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そもそもブラック企業の定義は?
「先輩・上司からのパワハラが酷い」「サービス残業が当たり前」「有給を使わせてくれない」などなど、劣悪な労働環境を強いる企業を指して、「ブラック企業」と呼ぶようになって久しいです。しかし、いまだにブラック企業はなくなりません。もしそういった企業にお勤めでしたら、体も心も壊す前に今すぐ脱出する方法を考えることを強くおすすめします。
冒頭で挙げた3つの言葉に対して、「全然大したことじゃないでしょ」などと思った方は要注意です。学生時代に厳しい体育会系部活で鍛えられ、会社の劣悪さに慣れきってしまっているかもしれません。自分の勤める企業のことを悪く言われるのは不愉快なことかもしれませんが、少し冷静になって自身の職場環境について振り返ってみて、1つでも当てはまることがあるなら、転職を熟慮すべきかもしれません。
では、そもそもブラック企業とはどういった企業を指すのでしょうか。ブラック企業の明確な定義はありませんが、企業全体のコンプライアンス意識が非常に低い企業の総称とされています。ブラック企業の特徴としては、長時間労働や重いノルマを課されたり、休日が少なく、また有給が取れなかったりと過労死の要因ともなりかねないものがあります。
他にも給料が最低賃金を下回るといった点やサービス残業を押し付けられたり、パワハラ・セクハラが横行したりする非常にストレスフルな環境といった点も特徴に挙げられます。
いずれにせよ、ブラック企業に勤め続けることは、いつか体も心も壊すことに繋がります。これらの特徴を照らして、「ひょっとして自分の会社はブラック企業なのでは」と気づいた場合は、今すぐ脱出する方法を模索しましょう。
ブラック企業に勤め続けることは悪事に加担していることと同じ
酷い企業では、犯罪行為や法令違反ギリギリのことを指示するところがあります。そういった企業で何か問題が起きたら、指示した側は「部下が勝手にやった」などと労働者に責任をなすりつけてきます。労働者側としては指示に従っただけであるのに、使い捨てるかのように、労働者に犠牲を強いてくるのです。こういった企業は絶対に個人を守ってくれはせず、必ず企業の存続を優先してきます。
なので、犯罪行為を平然と指示してくるような企業であれば、即刻脱出する方法を模索してください。企業の指示に従い続けて長時間労働により過労死したり、危険な作業を指示されて大怪我を負ったりしても、企業側としてその事実を隠蔽しないと存続できなくなるので、被害者である労働者側が体も心も壊すような事態になっても、その補償をするどころか、責任を押し付けてきます。
さらに酷い場合は、企業側は「労働者が勝手に犯罪行為・法令違反をして、企業イメージが傷ついた」などと開き直り、むしろ企業側も被害者なのだと言わんばかりに、その労働者に対して損害賠償請求をするといった例も少なくありません。
仮に、自分が指示されたわけではないからと、この状況に気づいていながらもブラック企業に勤め続けるのであれば、法令等を遵守しないブラック企業の悪事に加担していることと同義となってしまいます。こういったブラック企業からの被害を減らすためにも、辞める勇気を持ちましょう。
ブラック企業から確実に今すぐ脱出する方法
では、実際にどうやって退職したらよいのでしょうか。辞めたくても企業が辞めさせてくれなくて困っている、という方もいるかもしれません。普通の企業を退職するのであれば2カ月以上前に退職の意志を伝えたいところですが、法律上は2週間前に退職の意志を伝えれば退職できるとされていますので、最低限2週間前に伝えれば問題ありません。
穏便に退職するためにはやはり早めに伝えることが必要ですが、無理やり引き留めようとしたり、退職を拒否したりする場合もあります。もしくは、日常的に上司からハラスメントを受けていると、その上司を前にして冷静な考えができず、思考停止に陥ってしまい、「辞める」という言葉すら出てこなくなってしまうほど追い詰められてしまうこともあります。
そのような場合には、退職届を内容証明郵便で送付することで、法律的に退職することが可能となります。退職の拒否といったトラブル以外にも、有給休暇を消化させてくれなかったり、損害賠償を請求すると脅されたり、といったトラブルが起こり得ます。
まず、有給休暇の消化を拒否された場合ですが、労働者に有給休暇を取得させないことは違法です。なるべく穏便に進めて、引継ぎなどをしっかりした上で有給休暇を消化したいところですが、違法に拒否する企業の場合は2週間前に退職届を提出して、そのまま退職日までは有給休暇を消化して出社しないということも法律上は可能です。
企業側が突然辞めることに対しての違約金を請求してきたり、これまでにかかった研修費の返還を求めてきたり、といった損害賠償請求については、法律上そのような請求は認められませんので、まったく気にする必要はありません。
退職や次の転職の妨害をされたら
上記で述べてきたように、「退職すること」自体は法的な権利なため、退職するだけなら「退職届を内容証明で送る」ことで簡単にできます。しかしながら、退職や転職活動を妨害するといった企業の場合は、そのまま退職することで、こちらが大きな被害を受けてしまうことが問題です。
残念ながら、次の転職活動を執拗に妨害されたり、恫喝といったハラスメントを恐れて働き続けてしまったりで、体も心も壊すということも珍しくはありません。
退職を妨害してくるような企業では、その悪事に加担する弁護士や社労士がついている可能性もあります。彼らは法律の専門家として、雇い主である企業に対して、法律の抜け穴やグレーゾーンを指導して、労働者の正当な権利を行使させないよう巧みに妨害してくるのです。企業側にこのような悪徳な専門家がついている場合、労働者個人が戦うのは非常に困難です。
そのような場合は、「退職代行サービス」に依頼することも1つの手です。しかし、退職代行サービスを利用する場合、未払い残業代の申請や有給休暇の消化などは放棄したと見なされてしまうので、注意が必要です。なぜなら、退職代行サービスを行う企業は弁護士ではない会社も多く、諸々の請求行為自体は違法となり、代行できない場合があるためです。
権利を放棄せずにブラック企業を脱出する方法としては、労働組合や弁護士への相談も視野に入れましょう。未払い残業代の請求や退職に関する交渉を弁護士以外が代行するのは違法ですが、労働組合ならば可能です。
労働組合は、労働者が自主的・主体的に労働条件や賃金の維持・向上などに向けた活動を可能にするための組織団体であり、労働者が受けた被害を回復するための団体交渉を行うこともできます。労働組合は企業に対して対等な立場で交渉を行えるので、「辞める」という通告や未払い残業代などの請求も可能です。労働者個人が企業に対して裁判で争うことなく、法的に交渉を行うことができます。
退職や転職の妨害といった裁判で争うしかない問題に対して、日本の法律は労働組合で解決することを想定した法整備がなされています。つまり、労働組合法で定められた権利を行使せずに解決を目指すのは、非常に困難で損なやり方をしていると言えます。個人で太刀打ちできない企業の妨害に対しては、こちらも専門家に相談することが望ましいです。
転職活動を行う上で、ブラック企業への応募を避けたいと考えるのはだれしも同じことといえます。万が一、ブラック企業と気づかずに応募して内定すれば、「こんなはずではなかった…」「もっと調べておけばよかった」という後悔が一生残り …
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