昨今、医師不足が叫ばれていますが、それは日本中で起きているわけではありません。地域や科が偏っていることで、医師の配置バランスが崩れているという現状があります。
訴訟リスクや昼夜を問わないハードワークから、不特定多数の患者と向き合う病院勤務を避ける医師もいます。

男性が多い仕事ですが、子育てをしながら働く女性医師も増えています。出産などでブランクのあと、現場に復帰する人もいます。
医師の転職において、転科・時短・年収アップなど目的は様々ですが、よりよい環境を求めて転職活動をすすめるには、医師専門の転職サイトを利用するのが近道です。

医師は、専門職の中でも1,2を争う高い専門性と知識レベルを持つ職業です。学閥やさまざまなしがらみから医局からの紹介を利用して転職するケースが多いのも事実です。
しかし、そのようなしがらみを嫌って医局との距離をおき、自分の力で転職先を探す医師も増えてきています。

医師専用のおすすめ転職サイト比較

医師の求人は、一般的な総合型転職サイトでは求人を扱っていないケースも多いので、転職サイトを利用しての転職を考えるなら、医師専用の転職サイトを利用することが必須です。

専門職ゆえに、コンサルタントも医療業界に精通した人材で、業界と独自のコネクションを持っているケースも多く、求人の出ていない病院でも、コンサルタントの力で、こちらから逆指名のような形で新たな求人を発掘してくれる、という特徴もあります。
また、若手や医学生向けに、アルバイトやスポット求人が充実している傾向があります。

そこで今回は医師の転職におすすめの転職サイト・転職エージェントについていくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

エムスリーキャリアエージェント

求人数約50,000件
対応施設一般・療養型・精神・老健・ケアミックス・クリニック・企業・CRO・その他
特徴
  • 関東内での約40%の求人情報をもつ
  • 地方の求人は少なめ
  • 医師の登録実績10年連続ナンバーワン

エムスリーキャリアエージェントはエムスリーが運営する、圧倒的な求人数と情報量を持つ医師転職向けの転職サイトです。日本最大級の求人数を持っており、関東内での約40%の病院の求人情報を保有しています。非公開求人も多く、実際にエムスリーキャリアエージェントを利用した人のほとんどは非公開求人から決まったといった口コミもあります。

コンサルタントのレベルも高く、全てのコンサルタントは医療経営士の資格を持っているので安心です。医療業界の知識や研修、勉強会なども定期的に行っているので、最新の転職市場についても把握しています。

エムスリーキャリアエージェントは特に内科や常勤の求人数が豊富で、医師の登録実績も10年連続ナンバーワンなのでまず登録しておくといいでしょう。

医師転職ドットコム(メディウェル)

求人数約40,000件
対応施設一般急性期・療養型・リハビリテーション・精神科病院・クリニック・健診・介護老人保健施設・製薬企業・一般企業・そのほか
特徴
  • 求人数が多い
  • 利用満足度90%以上
  • 無理に転職を勧めてこない

医師転職ドットコムは、東証プライム上場企業アインホールディングスのグループ企業メディウェルが運営する医師転職サイトです。医療機関専門の経営コンサルティングファームのネットワーク全国7拠点(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)を活かし、業界最大級の全国各地の求人約40,000件とメディウェル限定の豊富な非公開求人を保有しています。

キャリアコンサルタントが現地に足を運び続ける地道なリサーチを通じて、求人票だけでは分からない経営状況、人員体制や職場の雰囲気から高給で当直や休日を優遇できる黒字の医療機関へ医師の働きに合う条件と経営に踏み込んだ視点で交渉し希望の転職を実現しています。

30〜60代の医師の転職なら、優秀なキャリアコンサルタントから手厚いサポートやアドバイスが受けられますし、就職後のアフターフォロー体制や転職に関わるコンテンツも充実しているので、長い目で付き合っていけるおすすめの転職支援サービスです。

医師転職ドットコムへ無料登録

リクルートドクターズキャリア

求人数約17,000件以上
対応施設一般・療養・精神病院・リハビリテーション・クリニック・老健・企業・その他
特徴
  • 人材会社大手リクルートが運営する医師向けサイト
  • 独自のパイプがあるので、求人数が多い
  • 希望の病院や医療機関を指名できる

最大手リクルートグループの医師専門の転職エージェント。40年も医師の転職をサポートし続けてきた実績・信頼ともに評価の高い医師転職(常勤)支援サービスと医師アルバイト(非常勤)紹介サービスです。

日本全国の常勤・アルバイト(非常勤)の求人情報を、非公開求人を含む好条件の求人17,000件以上を常時保有しています。

医師の転職の専門キャリアアドバイザーが、転職先やアルバイト先の病院・医療機関の提案、条件・年収交渉、研究日・学会費用交渉、面談日程調整、転職のトータルサービスを、無料でサポートしています。

ほかにも、希望の病院・医療機関指名や匿名打診サービスもあります。

リクルートドクターズキャリアへ無料登録

JMC医師転職支援サービス(日本メディカルコネクション)

求人数非公開
対応施設病院・診療所・クリニック・健診センター・老健・企業
特徴
  • おもに首都圏エリア中心
  • 医療機関とのコネクションが強い
  • 非公開求人が多い

JMCは日本メディカルコネクション株式会社が運営する、医師専門の人材紹介サービスです。全国対応はしていますが主に首都圏を中心に求人を取り扱っており、地方求人数はやや少ない印象です。一般公開すると応募が殺到しそうな求人や緊急性を要するものといった非公開求人が多く、待遇のいい優良求人が見つかる確率も高いと話題です。

また転職のサポートをしてくれるコンサルタントは、医療機関とのコネクションを持つベテランばかりなので、より希望条件に近い求人を紹介してくれます。ほかにも、悩みや今後のキャリアについても長期的なアドバイスも受けられるため安心です。

月間100名以上の現役医師から相談を受け、全国6,000以上の医療機関や企業との取引があるサービスなので、登録しておいて損はないでしょう。

CME医師

求人数約5,000件以上
対応施設一般・療養・ケアミックス・老健・クリニック・リハビリテーション・産業医・開業・MD・特養・健診関係など
特徴
  • 東京(首都圏)、大阪に求人が集中
  • ひとりひとりの転職理由や悩みに寄り添ってくれる
  • 「オーダーメイド求人」で年齢やブランクに自信のない方でも安心

CME医師は設立してからまだ年数は浅いものの、医師や看護師、薬剤師など医療に従事する人から支持を持たれている転職サイトです。エリアとしては主に東京や大阪に求人が集中しており、地方での転職を考えている人だと少し物足りないかもしれません。

CME医師は、ひとりひとりの転職理由や悩みに寄り添った独自の「オーダーメイド転職」が魅力です。たとえば、「ミドル世代からの転職だけどできるの?」「ブランクからの再就職」「学歴に自信がなくて医局の色が薄いところで働きたい」などの不安を持つ医師に対しても、丁寧にサポートしてくれます。ほかにも、年収の高さだけではなく休暇取得率や人間関係など、なかなか見えづらい部分も教えてくれるので安心です。

またCME医師のホームページでは、毎月オーダーメイド転職の事例を掲載しているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

e-doctor

求人数約15,000件以上
対応施設クリニック・病院・後期研修施設・その他
特徴
  • 会員限定で閲覧できるコンテンツが多い
  • 非公開求人が多い
  • 最短登録当日に面接を設定してもらえる

e-doctorは医療従事者向けの転職サポートをおこなうリンクスタッフが運営する、医師専門の転職エージェントです。スピーディな対応が強みで、最短登録当日に面接を設定してもらうこともできます。なるべく転職活動に時間を掛けたくないといった方には重宝するでしょう。

求人数は15,000件と少なく見えますが、厳選された良質な医療機関しか取り扱っていないので安心です。実際掲載している求人の約7割は非公開求人だとされており、なかにはe-doctorでしか掲載されていない求人もあります。

e-doctorのホームページには、研修医や若手医師が専門医になるための情報や医師限定のコンテンツなどが会員限定で閲覧できるので、チェックしておくといいでしょう。

ドクターキャスト

求人数約40,000件
対応施設一般病院・李場びり病院・療養型病院・精神病院・クリニック・老健・産業医・製薬・その他
特徴
  • 地域医療への貢献度が高い
  • 非公開求人が多い
  • 社会保険労務士が在籍している

ドクターキャストは株式会社メディカルキャストが運営する、医師転職に特化した転職支援サービスです。取り扱うほとんどは非公開求人で。求人数も約40,000件近くとかなり豊富。「ほかの転職サイトでは希望の条件での求人が見つからなかった」といった方は、もしかしたら見つかるかもしれません。

ドクターキャストは地域医療にも強みを持っています。東日本への求人はやや手薄ですが、離島やへき地での医療機関、公共病院といった求人も数多く取り揃えているので、地域医療に興味がある方にはおすすめです。

さらに万が一求人が見つからなかった場合は、ひとりひとりの希望条件を丁寧にヒアリングし既存の求人を紹介してくれたり、新たに求人を開拓してくれるのもうれしいポイントです。通常、求人には掲載されない病院の内部情報や症例実績なども教えてくれます。

また、ドクターズキャストには社会保険労務士が在籍しているので、退職時に発生する問題や転職先との労働契約について専門的なアドバイスを受けられるメリットもあります。

ドクターキャストへ無料登録

MC-ドクターズネット

求人数約10,000件
対応施設一般病院・老健・クリニック・企業・健診機関・その他
特徴
  • スポット~バイト、常勤、非常勤と幅広い雇用形態から選べる
  • 地域の求人にも強い
  • 企業への専属や嘱託産業案件も豊富

「MC-ドクターズネット」は、2000年に創業した株式会社メディカル・コンシェルジュの医師転職エージェントです。求人は、常勤と非常勤(派遣や単発)の全ての雇用形態を扱う為、1日のスポット案件からバイト〜転職求人まで豊富で良質なものが多く、病院、クリニックの求人の情報はもちろん、企業への専属・嘱託産業医案件も豊富に保有しています。人気の健診案件等、掲載したらすぐに問い合わせが殺到する求人も多くあります。

日本最大級の全国25拠点のネットワークを活かした全国規模でかつ地域密着型のサービスを提供提供しているので、地方ニーズにも対応しております。

専任のキャリアコンサルタントが忙しい医師のために、書類作成、面接同行、給与交渉全て対応いたします。それぞれのライフプランを実現出来る様、豊富な情報とサービス力で多彩なワークスタイルを提案しています。

各拠点が様々な地域で出張登録会を開催しており、個別で喫茶店等で面談することも可能です。

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民間医局

求人数約30,000件以上
対応施設非公開
特徴
  • 全国17カ所に拠点を持つ
  • 女性医師の成約実績が多い
  • 地方での転職にも強い

民間医局は全国に17カ所に拠点を持つ、医師向けの転職エージェントです。とくに女性医師の転職や復職成功実績が豊富で、子育て中やブランクのある女性医師から絶大な信頼を持たれています。

実際、紹介される求人も時短勤務や勤務日数の調整ができる職場を多数取り扱っており、常勤以外にもアルバイトなども紹介してくれます。ほかにも「ベビーシッターのHAS」とも業務提携をおこなっている関係で、通常よりも格安でベビーシッターサービスが利用できるメリットも!旅行や子育て支援、家事代行サービスなどもお得に利用できるので、育児中の医師にはとくにおすすめです。

また民間医局は全国に拠点を持っているため、地方での転職にも強みを持っています。地域密着の求人を多数取り扱っており、実際にスタッフが病院訪問をしているので職場の雰囲気なども細かく教えてくれます。

民間医局のサイトには、長期休暇中のスポット案件やアルバイト求人、医師転職に役立つコラムなども充実しているので、情報収集としても便利です。

民間医局へ無料登録

Dr.転職なび

求人数約40,000件以上
対応施設病院・クリニック・老健・企業・その他
特徴
  • 担当スタッフが医療経営士の資格を持つ
  • 求人数が多い
  • 利用者満足度が高い

Dr.転職なびは医療機関マネジメントのプロにサポートしてほしい人向けの医師専門の転職支援サービスです。

担当スタッフ全員が医療経営士(医療機関をマネジメントするのに必要な経営能力を身に着けた人)の資格を持っているので、圧倒的な知識量や質が欲しい人におすすめです。

求人数の多さだけではなく、取り扱う求人の種類も豊富なのも特徴です。毎日求人が更新されるので、最新の情報をいち早く見つけることもできます。マッチング率も高く、実際の利用者からの評判も良好なのもうれしいポイントです。

Dr.転職なびは、「とにかく多くの求人から選びたい」「特定のジャンルなどこだわりが強い」「まだ転職を迷っている」といったさまざまな人に対応する転職サイトです。

Dr.転職なびへ無料登録

マイナビDOCTOR

求人数約16,000件以上(非公開求人は28,000件以上)
対応地域非公開
特徴
  • 人材会社大手の「マイナビ」が運営するから安心
  • 年収アップが目指せる
  • 首都圏エリアの求人が中心

マイナビドクターは人材会社大手のマイナビが運営する、医師に特化した転職サイトです。公開求人・非公開求人合わせると業界トップクラスだといわれており、「年収2,000万円以上」「当直なし」「自由診療」といった細かい条件で絞れるのも特徴です。ほかにも、多職種も取りあつかうマイナビだからこそ一般企業や産業医求人なども多数掲載されています。

サポート体制も充実しており、求人紹介だけではなく面談日の日程調整や年収・待遇の交渉、退職手続きなどをすべて代行してくれます。実際マイナビドクターを利用した医師のなかには、年収200万円以上アップした人もいるので、高収入求人を探している人にはおすすめです。

首都圏での転職を考えている方や非常勤求人を探している人、年収アップを目指す方はぜひ利用してみて下さいね。

マイナビDOCTORへ無料登録

MRT

求人数約12,000件
対応施設非公開
特徴
  • 短期や単発のアルバイト、スポット求人に強い
  • 産業医の紹介実績が豊富
  • 将来開業したい人におすすめ
  • 24時間365日サービスを受けられる

MRTは東京・名古屋・大阪・福岡に拠点を持つ、医師向けの転職サイトです。主に短期や単発のアルバイトやスポット求人に強みを持ち、医師スポットアルバイト求人のマッチング度と求人数では業界でナンバーワンだといわれています。

MRT会員限定の特典も充実しており、税理士紹介サービスの利用や医師賠償責任保険を割引価格で利用できたりします。副業で稼ぎたい人やフリーランス、開業医な度といった方も利用できるので安心です。

MRTは産業医向けのサービスも展開しており、新しい分野にチャレンジしたい方やワークライフバランスを重視したい方にもおすすめです。すべてのサービスが24時間365日受けられるため、普段の仕事が忙しい人はぜひ利用してみるといいでしょう。

日経メディカルキャリア

求人数約20,000件
対応施設一般・療養型・ケアミックス・精神病院・クリニック・老健・企業・その他
特徴
  • 現役医師の190,000人以上が利用
  • スカウト機能がある
  • 仕事が忙しくて転職活動になかなか時間が割けられない人におすすめ

日経メディカルキャリアは日系グループが運営する医師専門の求人サイトです。現役の医師が190,000人以上が利用しており、確かな実績があるので安心です。

一度登録すれば、条件に合う求人を取り扱う医師転職支援会社や医療機関から直接スカウトメールが届くので効率的に転職活動を進めたい方にはおすすめです。さらに忙しい方向けには、「お任せ問い合わせ」といった機能もあり、最大4社の転職支援会社に問い合わせができます。

多種多様な求人を取り扱っているので、「どこの転職サイトに登録すればいいかわからない…」といった方はまず登録しておくといいでしょう。

MedPeerCareer

求人数約55,000件以上
対応施設一般・療養型・精神病院・クリニック・リハビリテーション・ケアミックス・健診・老健・企業・その他
特徴
  • 業界トップクラスの求人数
  • 医師目線でのサポートなので安心
  • 求人情報の更新頻度が高い

MedPeerCareerはメドピア株式会社が運営する、医師専門の求人紹介サイトです。元々医師がつくったサイトということもあり、医師目線のサポートが受けられるのが特徴です。

求人の網羅性が高く数も多いので、病院だけではなくクリニックや企業といったさまざまな雇用形態、職場、こだわり条件から選べます。転職先への希望条件か多い人ほど絞れるので、かなり重宝するサイトだといえるでしょう。

求人情報の更新頻度も高く、医師転職の市場も深く理解できるのでスムーズに転職活動が進められます。

美容医師求人ガイド

求人数非公開
対応施設美容クリニック専門
特徴
  • 国内唯一の美容クリニック専門の転職エージェント
  • 非公開求人や新規オープン予定のクリニックの情報も取り扱っている
  • 研修医や美容クリニックの実務経験がなくても利用できる

美容医師求人ガイドは、国内で唯一の美容クリニック医師に特化した転職エージェントです。業界専門だからこそ、クリニックの内部情報や非公開求人、新規オープンクリニックの情報なども知れるメリットがあります。

転職後の平均年収は約2,000万円を超え、通常の意志の平均年収よりも高いので年収アップや美容クリニックへの転職を考えている人にはおすすめです。

研修医や美容クリニックでの実務経験がない人でも求人紹介をしてもらえますし、美容クリニックへ受かるための面接サポートも手厚いので安心。自分では見つけられない美容クリニックなどもどんどん紹介してくれるので、ぜひ利用してみてください。

歯科医師限定の求人を紹介する転職サイト

ここでは、歯科医師におすすめの転職サイトについてご紹介します。

(歯科限定)ファーストナビ歯科医師

求人数非公開
対応地域非公開
特徴
  • 日本最大級の歯科医師転職支援サービス
  • 非公開求人が多い
  • 専任エージェントから手厚いサポートが受けられる

ファーストナビ歯科医師は日本最大級の歯科医師の求人サイトです。大手チェーンから小規模なクリニックまで幅広く取り扱っており、地方の転職を考えている方にも対応しているのが特徴です。

紹介される歯科医院の詳細な情報も網羅しており、院長の人柄や職場の雰囲気、専門性の高い歯科医院かどうかなども知れるので、入社後のミスマッチやギャップも低めだといわれています。

ファーストナビ歯科医師のサイトには、書類作成のコツや面接でのNG質問など転職活動に役立つコンテンツが多数掲載されています。

ファーストナビ歯科医師へ無料登録

医師に多い転職理由とは?

医師が転職を考えるきっかけには以下のものが挙げられます。

激務である

一般的に、医師全般はかなりの激務になりやすいとされています。医師の業務内容としては手術や当直のほかに、学会への参加や臨床、論文の作成などをしなければいけません。

医師の種類によっても忙しい科もあり、外科手術に必要な外科医や麻酔医、循環器、消化器、産婦人科医、救急医などは緊急性が高いため激務になりやすい傾向にあります。

ただし激務かどうかは所属する診療科や病院の規模によっても異なります。

収入アップ・キャリアアップのため

一見医師という職業は高給取りだと思われがちですが、業務量に対する収入は見合わないケースも少なくありません。したがって、通常の職業と同様に収入アップのために転職を検討する人もたくさんいます。

また収入アップ意外だと、キャリアアップやスキルアップを目指して転職に踏み切る人もいます。たとえば「専門医資格取得の環境が整っている職場で働きたい」「大学病院など地域の基幹病院に移りたい」など。ほかにも、将来開業したい方であればあえて小規模な病院で働き、経営の実態などを学ぶ人も多くいます。

企業勤務したい

全国の意志の9割以上は医療機関で臨床医として働いているといわれており、おもに製薬メーカーやCRO(医薬品開発業務受託機関)などへの転職を目指す人もいます。

また医療機関以外で働く場合には以下の職場も挙げられます。

  • 企業の労働者の健康管理をおこなう産業医
  • 介護老親保健施設での勤務
  • 製薬会社で医学的なアドバイスをおこなう仕事
  • 保健所
  • 地方衛生研究所などで医学的なアドバイスをおこなう仕事

医師は病院だけにとどまらず、さまざまな分野で必要とされる職種なのであえて企業に属する人もいるのです。

出産、育児などのライフスタイルの変化

医師に限らず、働く女性は結婚や出産、育児などによって働き方がガラッと変わります。特にお子さんがまだ小さい年齢だったりすると、時短勤務や常勤ではなくスポットやアルバイトといった働き方を選ぶ人もいます。

病院自体が当直やオンコールの免除を認めていても、職場の雰囲気などによってはなかなか言い出しづらい雰囲気などもあるでしょう。それならば、最初から時短勤務ができる医療機関や残業や当直がない施設へ転職しようと考えるのです。

医師向けの転職サイトにも、「民間医局」といった女性医師の転職実績が豊富なところもあります。女性医師で転職を検討しているのなら、実績数の多さや育児のサポートが受けられるところを選ぶのがおすすめです。

職種別医師の年収事情とは?

職種によっても医師の年収は異なります。もし転職するのなら、それぞれの年収事情や平均年収について把握しておくことが大事です。

勤務医の売

勤務医の年収は、病院の規模によって異なります。たとえば従業員の規模が1,000人規模の大規模なところであれば約1,000万円程度、1,000人未満の規模だと1,500万円以上の職場もあります。なお、最も医師の中で低いのは研修医で約500万~600万円ほどだといわれています。

大規模の病院よりも中規模の病院の方が年収が高い理由には、過密地域よりも過疎地域になるほど年収が高くなるからだとされています。したがってもし勤務医として高年収を目指すのであれば、医師が不足しがちな地域医療や過疎地域での転職を検討してみてもいいでしょう。

開業医の場合

開業医とはおもに、スタッフ10人以上を取りまとめるクリニックなどを指します。開業医の年収は100人未満の従業員規模だと、おおよそ2,000万円以上だといわれています。

開業医は通常の大学病院の勤務医と比べると年収だけで言うと倍近くの差がありますが、その分、経営スキルやスタッフを取りまとめる責任能力も問われるので難しさもあります。

フリーランスの場合

医師の中には特定の病院やクリニックなどに属さず、フリーランスとして活躍する人もいます。フリーランスの場合年収はバラつきがありますが、日給だと都内であれば5万円~、地方都市だと10万円~が相場だといわれています。

また仕事内容によっても異なり夜勤は給与が高く、予防接種やワクチン接種などのスポット勤務は一般的に低めに設定されている傾向にあります。通常脳神経外科や外科、麻酔科などは報酬が高いとされています。

もしフリーランスとして働きたいのなら、転職エージェントなどで担当者と長期的なキャリアプランについて相談するのがおすすめです。

ステージ別にみる医師の転職傾向

医師の転職は年齢によっても変わります。ここでは、年齢のステージ別に医師の転職傾向についてご紹介します。

卒後3~6年目

昨今は、卒後3~6年目の若手医師での転職が年々増えていっている傾向にあります。転職理由としては、「医局の雰囲気が合わない」「もっとスキルや待遇を上げたい」といった理由がほとんどだといわれています。ほかにも、20代後半~30代あたりは結婚や育児の関係でライフワークバランスを重視したいといった声もあります。

卒後7~15年目

卒後7~15年目の中堅は転職市場においても、ベテラン世代に比べてコストが抑えられることから需要が高い傾向にあります。一定の臨床経験を積んでいながら、かつ専門医や学位などを取得していればより年収アップや好待遇で採用してくれる職場も増えてきます。

また将来開業したいといった方や新たな分野に挑戦できるステージでもあるので、現職よりも経験を積める医療機関に移る人もいます。最も採用されやすいタイミングであるからこそ、10年後など長期的なキャリアをイメージして動くことが大事です。

卒後25年未満

卒後25年未満の医師は臨床医として最盛期であるともされており、さらなるキャリアアップを目指して院長職や管理職などを目指す人も中にはいるといわれています。また現職での展望が見え始め、「ここでは自分の希望するポジションにはなれない」と判断して会えて医局を出る人もいます。

定年後の暮らしや開業など、さまざまなキャリアチェンジができる年代だといえるでしょう。

卒後26年目以降

医師としての円熟期でもある50代からは、気力や体力面においてゆとりを希望する方が増えはじめ、20代のころのように第一線で活躍する人が少なくなっていく傾向にあります。たとえば、当直がない職場やケアミックス型、療養型、老健などに転職するケースなどが多いとされています。

また昨今では高齢化の地域では訪問診療といったものの需要が高く、介護施設などを中心に転職をする方もいます。実際にも需要と条件が合えば、60代での転職実績も決して珍しくなくなっています。

女性医師の場合

女性医師の場合、出産や育児といったライフイベントが発生する関係で、さまざまな選択肢をあきらめなければいけないといった風潮がこれまではありました。しかし最近では、女性医師に特化した転職サイトや支援体制なども整いつつあるので、復職やブランクがあっても活躍できる職場も増えてきています。

したがって20代~40代の女性医師は、子育てや家事といった両立がしやすい医療機関や診療科に異動するために転職する人が多いといわれています。

子育て中に仕事を続けるのは難しいことですが、週1回の非常勤でも細々と続けていればキャリアも途絶えないので無理のない範囲で続けておくのがおすすめです。

なお、女性医師が復職する場合、以下のポイントを踏まえておくといいでしょう。

  • 職場や近場に託児サービスがあるか
  • 家族の協力を得られるかどうか
  • ブランクの長さ
  • 時短や勤務日数を減らせる職場かどうか
  • 女性医師の人数
  • 産休、育休実績

医師転職に成功するにはスキルを積むのがおすすめ

医師転職に関わらず転職では、経験数の長さやスキルがどれだけあるかが非常に重要なポイントとなってきます。

たとえば、指定医・専門医資格を持っていれば、一定のスキルや経験があるとみなされるため、人気の求人でも選考が有利に進む確率がグッと高まります。医療機関だけではなく、患者からもはじめから信頼を得られるので、転職する前に資格を取っておくことをおすすめします。

医師専用の転職サイトの評判

医師専用の転職サイトは、医療機関と転職支援サービスとが長年に渡って築き上げてきた信頼関係に基づいて成り立っています。そのため、入職後のミスマッチやトラブルが少ないという特徴があります。とは言え、転職サイトにも様々なスタイルがあります。
実際に利用した人の口コミや転職成功者の実例などを調べてみると、参考になります。

  • 日々の業務に忙殺される中で転職をしたい、という思いに駆られました。なかなか自分で動けない状況でしたが、コンサルタントの方が親身になって条件に合う求人を探してくれました。希望に合う病院一つ一つにヒアリングして、新たな求人を創り出してくれ、希望に合う転職先に就くことができました。
  • 転職をしたあとのサポートが手厚く、信頼できる転職サイトでした。一度、仕事を紹介してもらったご縁で、より良い案件があれば声を掛けてくれました。自分を評価して、気にかけてくれていることが嬉しく思いました。

このように、医師のより良い転職の影には有能なコンサルタントがあります。求人紹介だけでなく、新居探しや保育園探しなどトータルで転職をサポートしてくれるケースもあります。業界に精通したプロフェッショナルなコンサルタントは、的確なアドバイスをもらえる頼もしい存在です。

医師が転職する際に確認しておくべきポイント

ここでは、医師が転職する際に確認しておくべきポイントについてご紹介します。

給与の構造を把握しておく

医師は年収が良いイメージがありますが、構造自体を知っておかなければ、「思ったより稼げない」といった状況に陥るケースもあります。残業手当や当直手当で割り増ししているといった職場も珍しくありません。業務内容に対して給与が見合っているか、ワークライフバランスを重視するのであれば、より重要なポイントになるでしょう。

職場の雰囲気をしておく

病院や施設ごとに職場の雰囲気はまったく異なります。職場の雰囲気が合わなければ、長く働くことができませんからね。退職金や年収、昇給などを考慮すればなるべく同じ職場で働き続ける方がいいでしょう。

雰囲気を知るにはさまざまな方法がありますが、口コミサイトを参考にしたり、転職エージェントなどをつたって実際に働いている人の声を参考にするのもひとつです。ミスマッチや早期離職につながらないためにも、しっかり慎重に見極めるようにすることが大事です。

まとめ

医師の転職は、サラリーマンの転職とは性質が異なります。基本的には医療と全く関係のない業種への転職はないですし、どこへ転職するにしても命を預かる重い社会的責任を背負い続けることになります。同じ業界で職場を変えながらキャリアアップしていくためには、しがらみの強い医療業界をうまく乗りこなしていかなければなりません。

また、ブランクができることは望ましくないので、基本的には忙しく働きながらの転職活動となります。面談に割く時間もそうそうないので、求める条件などをキャリアコンサルタントに伝えて、あとは任せておく、というスタンスが理想的です。
信頼できる転職サイト、キャリアコンサルタントとの出会いが転職活動を成功させる鍵になります。

比較サイトや口コミなどを参考に、転職サイトそれぞれの強みを見極めてください。信頼できるコンサルタントを見つけて、実りある転職活動になることをお祈りしています。