転職で未経験者が介護業界に入るのは可能か

2000年に介護保険制度がスタートして以来、介護業界の規模は年々拡大しています。厚生労働省のデータによると、2000年に3.6兆円となっていた介護保険の総費用は、2018年には11.1兆円と3倍近くになっています。今後も高齢者の数は増え続けると予想され、それに伴って介護人材の需要も年々高まっていくことでしょう。

このような状況から慢性的な介護人材不足となっており、介護業界は未経験者の採用を積極的に行っています。また、介護の必要性が高まる中、多様な介護人材を確保・定着させるために、政府もさまざまな施策を行っています。たとえば、働く意欲を維持するために、資格を取得することでステップアップできる「キャリアパス」を設け、介護職員の待遇改善にも取り組んでいます。

また、長く働けるように、職場環境の改善や給与の見直しなど、独自の取り組みを行う介護施設も増えています。介護サービスの質を確保しつつ、介護従事者が安心して長く働けるよう、今後も職場環境の改善に向けた取り組みが期待されています。

介護業界の具体的な仕事内容とは?

介護の仕事というと、お年寄りのお世話をするというイメージがあると思います。介護業界では具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。

介護の仕事は、主に「身体介護」と「生活支援」から成り立っています。身体介護は、高齢者の身体に直接触れて、移動、入浴、食事、排泄などの介助を行います。生活支援では、主に日常生活に必要な介助を行います。職場によっては、レクリエーション活動の企画・運営や、施設や自宅への送迎を行うこともあります。

経験や資格がなくても施設に採用される可能性は高いですが、未経験者の仕事内容は職場によって異なりますので、どのような仕事をするのか、事前に確認しておくとよいでしょう。職場によっては、介護資格を持つスタッフのサポートや初任者研修の取得が必要な場合もあり、それまでは掃除や洗濯などの業務のみとなることもあります。

介護の仕事の幅を広げたい、スキルアップしたいという方は、働きながら初任者研修などの資格を取得することをおすすめします。職場によっては資格取得の費用を補助してくれるところもありますので、職場選びの際に確認してみると良いでしょう。

履歴書作成に際しての注意点

履歴書というと、学歴や志望動機、自己PRを充実させることに重きを置く方が多いですが、応募先企業が求める人物像と履歴書の内容が一致していなければ、いくら詳しく、熱心に書いても意味がありません。履歴書を書き始める前に、企業がどのような人材を求めているのかを知っておくことで、採用される可能性が高まります。

では、どうすれば企業が求めているものを知ることができるのでしょうか。まず、ホームページをよく確認することをお勧めします。ほとんどの会社のホームページには、経営理念やどんなスタッフが働いているのかなどが記載されています。

介護事業者のホームページを読むことで、自分がどのような姿勢で仕事に臨むべきかが見えてきます。その会社の考え方に共感できれば、その気持ちを素直に履歴書に書くことで、採用担当者に熱意が伝わりやすくなります。

また、介護事業者の中には、ホームページに新卒者や異業種からの転職者がどう活躍しているかを紹介しているところもあります。こういった情報を知ることで、入社後の働き方がイメージできますし、履歴書に入社後にやりたいことを具体的に書くための参考にもなります。

求人サイトをよくチェックすることも大切です。企業が求人サイトに掲載している仕事内容は、その時点でどのような人材を求めているかを示しています。企業が求めているものを理解した上で応募するようにしましょう。

未経験で介護業界に転職するための志望動機の書き方

介護業界を志望する理由は、転職の成功のための鍵となり得ます。介護業界のことをよく知らない人は「人手不足だから誰でも就職できるはずだ」と思いがちです。しかし、採用側は入社後のギャップですぐに退職されることを防ぎたいので、求職者の志望動機を重視しています。

採用側が安心して受け入れられる志望動機のポイントは2つあります。

1つ目は、自分の仕事が高齢者をサポートするだけでなく、高齢者の生活の質を向上させ、幸せにするためのものだと理解していることです。必要なお世話をすることは大切ですが、自立を支援することも重要だと理解しているかどうかを採用側は見ています。

2つ目は、介護施設で働くということは「命が懸かっている」という意識を持っているかどうかです。デイケアやデイサービス、自立支援施設に応募する場合は自立支援の重要性をアピールすればいいですが、介護者の生活の場である介護施設を志望する場合は、特に責任感を持って働くことが必要です。未経験者の場合は、家族や親族の世話を経験したことがあるなど、自分の経験に基づくエピソードを盛り込むのも良いでしょう。

入社後に介護師の資格が取れるのは「実務経験ルート」

介護福祉士になるためには試験を受けなければいけませんが、試験を受けるためには特定の条件が定められています。実務者研修を修了していること、そして3年以上の実務経験があることが求められます。試験は筆記試験と実技試験で構成されており、合格率は通常70%程度です。試験に合格して登録すれば、晴れて介護福祉士となることができます。

無資格・未経験の人が介護福祉士になるにはさまざまなルートがありますが、どのルートを選択したとしても、最終的に目指すのは介護福祉士の国家試験に合格することです。

さまざまなルートのうち、介護施設で実際に仕事しながら国家試験を受けるルートは「実務経験ルート」と呼ばれ、介護業界では最も人気の方法です。入社後に介護師の資格が取れるため、仕事へのモチベーションアップにもつながります。また、他のルートに比べて、費用が安く抑えられるのもメリットです。

実務経験ルートで介護福祉士になるためには、介護現場での実務経験、そして事前に介護福祉士としての実務研修を受けることが求められています。また、必要な実務経験は3年以上と定められているので、未経験で国家試験を受けて介護福祉士になるには、最低でも3年はかかることを覚悟しておかなければいけません。

実務経験ルートの場合は、実習を終えていることが前提となりますので、まずは実習を行う学校に通うことになります。

仕事をしながら介護福祉士を目指す場合、学校で1日中勉強するのは難しいですが、「実務経験ルート」で必要な実習は、自分のライフスタイルに合わせて受講スケジュールを選ぶことができます。また、費用も養成施設に通うよりも安く済むので助かります。

実務者研修の受講料は学校によって異なり、平日、土日、夜間などのコースがあります。自分に合ったスクールを選ぶためには、パンフレットを複数のスクールから取り寄せて、比較検討するとよいでしょう。

ただし、介護福祉士としての資格がない無資格、未経験の状態でも、介護業界で働くことは可能です。そのため、まずは現場で働いてみて、本当に介護業界で働けるのか、自分に合っている仕事かどうかを確認するのが良いでしょう。未経験・無資格で働ける施設もありますが、介護職員初任者研修を取得していれば、職場の幅も広がります。

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