「経理の仕事をやる中で、税理士の仕事に興味が出てきた。社会人から資格をとって転職することってできるの?」

この記事では、未経験から税理士になりたい人のために、未経験から税理士になる方法をまとめました。税理士の仕事内容税理士になる方法について詳しく解説しています。

失敗しない転職先の選び方未経験OKかつ条件の良い税理士求人を見つける方法も紹介しているので参考にしてください。

目次

税理士の仕事内容・年収・将来性は?

税理士とは税と会計の専門家

税理士とは、税と会計のプロフェッショナルです。納税者の所得計算や税金計算のサポートを行うのが主な役割となっており、中小企業や個人事業主がスムーズに納税できるように税金に関わるさまざまなサポートを行います。

納税者の代わりに税金の申告を行う「税務代理」、確定申告書などの税務署に提出する書類を作成する「税務書類の作成」、税に関するさまざまな相談に対応する「税務相談」の3つは、税理士だけができる独占業務です。

事務所や企業に勤務、実力がつけば独立も

多くの税理士は、会計事務所税理士事務所に所属しています。ここで経験を積んだ後は、独立して事務所を設立したり、経験や知識を活かして、一般企業に就職し活躍する税理士もいます。

雇用されている税理士の平均年収は700万円

税理士の平均年収は、働いている形態によって大きく変わります。雇用されている場合は、700万円ほどです。さらに、大手事務所では、平均で830万円、20代でも670万円と高い収入が見込めます。

これに対して、独立している税理士は1000万円以上にもなるといわれています。専門資格が必要な仕事なので、平均年収は高めのようです。

税理士の年収は、年功序列よりも実力を重視する傾向にあり、実力さえあれば、20代・30代のうちから高い収入が見込める職業です。しかし、開業している税理士によっては、300万円以下ということも珍しくないので、営業力などもかなり重要になるといえます。

繁忙期には徹夜や休日出勤も

毎年、2月~3月には確定申告があるため、税理士の繁忙期は12月~4月です。この時期は、残業時間も多く、徹夜や休日出勤が必要なこともあります。

また、税理士の顧客は中小企業であることが多いので、相手先の就業時間に合わせて仕事をすることや、書類の締切も厳守しなければならないことから、繁忙期には多忙を極めます

繁忙期を過ぎてしまえば、税理士の仕事はだいぶ落ち着いてきます。月末は多くの書類作成や申請がありますが、近年はさまざまなものが電子化されていきたので、残業時間もさほど必要なくなってきています。

一生ものの仕事

税理士としてキャリアを積めば、独立開業の道もあります。開業して軌道に乗れば、収入が1000万円以上の収入を得ることも十分に可能です。しかし、独立するには、現在ある事務所に対抗できるだけの営業力や人脈が欠かせないので、簡単ではありません。

税理士のキャリアは企業からの需要も高いので、企業の経理部などでの活躍も期待できます。一般の企業でも大手企業並み、もしくはそれ以上の待遇で就職することもできます。

また、税理士という仕事自体には定年がないので、企業や組織で定年までキャリアを積んでから、開業するという税理士も少なくありませんので生涯を通して行える仕事です。

未経験から税理士になるには

税理士になるには税理士試験合格と2年以上の実務経験が必須

税理士になるには条件があり、国家資格である「税理士試験」に合格することが必要かつ、2年以上の実務経験を積むことで税理士会に登録することができます。実務経験は、試験合格前でも試験合格後でも決まりはありません。

その他、税務署などで23年以上勤務すると、所定の研修を受けるだけで、税理士試験を受けなくても税理士資格を得ることができます。また、公認会計士や弁護士資格を取得すると同時に税理士の資格も取得できます。

税理士試験には受験資格がある

税理士試験には受験資格があり「学識による受験資格」「資格による受験資格」「職歴による受験資格」の3つに分類され、いずれか1つに当てはまっていれば受験可能です。

学識による受験資格

  • 大学または短大の卒業者で、法律学または経済学を1科目以上履修した者
  • 大学3年生以上で、法律学または、経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
  • 一定の専修学校の専門課程の修了者で、法律学または経済学を1科目以上履修した者
  • 司法試験合格者
  • 公認会計士試験の短答式試験に合格した者

資格による受験資格

  • 日商簿記検定1級合格者
  • 全経簿記検定上級合格者

職歴による受験資格

  • 法人または、事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
  • 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付。運用に関する事務に2年以上従事した者
  • 税理士、弁護士、公認会計士などの業務補助事務に2年以上従事した者

税理士試験の内容

税理士試験では、会計学と税法に関する知識が問われます。試験は科目合格制方式であり、会計学2科目と税法に関する科目3科目の合計5科目に合格する必要があります。

なお、一度の試験で5科目すべてに合格しなければならないわけではなく、一度合格した科目は生涯有効になるため、不合格になった科目のみ次の試験で受験することが可能です。

また、修士や博士の学位者は試験の一部、10年または15年以上税務署に勤務した国税従事者は税法に関する科目が免除されるケースもあります。

税理士に求められるスキル

数字に強く正確性がある

税理士は、決算書や収支報告書など、複雑な会計処理を扱う仕事です。計算が間違っていたは許されないため、正しく税額を導きだすためにも、正確に計算するスキル数字に強い人でなくてはなりません

経営者の観点から物事を考えられるスキル

税理士の仕事は、納税額を計算するだけにはとどまりません。支出状況や売り上げを見て、経営を行う上でプラスになるような節税対策のアドバイスを行うのも重要な職務の1つです。

ビジネスをする上で、税負担の軽減は大きな課題のため、経営者にとって手元に残るお金が多ければ多いほど事業活動や組織運営にもプラスに働きます。

税理士は、間接的に経営に携わる仕事でもあるため、経営の知識や組織マネジメントの知識が必要となります

コミュニケーションスキル

税理士業務は、税に関する知識だけではなく、クライアントの要望をしっかりとヒヤリングして、その要望に沿って業務を遂行させるためのコミュニケーション能力も求められます

お客様がどのような意図で相談してくださっているのかを読み取り、お客様が安心して業務を任せられるにはどのような提案が必要なのかわかりやすく説明する能力が必要なのです。

税理士転職に有利な実務経験

会計事務所でのアルバイト経験

会計事務所での業務経験は、資格取得後に役立つノウハウを吸収しやすいです。転職でのアピール材料として使いたい場合には、会計事務所を転々とするのはやめましょう。その都度駆け出しからのスタートとなるためなかなかキャリアが積み上がりません。できるだけ、1つの事務所で長く働くことがポイントです。

クライアント数が多い事務所でれば、単なる決算業務や申告代行だけではなく、経営アドバイザリーなど携われる業務の幅が広いことが多いです。身に着けられるスキルや経験が多い方が転職では有利になるため、アルバイト経験を積むならば、クライアント数が多い事務所を選ぶことをおすすめします。

一般事業会社で経理経験

一般事業会社で経理職として働いていた場合、企業の属性、会計基準、仕事内容、役職などによって評価が異なりますが、実務経験として有利に評価されることも多いです。

しかし、アピール力が足りなければ「会計に関する仕事に従事していたとは限らない」とみなされてしまう場合もあるため、転職でのアピール材料として利用するときは、税理士として役立つ実務経験があることを、書面や面接時でしっかりとアピールすることが重要です。

未経験から税理士になるには35歳くらいまでが良い

年齢が若いうちに転職するに越したことはありませんが、税理士業界は30歳を過ぎても未経験での転職が可能な業界です。実際、社会人になってから税理士を目指した人も多く活躍しています。30歳前後で数科目合格し、何らかの職歴があれば、転職には問題ありません。

年齢が上がるごとに、実務経験が重視されますので、未経験では少し厳しくなりますが経理や財務など少しでも税務経験がある、税理士試験に5科目合格しているなどがあれば、35歳までなら転職を歓迎される年齢といえるでしょう。

それ以上の場合はなかなか未経験の転職が厳しいのが現実です。中には資格重視の事務所がありますので、5科目合格し、根気よく探していくしかないでしょう。

未経験から税理士に転職、失敗しない転職先の選び方

選んではいけない税理士求人の見分け方

タイムカードがない

繁忙期には残業することが多い、税理士ですが、労働時間の管理がきちんとなされていないと残業代が支払われないケースがあります。労働時間の管理方法や、みなし残業時間を確認しておくことで、ある程度ブラックかどうかの予測が付けられます。

繁忙期以外でも夜遅くまで事務所に電気がついている

勉強会や帰りづらい雰囲気でなかなか帰れない事務所もあります。気になる事務所がある場合は、繁忙期以外の夕方や夜間に数回事務所の前を通って、電気がついているかを確認することで、ある程度目安がつきます。

スタッフの年齢層が偏っている

中堅のスタッフがいない事務所は、スタッフが育たず、離職率が高い、経験者が定着しないなどの可能性があります。年齢層が高すぎでも低すぎても業務レベルが低い可能性があります。

スタッフの男女比率が偏っている

男性ばかり、女性ばかりの事務所は何かしら問題がある可能性があります。女性が所長の事務所で、働きやすさの観点からあえて女性スタッフだけで仕事をしているなどの明確な理由がないところは要注意です。職場環境やパワハラなどの問題を抱えていることがあります。

有資格者が極端に少ない

有資格者の数で事務所の業務レベルをある程度推し量ることができます。有資格者の数が少ないと、レベルも低く、また資格取得のための勉強ができない環境のことがあります。スタッフの10人に1人以上が有資格者であることが望ましいといえます。

所属税理士の有資格者の人数は「税理士情報検索」というHPで確認できますので、応募前に確認することをおすすめします。

未経験者を頻繁に採用している

比較的大手にならないと未経験者を教育するだけの余裕がないので、未経験者を受け入れているかどうかは、事務所の力量を見極める一つの目安になります。しかし、あまりにも「未経験者歓迎」を頻繁に行っているところは、経験者が定着しないブラック事務所の可能性もあるので、注意が必要です。

おすすめ税理士求人の特徴

スタッフの年齢層のバランスが良い

20代、30代、40代とそれぞれの年齢層のスタッフがバランス良く在籍しているのが理想です。きちんとスタッフが育っているので、新人、中堅、ベテランとそれぞれの役割をきちんとこなすことができます。平均年齢は上がってしまうこともありますが、定着率の高い職場といえます。

所長の年齢が30代~40代

業務の拡大に意欲的で、今後も成長していく可能性が高い事務所です。インターネットからの集客にも強く、所長の年齢が高い事務所に比べると体育会系的な雰囲気が少ないことが特徴です。仕事はハードなことも多く残業も多めですが、仕事を早く覚えたい人にはお勧めです。しかし、所長が二代目や三代目の場合はこの限りではありませんので要注意です。

有資格者の数

有資格者が多い程、業務のレベルは維持されやすくなります。スタッフの10%以上が有資格者である場合は、業務のレベルが維持されていると考えられます。

未経験者を採用している

未経験者を採用しているということは、教育体制がしっかりとしているということです。ですので、一定数、未経験者を採用しているということはそれだけ事務所の体力があるということになります。

求人の理由が明確

事業拡大のための増員なのか、若手育成のための採用なのかなど、採用も目的がしっかりしているところは、きちんと経営に取り組んでいる場合が多く、働きやすいホワイト事務所の可能性が高いです。

未経験OKかつ条件の良い税理士求人を見つける方法

悔いのない転職をするためには、税理士としてのキャリアプランをしっかり立て、最短距離で目標をかなえる転職先をさがすことが大切です。

ハローワークや求人サイトから自力で未経験可の優良求人を見つけるのは難しいので、求人紹介をおこなう転職エージェントに登録し、好条件の非公開求人を紹介してもらうのがおすすめです。

転職エージェントは登録時にコンサルタントにキャリア相談が可能で、転職活動をサポートしてもらえるので、不利になりがちな未経験転職も上手に進めていくことができます。

また、コンサルタントから、転職先の労働環境や職場の雰囲気などの情報を得ることができるので、転職後のミスマッチを予防することもできます。

未経験からの転職なら会計業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめ

転職エージェントには、総合型のエージェントと、特定の業界を専門的に扱っている特化型のエージェントがあります。

総合型の転職エージェントは、取り扱い求人の業種の幅が広く、求人数も豊富なため、特化型にはない求人が見つかる可能性があります。しかし、税理士や会計業界の転職ノウハウはそれほど期待できないため、登録はおすすめしますが、総合型のエージェント1社では不安が残ります。

会計業界専門の転職エージェントであれば、会計業界に精通しているため、各企業や各事務所の内部情報も豊富ですし、転職ノウハウも長けているため、専門的なアドバイスも期待できます。未経験からの転職であれば、転職ノウハウが豊富な会計業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。

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マイナビ税理士

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まとめ

税理士とは、税と会計のプロフェッショナルです。納税者の所得計算や税金計算のサポートを行うのが主な役割で、税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士だけができる独占業務です。

税理士になるには、税理士試験の合格と2年以上の実務経験が必要です。その他、税務署で23年以上の勤務経験公認会計士や弁護士資格を持っている人は税理士試験を受けなくても税理士業務を行うことができます。

未経験か税理士に転職するときは、タイムカードがない繁忙期以外でも夜遅くまで働いているスタッフの年齢層や男女比が偏っている有資格者が少ないところを避けると失敗が少ないです。

未経験OKかつ条件の良い税理士求人を見つけるには、税理士としてのキャリアプランをしっかり立てて、最短距離で目標を叶える転職先を探すことが大切です。会計業界に特化したエージェントを利用することで、希望の条件に合った求人を見つけることができるでしょう。

この記事を参考に転職活動を成功させてくださいね。