20代薬剤師におすすめの転職サイト・転職エージェントを、おすすめランキング形式でご紹介します。
「薬剤師として一通りの業務を覚えたから、キャリアアップしたい」
「職場の人間関係や待遇に不満がある」
などという理由で、転職を考える20代の薬剤師も少なくありません。
転職を考えているなら、転職サイト・転職エージェントでよい求人を探すのがおすすめです。
しかし厚生労働省「職業紹介事業報告書」によると、日本国内には有料職業紹介事業者が約29,000社もあります。そこで今回は、20代薬剤師におすすめの人気転職サイト・転職エージェントだけを厳選しました。
また、記事の後半では20代薬剤師の転職事情も詳しくお伝えします。
※有効求人倍率は高ければ高いほど、求職者に対する求人の数が多いです。
- 薬剤師の求人数の多さ
- 薬剤師に精通したコンサルタントは在籍しているか
- 20代薬剤師の転職に関する情報量の多さ
- 20代薬剤師の転職支援実績は豊富か
- 20代薬剤師におすすめな転職エージェント・転職サイト比較ランキング
- 薬剤師が20代で転職するのは早すぎるのか
- 20代薬剤師が転職するならおすすめは何年目か
- 20代薬剤師の転職失敗談
- 20代薬剤師の転職を成功させるコツ
薬剤師の転職に欠かせないおすすめの転職エージェント17社を徹底比較!
20代薬剤師転職サイト・転職エージェントおすすめ比較ランキング
20代薬剤師におすすめの転職サイト・転職エージェントを、一覧表で比較しました。
転職エージェント名 | 薬キャリエージェント | ファルマスタッフ | ファル・メイト | マイナビ薬剤師 | ファーマキャリア | ヤクジョブ | リクナビ薬剤師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
公開求人数 | 26,880件 | 51,384件 | 17,964件 | 47,534件 | 37,707件 | 50,582件 | 非公開(東京都3,326件) |
全国対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
特徴 | 薬剤師登録者数ナンバーワン | 20代・30代に強い薬剤師転職サイトNo.1 | 高時給案件が多い | コンテンツや転職相談会などが充実 | コンサルタントの質の高さに自信あり | 薬剤師に特化した転職エージェントの中でも求人数が多い | 大手リクルートグループが運営 |
※2024年10月時点の公開求人数を掲載しています。
薬キャリエージェント
- 公開求人数
- 26,880件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- 薬剤師登録者数ナンバーワン※1
薬剤師会員25万人以上の薬キャリエージェントは、薬剤師登録者数ナンバーワン※1の実績を持つ、薬剤師に特化した転職エージェントです。エムスリーグループの会社が運営しています。
病院や調剤薬局の薬剤師求人を26,880件取り扱っています。20代で応募できる求人も多いです。公式サイトによると、年間2万人以上の薬剤師※2が、薬キャリエージェントで転職活動をおこなっています。
また、薬剤師に特化した転職エージェントなので、担当者も薬剤師の仕事内容や転職事情に詳しいです。利用者満足度も95%※2と高く、良い評判を獲得しています。業界に精通したスタッフと、二人三脚で転職活動を進めたい20代薬剤師におすすめです。
- 人気の薬剤師向け転職エージェントを選びたい人
- 薬剤師に詳しい担当者に相談したい人
- 調剤薬局や病院への転職を考えている人
薬キャリエージェントの評判は?口コミから求人の特徴と活用方法を紹介
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
薬キャリエージェントの詳細 | |
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会社名 | エムスリーキャリア株式会社 |
住所 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目1−28 |
※1 薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月自社調べ)※2 薬キャリエージェントの自社調べ
ファルマスタッフ
- 公開求人数
- 51,384件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- 20代・30代に強い薬剤師転職サイトNo.1
株式会社メディカルリソースが運営するファルマスタッフは、薬剤師に特化した転職エージェントです。20代・30代に強い薬剤師転職サイトNo.1※1の実績があります。
薬剤師の転職を24年も支援してきた実績があります。転職相談満足度は97.7%※2です。求人情報に掲載されていない情報まで教えてくれます。
また、求人数も51,384件と多いです。調剤薬局、病院・クリニック、企業、ドラッグストアの求人を中心に取り扱っており、20代で応募できる求人も多く見つかります。20代薬剤師の転職では、特におすすめです。
※1 日本マーケティングリサーチ機構調べ。2021年11月期ブランドのイメージ調査
※2 お客様満足度アンケート(2024年6月実施)
- 20代の人
- 調剤薬局、病院・クリニック、企業、ドラッグストアの求人を見たい人
- 満足度が高い薬剤師向け転職エージェントを使いたい人
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
ファル・メイト
- 公開求人数
- 17,964件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- 高時給案件が多い
ファル・メイトは、薬剤師専門の高時給で働ける転職エージェントです。新卒から定年後のベテランまで、幅広い年齢層の利用者がいます。
ファル・メイトは正社員の求人だけではなく、派遣やパートの好待遇案件の紹介にも力を入れています。関東・関西エリアでは、最低時給2800円が保証されているので、自由な働き方でしっかり稼ぎたい20代薬剤師におすすめです。
また、ファル・メイトの正社員または契約社員「エキスパート薬剤師」として採用してもらうこともできます。エキスパート薬剤師は、大手調剤薬局チェーンの管理薬剤師並みの高待遇を実現可能です。
- 高時給案件を探している人
- 派遣や契約社員、パートも検討している人
- 自由な働き方がしたい人
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
マイナビ薬剤師
- 公開求人数
- 47,534件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- コンテンツや転職相談会などが充実
マイナビ薬剤師は、大手の株式会社マイナビが運営する、薬剤師専門の転職エージェントです。求人数が多く、サイト内のコンテンツや転職相談会なども充実しています。
2024年10月時点で、47,534件の薬剤師向け公開求人を取り扱っています。薬局や病院だけではなく、一般企業の求人も探すことが可能です。MRやMS、品質管理、学術、臨床開発などの幅広い20代~50代向けの仕事を取り扱っています。
また、薬剤師専門の転職サイトの中でも、絞り込み検索の機能が充実しています。たとえば「未経験者可能」「夏~秋入職可能」「管理職候補」「残業少なめ」「外国語を活かせる」「年収500万円以上」「産休・育休取得実績あり」「転勤なし」などです。
加えてマイナビ薬剤師では、薬剤師専任のキャリアアドバイザーが薬局やドラッグストア、病院、クリニック、企業などに直接足を運んでいます。よりリアルな内情を知れる点も魅力です。転職後のアフターフォローも充実しています。
全国15カ所に拠点があるので、地方で転職したい20代薬剤師にもおすすめです。
- 細かい希望条件で求人を検索したい人
- 医療施設や調剤薬局だけではなく、製薬会社等の一般企業も検討したい人
- 地方への転職希望者
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
マイナビ薬剤師の詳細 | |
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会社名 | 株式会社マイナビ |
住所 | 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋一丁目1-1 パレスサイドビルディング |
ファーマキャリア
- 公開求人数
- 37,707件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- コンサルタントの質の高さに自信あり
ファーマキャリアは、薬剤師専門の転職エージェントです。ひとりひとりの希望をヒアリングした後、オーダーメイドで求人を提案してくれます。
ファーマキャリアの強みは、コンサルタントの質の高さです。「求職者に徹底的に寄り添うこと」を行動規範として掲げています。コンサルタントの教育にも時間をかけている転職エージェントです。
「親身になって話を聞いてほしい」「ヒアリング力や交渉力が高い転職エージェントを選びたい」という20代薬剤師におすすめです。
- 自分の希望に寄り添った求人を紹介してほしい人
- ヒアリング力や交渉力が高い転職エージェントを選びたい人
- 質の高いコンサルタントに対応してほしい人
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
ファーマキャリアの詳細 | |
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会社名 | エニーキャリア株式会社 |
住所 | 〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-10-9 八丁堀ビル2階 |
ファーマキャリアの評判について!しつこいって本当?登録前に口コミからわかる特徴を解説!
ヤクジョブ
- 公開求人数
- 50,582件
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- 薬剤師に特化した転職エージェントの中でも求人数が多い
ヤクジョブは薬剤師専用の転職エージェントです。薬剤師に特化した転職エージェントの中でも、求人数が多いという強みがあります。
ヤクジョブが取引している企業や医療機関は、7,000社以上です。2024年10月時点で、50,582件もの薬剤師求人があります。経験が浅い20代前半でも応募できる求人や、キャリアアップが叶う20代後半向けの求人も豊富です。
また、ベテランの専任コーディネーターが多数在籍しています。希望条件に合う職場を、たくさんの選択肢の中から選びたい20代薬剤師におすすめです。
- 希望条件に合う職場を、たくさんの選択肢の中から選びたい人
- ベテランの専任コーディネーターに相談したい人
評価:★★★★★5点
評価:★★★★★5点
評価:★★★★4点
リクナビ薬剤師
- 公開求人数
- 非公開(東京都3,326件)
- 対応エリア
- 全国
- 料金
- 無料
- 特徴
- 大手リクルートグループが運営
リクナビ薬剤師は、大手の「株式会社リクルート」が運営している転職エージェントです。転職者と雇用先の双方が満足できる転職に力を入れています。
「転職先にどのような人がいるのか」「スキルアップできる環境か」などを、事前にしっかり調査しているので、ミスマッチのない転職を実現させやすいです。
また、リクルートグループの転職エージェントだけあって、20代薬剤師におすすめな求人もたくさんあります。2024年時点で、調剤薬局の求人は19,035件見つかりました。
転職先の情報をしっかり教えてほしい20代薬剤師におすすめの転職エージェントです。
- 転職先の情報をしっかり教えてほしい人
- ミスマッチのない転職を実現させたい人
評価:★★★★4点
評価:★★★★4点
評価:★★★★4点
20代薬剤師に多い転職理由
出典:「薬剤師の転職実態調査」(エムスリー株式会社)
「薬キャリエージェント」を運営するエムスリーキャリア株式会社のアンケート調査によると、薬剤師の初めての転職理由で一番多かったのは、「スキルアップ」のためでした。
2位は「人間関係に不満」、3位は「勤務時間・残業に不満」と続きます。
20代薬剤師の場合は、次の理由で転職を検討する人が多いです。
職場の人間関係
職場の人間関係が原因で、転職を考える20代薬剤師は多いです。
薬剤師は業務の都合上、狭い空間での密なコミュニケーションになる傾向があります。一度人間関係が悪くなると一気に悪化しやすい、嫌な人との関わりを避けたくても難しいといった面があります。
実際転職サイトでも、「女性の比率が多く、派閥が合って居心地が悪いと感じた」「無視される」といった口コミが多数寄せられています。ほかにも、一般企業のように「上司と相性が合わない」「ほかの同僚との仕事の熱量が違いすぎてストレス」などの悩みも見られました。
人間関係で悩んでいる場合、すぐに転職するのではなくまずは上司に相談してみるのがおすすめです。上司に相談することで案外あっさりと解決するケースもありますし、部署や配属移動という形で何かしらの配慮をしてもらえる可能性もあります。
ただし、「上司に相談しても何も改善してくれない」「日常的にモラハラ・パワハラが続いており、誰も変わる見込みがない」「心身に影響を及ぼすほどのストレスを受けている」場合は、迷わず転職を踏み切ったほうが良いでしょう。心身的な問題が出ている場合、休職手当をもらえることもあるので、無理しないことが何よりも大切です。
労働条件への不満
待遇・労働条件に不満があって転職するケースもあります。
- 残業が多い
- 有休・育休などの休みが取りにくい社風
- かなり忙しい職場
程度にもよりますが、明らかに職場環境が改善される見込みがないと判断したときに、転職を考える20代薬剤師が多いです。
給料への不満
給料への不満によって転職を検討する20代薬剤師も少なくありません。
20代の薬剤師の場合、まだ経験が浅いことから、年収が低い傾向です。「報酬が割に合わない」と不満を抱きやすく、「今よりも高収入を目指したい」という理由で転職する人もいます。
しかし多くの場合、薬剤師としてある程度のキャリアを積めば、少しずつ給料は上がっていきます。特に1~2年目で「給料が低いから」と転職するのは、あまりおすすめしません。仮に転職したとしても、初めは低い給料からスタートすることが多いです。上司や先輩の雰囲気を観察して、よく見極めることが大事です。
スキルアップ体制が整っていない
「現職では成長できない」「職場のスキルアップ体制が整っていない」と不満を感じ、20代のうちに転職を考える薬剤師も多いです。
業務を一通り習得した20代後半に差し掛かると、「そろそろ年収アップのために資格を取りたい」「重要なポジションに就きたい」といった希望も出てきます。
しかしスキルアップ・キャリアアップを目指したいと思っても、職場に資格取得の支援制度がない・教育体制が整っていない、というケースも珍しくありません。
現職で成長できないと思った場合、すぐに転職に踏み切るのではなく、スキルアップの手段が転職以外にないかどうかを一度確認してみましょう。書籍や学会、研究会への参加によってスキルアップできる可能性もあり、無理に転職しなくてもいいケースもあります。
入社後のミスマッチ
薬剤師が20代のうちに転職を考える理由として、「入社前に考えていた職場と違った」という、ミスマッチやギャップによるものが挙げられます。
- 思っていた業務内容ではなかった
- 残業が少ないと聞いていたのに、実際はかなり忙しかった
- 職場の雰囲気が合わない など
就活の時点で企業や業界研究が足りなかったといった原因も考えられますが、求人内容と実情が異なるケースは珍しくありません。
しかし、まだ一通りの業務を覚えていないのにすぐに転職してしまうと、スキルや経験がなくアピールできにくいので、ある程度の実務経験を積んでから動き出すのが賢明です。
ライフスタイルの変化
20代女性薬剤師は、結婚や出産、育児といったライフスタイルの変化によって、転職を考えるケースが多いです。
ライフスタイルが変わる場合、まず今の職場で働き方を変えられないか、上司に相談してみましょう。
- 「産休・育休制度の取得実績があるか」
- 「パート等、雇用形態を変えられないか」
- 「時短勤務は可能か」など
子育てしながら働いている女性薬剤師の先輩がいるなら、ライフスタイルの変化でどのような働き方をしているか、チェックしておくのも有益です。
ただし雇用形態の変更や時短勤務に関して、職場からの理解が得られないケースもあるので要注意です。もし、今の職場で思ったような対応をしてもらえないのであれば、転職を検討してみてもいいかもしれません。
20代薬剤師の転職は早すぎる?
人間関係、待遇への不満などの理由で転職したいと思っても、「20代での薬剤師転職は早すぎるのではないか」「20代で辞めてしまうなんて、自分は根性がないのではないか」と不安になります。
なかなか転職に踏み切れない20代薬剤師は多いです。
しかし結論から言うと、20代で転職した経験がある薬剤師は少数派ですが、転職のタイミングが早すぎることはありません。
20代薬剤師の転職回数は「0回」が多い
出典:「薬剤師の転職実態調査」(エムスリー株式会社)
20代での薬剤師転職は、それほど珍しいことではありません。しかし、20代で一度も転職したことがない薬剤師のほうが多いです。
エムスリー株式会社が薬剤師に対して行ったアンケートによると、20代薬剤師の転職回数は「0回(86%)」がもっとも多く、次に多いのが「1回(14%)」でした。
とはいえ20代は、転職しやすい年代です。14%の薬剤師は、20代で初めての転職を経験しています。「20代薬剤師の転職は早すぎる」ということはありません。
20代薬剤師の多くが入社2年目で転職している
出典:「薬剤師の転職実態調査」(エムスリー株式会社)
20代薬剤師の多くが、入社2年目で初めての転職を経験しています。
エムスリー株式会社が薬剤師に対して行った初めて転職したタイミングのアンケート調査では、1位が「入社10年目」、2位が「入社2年目」でした。
3年目、4年目で初めて転職した薬剤師の割合は、ゆるやかに下降しています。
入社1年目の転職は少ない
エムスリーキャリアの同調査によると、1年目で初めて転職した薬剤師は、2~4年目に初めて転職した薬剤師と比較して少なめです。
薬剤師経験年数 | 初めて転職を経験した 薬剤師の割合 |
---|---|
1年目 | 8% |
2年目 | 20% |
3年目 | 14% |
4年目 | 12% |
「入社目1年間は我慢して、2年目以降に転職する」という20代薬剤師が多いと読み取れます。
医療機器業界におすすめ転職エージェント・転職サイト12社比較ランキング
20代薬剤師の転職は何年目がおすすめ?
20代薬剤師が転職するなら、新卒入社から3~4年目がおすすめです。
最低でも1年以上働いてから転職すると、スムーズに内定をもらえる可能性が高まります。
入社3~4年目がおすすめ
20代薬剤師が転職するなら、3~4年目がおすすめです。
3~4年の実務経験がある20代薬剤師は、即戦力として企業から期待されやすいです。履歴書や面接でアピールできる経験も、1~2年目の20代薬剤師より増えます。
「3年以上の実務経験」を募集の条件にしている求人も多いです。
1~2年目でも転職はできる
薬剤師は国家資格です。資格そのものが、専門知識を持っていることの証明になります。
転職活動では、経験年数の浅さが問題視されにくい職種です。1年目や2年目でも転職はできます。実際、入社2年目で初めての転職を経験している薬剤師は多いです。
転職成功率を上げたいなら最低でも1年以上は働いてから
新卒入社1年目でも転職はできます。しかし、20代で薬剤師転職をするなら、最低でも同じ職場で1年以上働いてからの活動がおすすめです。
なぜかというと、1年未満での転職だと、採用担当者から「採用してもすぐに辞めてしまうのでは?」「嫌なことが合ったらすぐに辞めてしまう人なのでは?」とマイナスイメージを持たれる可能性が高いからです。
また、1年以上の経験がある薬剤師と比較して、「教育の手間がかかる」と懸念する採用担当者も少なくありません。
結果的に転職できたとしても、本命の職場ではなく、妥協した転職先になってしまう可能性があります。
したがって、現職に何らかの不満を感じているとしても、なるべく1年以上勤めてから転職活動するのがベストです。
研究職に未経験で転職するには?求人の選び方【製薬・化粧品・食品・化学】
20代薬剤師が転職するメリット
20代薬剤師の転職は不利だと思われがちです。しかし実は、20代薬剤師の転職は有利になるケースもあります。
転職したいなら、実行に移しやすい年代です。
ポテンシャル採用されやすい
「まだまだスキルも経験もない20代で転職できるの?」と心配する薬剤師もいるでしょう。
しかし20代は、スキル不足でもポテンシャル採用されやすいメリットがあります。ポテンシャル採用とは、経験やスキルではなく、伸びしろを重視して人材を採用することです。
近年は少子高齢化の影響で、若手不足に悩んでいる職場が多く見られます。20代にとっては、ポテンシャル採用のチャンスが広がっている状況です。
特に人材不足に陥っている調剤薬局やドラッグストアは、ポテンシャル採用の傾向が強いです。しかし転職後に「忙しすぎる」と悩まされることもあるので、転職先の実態は転職エージェントに確認してもらうことをおすすめします。
なお、ポテンシャル採用が通用するのはおおよそ20代までです。30代の転職では、経験やスキルが重視されます。
第二新卒として転職できる
新卒3年未満の薬剤師は、「第二新卒」として扱われます。
第二新卒は、20代後半や30代になってからでは通りにくい人気の職場や、有名な大手企業で働けることもあります。
- 社会人としての常識があるため、新人研修を省ける
- 若いため、柔軟性が高い
- 業務の吸収が早い
- 新しい価値観を取り入れられる
倍率の高い勤務先でも、第二新卒の「若さ」は大きな武器になります。まずは応募してみるといいでしょう。
一般企業への未経験転職にチャレンジできる
薬剤師は、病院や調剤薬局といった医療機関で働いている人が多いです。しかし製薬会社や化粧品メーカーなどでも、活躍が期待されます。
- 品質管理・保証
- 治験コーディネーター(CRC)
- 臨床開発モニター(CRA)
- 医薬情報担当者(MR)
- PV(ファーマコヴィジランス)
- 一般企業の管理薬剤師
- 化粧品メーカー
- 食品衛生監視員
- 薬剤官(自衛隊)
- 麻薬取締官
今まで病院や調剤薬局で働いてきた薬剤師が、30代や40代になってから一般企業に未経験で転職したいと思っても、なかなか難しい面があります。
しかし20代なら、将来性やポテンシャルが重視されます。「病院や薬局から一般企業に転職したい」と思っているなら、20代のうちに挑戦するのもひとつの方法です。
だとをするため、たとえば、「調剤薬局から総合病院に転職したい」なども、未経験でも採用されやすいので狙い目です。
異業種に未経験転職しやすい
薬剤師の業務とまったく関係がない異業種にも、20代ならポテンシャル採用で転職しやすいです。
30代以降になると、多くの職場は求職者に対して「即戦力になれるか」「マネジメント経験はあるか」などを重視します。異業種への転職のハードルは高くなってしまうのです。
したがって、異業種に転職したい気持ちがあるなら、20代のうちに行動を起こすことをおすすめします。
公務員薬剤師に転職できる
公務員薬剤師を目指しているなら、より早めに決断することが大切です。
公務員として薬剤師が働ける多くの職場には、年齢制限があります。
国家公務員では、おおよそ29歳未満での募集が多いです。それまでに試験に合格する必要があります。
勉強時間の確保などを逆算すると、早い段階での見極めが必要となるでしょう。
理系出身者におすすめの転職エージェント・サイト12選徹底比較!年収アップを狙える転職サービスや理系出身者で未経験転職におすすめのサービスを紹介
20代薬剤師が転職するデメリット
薬剤師が20代で転職活動を始めると、長続きしないと思われたり、年収が下がったりする可能性があります。
長続きしないと思われる可能性がある
20代薬剤師の転職では、採用担当者から「長続きしないのではないか」と思われる可能性があります。
「同じ職場で最低3年は働いた方がよい」という考え方が浸透しているため、1年目や2年目では、本命の職場から内定をもらえない場合もあるでしょう。
3年目以降の転職なら問題ないのかというと、応募先や採用担当者の価値観・採用ニーズによるので、一概には言えません。
特に何度も転職を繰り返している20代薬剤師は、長続きしない印象を抱かれがちです。
年収が下がる可能性もある
20代薬剤師が転職すると、前職よりも低い年収でのスタートになる可能性があります。
転職後の年収は、今までの経験や実績に応じて決まります。特に20代薬剤師は、まだ経験が浅いため、年収に関してあまり高望みはできません。
転職で年収アップを目指すなら、20代後半以降がおすすめです。ある程度の経験やスキルがあると見込まれるので、年収アップを狙った転職も視野に入れられます。
また、転職エージェント経由で求人に応募すると、内定後に無料で給料交渉を代行してもらえます。ぜひ相談してみてください。
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20代薬剤師が転職サイト・エージェントで転職成功させるコツ
20代など若手のうちに転職をするにはいくつかポイントがあります。そこでここでは、20代の薬剤師が転職サイト・転職エージェントを使いこなして、転職を成功させるコツについてご紹介します。
転職理由と職場に求める条件を明確にする
転職活動を本格的に始める前には必ず、「なぜ転職したいのか」「転職先に何を求めるのか」をハッキリ分析するようにしましょう。
転職理由や職場に求める条件があいまいなまま転職活動をしてしまうと、失敗しやすいので注意しなければいけません。
なんとなく条件がよさそうな求人に釣られてしまい、入社後のミスマッチや早期離職につながるリスクも高まります。
20代薬剤師が転職する目的は、人それぞれです。
- 年収アップ
- 残業を減らしたい
- ライフスタイルの変化
- 異職種にチャレンジしたい など
すべての希望を満たせる職場を見つけるのは難しいので、いくつかの希望が定まったら優先順位を決めておくことも大切です。
希望条件を転職エージェントにはっきり伝える
希望条件は転職エージェントにはっきり伝えましょう。
登録後の初回面談では、転職エージェントとの希望条件のすり合わせがあります。面談の日程を調整しつつ、希望条件を整理しておくと、スムーズに話し合いが進みやすいのでおすすめです。
もし希望と異なる求人ばかり紹介されるなら、その転職エージェントを無理に使い続ける必要はありません。担当者の変更や、別の転職エージェントの利用を検討してください。
面接では長期的に貢献する意志を伝える
面接では、新しい職場に対して、長期的に貢献したい意志をしっかりアピールすることが大切です。
20代薬剤師に対して、「またすぐに転職されてしまうのではないか」と疑念を抱く企業の担当者や人事も少なくありません。短期離職の経験がある20代薬剤師や、すでに何社か経験している20代薬剤師は、特に不安視されやすいです。
過去に反省点があるなら素直に振り返り、同じことは繰り返さないと伝わるようにしましょう。
転職サイト・転職エージェントを利用する
20代で転職となると、「何から始めたらいいの?」「自分に合った職場の見つけ方が分からない」といった方も多いでしょう。転職サイトやエージェントを利用すれば、初めての転職をより効率的に進められるのでおすすめです。
求人数が多い転職サイトで薬剤師の求人を探すのもひとつですが、薬剤師に特化した転職サイトや転職エージェントを利用するのもおすすめです。業界に特化した転職サイトは、薬剤師に関する知識や内情に詳しく、希望条件に近い求人を紹介してくれたり自分のキャリアについての相談にも親身に乗ってくれやすいメリットがあります。
資格を取得し年収アップを目指す
20代で薬剤師として年収アップを目指すのであれば、資格手当を狙ってみるといいでしょう。資格手当とは、特定の資格を取得することで基本給に加えて支給される報酬のこと。転職活動の際にも優遇される可能性が高いです。
たとえば、認定薬剤師や産業カウンセラーといった薬剤師の業務に関わる資格であれば、資格手当を支給してもらえやすいといわれています。したがって、今すぐ転職するわけではない人でも、20代のうちから資格取得を目指すのがおすすめです。
現職を辞めずに転職活動する
薬剤師に限らず、内定が出る前に今の職場を先に辞めてしまうのはリスクが高いので避けたほうが良いでしょう。
辞めてから転職活動をおこなうのは確かに転職活動のための時間は取れますが、内定獲得までに時間がかかった場合、無収入の状況が長くなるリスクもあります。貯金を切り崩しながらの生活になるため経済的な消耗が激しくなりますし、精神的にも追い詰められて結果的に妥協してしまうことも。
さらに転職活動の際も、空白期間ができると不利になるケースもあります。
したがって転職活動をする際は、忙しいかもしれませんが、在職中に並行しながら行うことをおすすめします。
また働きながら転職活動をすることで、「転職する必要性がない」「今の仕事を続けたほうが良い」「そこまで転職を急ぐ必要がない」など、考え方自体が変わる可能性もあります。冷静に求人を比較できるといった意味でも、働きながら転職活動をするほうが良いでしょう。
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20代薬剤師の転職失敗例【体験談】
20代の薬剤師転職では、入念な準備が何よりも大事です。
20代の薬剤師転職でありがちな失敗の体験談をご紹介します。
- 年収の高さだけで判断してしまう
- 現職を辞めてから転職活動する
- 情報収集が不十分
- 環境さえ変われば上手くいくと思っている
年収だけで転職先を選んでしまった
20代の薬剤師転職でありがちな失敗としては、年収だけで安易に転職先を判断してしまうといったものが挙げられます。
もちろん転職先を選ぶうえで、年収の高さは重要なポイントのひとつではあります。しかし年収があからさまに高すぎる職場はブラックだったり、福利厚生が充実していない可能性がありますので、注意しなければいけません。
そうなると、せっかく転職したのに「こんなはずじゃなかった」「かえってライフワークバランスが両立できなくなった」と、入社後のミスマッチや早期離職につながることもあります。
やたらと好条件と思える求人を見つけた場合、必ず口コミや福利厚生、有休取得率などもチェックしましょう。
情報収集が不十分だった
企業や業界に対する情報収集が不十分で、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔する20代薬剤師は少なくありません。
情報不足による転職の失敗を防ぎたいなら、以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。
- 給与、待遇、福利厚生面
- 勤務時間
- 休日日数
- 処方箋枚数
薬剤師の仕事は休日出勤になることも多いです。休日日数や勤務時間については、よく確認しておくことをおすすめします。
また、職場の忙しさは、1人あたりの処方箋枚数などを見ればある程度判断できるでしょう。
薬剤師に特化した転職エージェントは、職場の雰囲気や内情を詳しく把握していることもあります。利用してみてください。
ただし転職エージェントに情報収集をすべて任せるのは危険です。企業の口コミサイトを見るなどして、必ず自分でも情報収集を行ないましょう。
環境さえ変われば上手くいくと思っていた
環境さえ変われば上手くいくと思っていると、転職に失敗する可能性が高いので、注意が必要です。特に「薬剤師の仕事自体がつまらない」という理由の場合、転職しても改善されにくいでしょう。
転職活動を始める前に、「転職しなくても解決できる方法はないか」や「自分が職場もしくは仕事に対してどのような不満を持っているのか」を客観的に見つめ直しましょう。
長く働いていれば解決するケースもあるかもしれません。転職は慎重に進めていくようにしましょう。
20代薬剤師の年収
転職サイト・転職エージェントで求人を探すときは、20代薬剤師の年収相場を知っておきましょう。
20代前半・後半薬剤師の平均年収
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は、20代前半で378.4万円、20代後半で473.3万円です。
同年代の他職種と比べて、20代薬剤師の平均年収は、約100万円ほど高いという結果でした。
なお男女で比較してみると、男性の薬剤師の方が女性の薬剤師よりも約50万~100万円ほど高いとされています。
製薬会社は年収水準が高く病院薬剤師は低め
20代薬剤師の年収水準は、勤務先の種類によって違いがあります。初任給に大きな差はなくても、20代後半になると、差が生じてくるでしょう。
一般的に、製薬会社は年収水準が高いです。
ただし製薬会社と一口に言っても、さまざまな薬剤師の経験を活かせる職種があります。また企業規模によっても差が大きいので、製薬会社に転職したからといって、必ず稼げるようになるわけではありません。
なお、病院薬剤師は年収水準が低めだと言われています。
20代薬剤師の求人探しには転職サイト・転職エージェントがおすすめ
今回は20代の薬剤師におすすめな転職サイト・転職エージェントについて解説してきました。
20代の薬剤師は「スキルや経験がないのに転職できるの?」と心配する方も多いでしょう。しかし20代はポテンシャル採用が期待できる、異業種への転職でも可能性が高いなど、メリットもたくさんあります。
ただし20代でも「1年未満での転職」や「人間関係や年収などですぐに転職してしまう」「情報収集が不十分である」といった場合、転職をしてもミスマッチや早期離職につながることもあるので注意しなければいけません。
転職の失敗を防ぐためには、転職の目的や目標を明確にしたり、転職先に求める条件を見直すなど綿密な準備が必要です。「ひとりで転職活動を進めるのが不安」といった方は、薬剤師専門の転職エージェントを利用してみるのもおすすめです。
今回おすすめした転職サイト・転職エージェントを参考に、20代での薬剤師転職を成功させてください。