ここ数年で業界が活性化している不動産業界ですが、最近は不動産営業に女性の活躍が目立ってきています。不動産関係の男女比率は、ざっくり6対4ぐらい(男性:女性 H25年総務省統計局データ)でまだ男社会の現場です。

営業職の離職率は昔から高く、向き不向きの大きな仕事です。転職したい理由はほとんどが、「ストレス(高いノルマ)」や「待遇面(長い拘束時間)」の問題です。

人の出入りが多く比較的入社しやすいとされている不動産業界の営業で、得られた経験やアピール可能なスキルはどんなものがあるのでしょう。不動産営業職からの転職活動について、考えてみましょう。

女性に向いている不動産営業


不動産業界の営業職の仕事とは、さまざまな不動産に関係した仲介役です。住宅用に限らず、事業用のなどの土地の売買や大型商業施設の建設から、賃貸マンションやアパート用地、施設建設などの仲介、リゾート用地やリゾートマンション、会員権の販売まで、本当にいろいろあります。

仲介営業

企業によって専門があり、一概には言えませんが、多くは賃貸・分譲マンションやアパートの仲介営業です。

この賃貸仲介営業、分譲住宅営業は女性の営業が多いです。接客・サービス業にもなりますのでコミュニケーション能力が高く、気配りができる営業女子は向いています

モデルルームやインテリアに興味があり最新設備に詳しい、トレンドに敏感な女性はもちろん、女性の方が家事全般、水回り、収納、子供部屋に詳しく家の使い勝手は女性の意見が重要視されますよね。

また自分自身の生活経験も活かせるので、一人暮らしをしたことがない女性よりも、一人暮らしを長くしてきた30代、何度も引っ越しをしたことがある人、二人暮らしや、結婚、妊娠・出産、子育て、介護など人生経験豊富な女性ほどお客さまへの説得力がでてきます。40代、50代になっても、女性としてキャリアを築きやすい職種と言えると思います。ただし賃貸、売買ともに、通常土日の休みはないと思っていいです。

不動産電話営業

投資物件営業職は、男性からだと話も聞かずに切られることが多いですが、女性だと話は聞いてもらえることも多いので、アポ取りだけなら男性よりは女性向きの職種と言えます。実際の営業は、体力や経験、気合が必要ですがトップセールスに女性がなることは珍しくないです。

不動産事務

宅地建物取引士を取得していれば、不動産売買や賃貸契約に関する書類の作成等、宅建事務も女性のキャリアの選択肢になります。出産・子育て、介護などのタイミングで今までのスキルと資格を生きして不動産事務に転向する女性も多いです。

体力も必要な不動産営業

不動産業界は未経験者でも飛び込みやすい業界ですが、そのぶん離職率も高い業界で、3年以内に離職する人の数値が平均5割以上とされていて、企業によっても差はあるのですが厳しい業界と言えます。

不動産関係の会社は、昔から歩合制の給料が根強く残っていて、営業成績の悪い人はどんなに長時間働いても低収入のままです。離職する多くは平社員で、残っているのは固定給が高い幹部職以上という、社員の入れ替わりが激しい会社も多々あります。

不動産会社の営業職として、一日中外回りでチラシ配りや電話営業などを行い、売上ができないとノルマ未達成として「詰め」られ、職場での居場所が無くなります。営業のノルマが高く拘束時間も長いのが、不動産業界の常識でもあり、定収入で休日も少ないため耐え切れない人も多いのです。

歩合制報酬で高額収入を得る人もいますが、向かない人には地獄のように感じられるブラックもどきの職場も少なくありません

不動産業界にも新しいサービスが誕生

深刻化する空き家対策向けに、新技術で売買を活性化するシステムなどを開発する不動産テック企業に対して補助金を支給するというニュースもでていました。リフォーム・ リノベーションにまつわる不動産テックなど、不動産もITの知識が必須になってきています。

不動産のWEB検索や仲介、賃貸管理システム、物件のマッチングシステム、VR/ARによる内覧、ホームIoT分野、マーケティング、投資、シェアリング、物件のAI査定、不動産業務支援システム。などなどビッグデータ、AI、ブロックチェーンなどIT技術で不動産業界は便利に変わっていくようです。

このような新しいテクノロジーを吸収できる人材は不動産業界のIT系スペシャリストとして様々な場面で携わっていけると思います。

不動産営業が異業種にアピールするには

不動産業界の営業では、女性は特に、他業界の営業スタイルに勝手な先入観を持たれているケースが多々あります。実際には、他の営業職と変わらない営業スキルを持っているのに、カウンターで客待ちの営業だと誤解されていたりもしますので、積極的にアピールしていくことが必要です。

待ち受け営業ではなく、能動的・主体的に動けるスキル

チラシ配りや電話営業などの泥臭い営業経験エピソードや、具体的な数字でアピールしましょう。新規開拓件数、賃貸での客付実績やオーナー開拓件数、住宅販売なら追客件数など、営業は数字で語るものです。

勢いだけの飛び込み営業では無く、長くて複雑な営業内容アピール

資産運用やローン提案、顧客の人生設計まで、かなり踏み込んだヒアリングを行って、信頼を得てコンサルティング的な要素も多い営業スタイルをしっかり盛り込んでアピールしましょう。

法人経験や課題解決エピソード

法人対応の経験があれば、営業スキルの幅として積極的アピール可能です。建築・施工会社や不動産管理会社との接点や渉外も有用な経験ですし、「顧客の課題を抽出・分析し、こんな提案と対応で解決した」具体的なエピソードなどは、アピール度は高いです。

失敗事例も「失敗原因の分析と次に活かした経験」をセットにすれば、自ら考え成長していけるスキルとして有効です。

不動産営業のキャリアを活かす転職先

不動産営業職は、ホワイト企業とブラック企業の差が激しく、企業によって全然違います。業界の体質や風土、体育会系の文化、激務も多々ありますが、職場によっても異なります。同業他社へ転職したら全く環境が変わるというケースもあります。

労働環境やブラックな企業体質の問題であり、不動産の仕事が嫌いでないなら不動産業界内でのステップアップも含めて検討するのも良いでしょう。「もう不動産は嫌だ!」と思っている人も多いかもしれませんが、現職での偏ったイメージを捨て視野を広げることで、転職先の可能性が広がるケースもあります。

例えば、不動産業界から「半歩ずらし」感覚での転職として

  • 賃貸仲介の経験を活かして、大家業を営む不動産会社への転職
  • 今までの知識や経験を活用して、不動産の管理会社でのクレーム対応業務
  • 安定性を求めて転職活動していた不動産営業の経験者に対して、とある転職エージェントが紹介した転職先には「大手電鉄子会社の不動産管理会社(貸ビル業を主力とする会社)」の「事業企画」の求人もありました。優良物件を複数所有する管理会社は賃料収入が安定していて、今後の事業展開として新規ビジネスに乗り出すための企画職募集案件でした。自力では巡り合わないような求人案件も、転職エージェントでマッチングされる可能性もあります。

女性不動産営業の転職活動のポイントまとめ

辛い現状から逃げ出したい不動産営業職も多いでしょうし、心身を疲弊させて転職活動が不可能になる前に退職したいと思うのも当然です。ただ、やみくもに逃げても仕方ないですし、よりよい転職先を求めるならば焦らないことも大切です。

じっくりとキャリアプランをたて、自分にベストな働き方を考えましょう。
女性は、どこの職場でも一定数『女性は結婚・出産をしたら退職する』と思われていますので、選考では結婚や出産後も仕事を続ける、という意志を伝えることが重要です。女性ならではの経験や人生経験が増えるほど仲介営業に活かせるなど、アピールしてください。

女性活躍推進法は令和元年に改正法が公布され、時代に合わせて内容も変わっています、転職したい企業は、「どんな状況になっても働き続けられる」か確認すことも重要です、不動産業界は未経験でも問題なく働けますが、できれば在職中に転職エージェントへ登録し、まずはキャリアカウンセリングを受けましょう。

自分のキャリアやスキルでアピールできることを洗い出して、適正や市場価値を評価して貰うことも重要です。無駄のない的確な転職活動には、転職エージェントの活用がおすすめです。

女性活躍推進法「見える化」サイト

http://www.gender.go.jp/policy/suishin_law/index.html

女性の活躍推進企業データベース

http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/

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