス スペシャリストは、マイクロソフトのオフィス製品群（Word、Excel、PowerPointなど）を高度に使いこなすことを証明する資格です。
ビジネスの現場でオフィスソフトの高度なスキルは必須であり、この資格はそれを証明する信頼性の高いものです。
マイクロソフト テクノロジーアソシエイト
マイクロソフト テクノロジーアソシエイト（MTA）は、マイクロソフトの基本的な技術知識を証明する資格です。
これらの試験はITの基礎的な概念に焦点を当てており、システムエンジニアのための出発点となる資格と言えます。
システムエンジニアのキャリアステップ
システムエンジニアとしてのキャリアは多岐にわたります。
技術を深く掘り下げる方向性から、マネージメントやコンサルタントなど人間関係やビジネス面に焦点を当てる道まで、それぞれの目指す方向に応じて様々な進路があります。
その中でも「プロジェクトマネージャー」、「ITスペシャリスト」、「ITコンサルタント」、「データサイエンティスト」は代表的なキャリアステップと言えます。
以下では各キャリアについて紹介します。
- プロジェクトマネージャー
- ITスペシャリスト
- ITコンサルタント
- データサイエンティスト
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、ITプロジェクトをリードし、その成功に向けて全体を統括する役職です。
チームの調整、スケジュール管理、リスク管理など、プロジェクト全体の進行を見守ります。
システムエンジニアからこの役職に進むには、広範な技術知識だけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップも必要です。
ITスペシャリスト
ITスペシャリストは特定のIT分野に深い知識とスキルを持ち、その専門性で問題解決や新たな技術の導入に貢献します。
システムエンジニアが特定の技術分野に強い興味を持つ場合、ITスペシャリストとして深掘りするキャリアがあります。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアントのビジネス課題を解決するためのITソリューションを提案し、導入を支援します。
システムエンジニアの経験を活かし、より戦略的な視点でITを活用したいと考える人には、ITコンサルタントが適したキャリアパスです。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、大量のデータから価値ある情報を抽出し、ビジネスの意思決定に役立てる専門家です。
この分野は近年急速に重要性を増しており、システムエンジニアからデータ分析のスキルを磨き、データサイエンティストに転身する道もあります。
システムエンジニアの年収
システムエンジニアの平均年収は約509万円です。
ただし、この金額は雇用形態や地域によっても異なっています。
以下では、システムエンジニアの雇用形態別、地域別の年収を紹介します。
- システムエンジニアの雇用形態別の年収
- システムエンジニアの地域別の年収
システムエンジニアの雇用形態別の年収
| 雇用形態 | 正社員 | パート | アルバイト |
| 給料 | 509万円 | 2,191円（時給） | 1,195円（時給） |
システムエンジニアの正社員の平均年収は約509万円、パートは時給2,191円、アルバイトは、1,195円となっています。
上記から分かるようにシステムエンジニアは、どの雇用形態でも比較的給料が高い傾向にあります。
システムエンジニアの地域別の年収
地域別の年収は以下の通りです。
| 正社員 | 派遣（時給） | アルバイト（時給） | |
| 北海道・東北 | 426 万円 | 1,785円 | – |
| 関東 | 463万円 | 2,194円 | 1,147円 |
| 甲信越 | 423万円 | 1,920円 | – |
| 東海 | 448万円 | 1,999円 | 1.100円 |
| 関西 | 477万円 | 1,961円 | 1,104円 |
| 中国 | 412万円 | 1,772円 | – |
| 四国 | 427万円 | 1,710円 | – |
| 九州・沖縄 | 417万円 | 1,836円 | 921円 |
システムエンジニアは未経験でもなれる？
システムエンジニアへの道は、未経験からでも始めることが可能です。
実際にIT業界では、未経験からでも成長できる機会が数多く提供されています。
未経験採用が増えてきている現状、スキルアップのための段階的なキャリアパス、そして、異業種からの転職者に対する即戦力採用の可能性について考察してみましょう。
未経験からSEになる方法とは？SEに転職する方法と失敗しない求人の選び方を紹介
- 未経験採用している企業が増えている
- 未経験からでも段階を経てシステムエンジニアになれる
- 業務知識があれば即戦力採用も
未経験採用している企業が増えている
近年、IT人材の需要増加に伴い、多くの企業が未経験者を対象とした採用を行っています。
これらの企業では、新入社員に対する研修や教育制度を設けており、ITの基礎知識からビジネススキルまでを学べる環境を提供しています。
未経験からでも段階を経てシステムエンジニアになれる
未経験からシステムエンジニアになるための一般的なキャリアパスは、初めに基礎的なITスキルを学び、その後、プロジェクトの一員として実務経験を積むというものです。
これにより、システム開発の全体像を理解し、具体的な技術スキルを習得することができます。
業務知識があれば即戦力採用も
異業種からの転職者であっても、その人が持っている業務知識や経験がIT業界で活かせる場合、即戦力として採用される可能性もあります。
例えば、金融や医療、製造業などの業界で培った知識は、ITソリューションを提供する際に非常に有用となることが多いです。
システムエンジニアになる方法
IT業界への進出を考えている方々にとって、システムエンジニアは魅力的な職業の一つと言えるでしょう。
しかし、その一方で「どのようにしてシステムエンジニアになるのか？」という疑問を抱く方も多いかもしれません。
以下では、未経験からシステムエンジニアになる方法を紹介します。
- 未経験可能な企業へ就職して勉強する
- IT系の学校で勉強する
- 独学
- プログラミングスクールに通う
未経験可能な企業へ就職して勉強する
初めての一歩として、未経験者採用を行っている企業に就職するのが一つの方法です。
多くの企業では新入社員に対し、IT基礎研修を提供しており、ここからITの知識と経験を積み重ねていくことが可能です。
IT系の学校で勉強する
IT専門学校では、プログラミングやシステム設計など、システムエンジニアに必要な知識を体系的に学ぶことができます。
また、実際の業務を模擬したカリキュラムを通じて、実務経験に近い学習を行うことも可能です。
独学
独学もまた、システムエンジニアになるための一つの道です。本やインターネットを活用し、自身のペースで学習を進めることができます。
また、オンライン上には様々な学習リソースが無料で提供されており、それらを活用することも効果的です。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールに通うことで、システムエンジニアに必要なスキルを短期間で身につけることが可能です。
また、専門のインストラクターから直接指導を受けられるので、独学でつまずきやすい問題を克服するのに有効です。
システムエンジニアに転職を考えている人におすすめの転職サイト
以下では、システムエンジニアに転職を考えている人におすすめの転職サイトを紹介します。
- レバテックキャリア
- Green
- クラッチエンジニア
SE（システムエンジニア）向けのおすすめの転職サイト・エージェントを紹介！転職先の選び方や未経験で転職するコツも徹底解説
レバテックキャリア
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システムエンジニアに関するよくある質問
以下ではシステムエンジニアに関する質問を紹介します。
- システムエンジニアはどんな人が向いている？
- システムエンジニアの仕事はきつい？
- 未経験でもシステムエンジニアになれる？
システムエンジニアはどんな人が向いている？
システムエンジニアに向いている人の特徴はいくつかありますが、特におすすめする人は以下の通りです。
- コミュニケーション力が高い
- 学習意欲が高い
- 論理的に考えられる
- 忍耐力・体力がある
システムエンジニアの仕事はきつい？
システムの品質担保や夜間の業務が発生する場合がある、常に勉強が必要などの理由から、システムエンジニアの仕事はきついと言われています。
逆にシステムエンジニアは、IT分野に興味があって、誰かの役に立ちたいという方にとってはきついと感じにくいと言えます。
未経験でもシステムエンジニアになれる？
システムエンジニアは未経験でも十分なれる職業の1つです。
現在の日本は深刻なIT人材不足となっており、多くの企業が人手に困っています。
採用後に徹底した研修を行っている企業もあるため、未経験の場合はそのような企業で経験を積むことがおすすめです。
未経験でもシステムエンジニアになれる！
今回は、システムエンジニアの仕事内容や給料、おすすめの人、システムエンジニアになる方法など、システムエンジニアに興味のある人が知っておくべきことを紹介しました。
上述したように、経済産業省の発表では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとの試算結果が出ています。
現時点でもシステムエンジニアの需要は高いと言えますが、この傾向は今後はさらに拡大していくでしょう。
システムエンジニアになるためには、未経験歓迎の企業に就職したり、学校に通うなど色々なルートがあります。
自分に適したルートを見つけ出し、需要の高いシステムエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
