「学生の時、夢だった弁護士の夢を諦められない」、「法務部に配属になって弁護士の仕事に興味が出てきたけど、未経験から弁護士にはなれるの?」

この記事では、未経験から弁護士になりたい人のために、未経験から弁護士になる方法をまとめました。弁護士の仕事内容弁護士資格の取得方法について詳しく解説しています。

弁護士資格がなくても法律事務所で働ける方法失敗しない転職先の選び方未経験OKかつ条件の良い弁護士求人を見つける方法も紹介しているので参考にしてください。

弁護士の仕事内容・年収・将来性は?

弁護士の仕事内容は法律トラブルの解決

弁護士は法律のスペシャリストとして、依頼人の利益や権利を守ることを主な役割とし、トラブル解決の手助けを行う職種です。

相談を受けるだけのときもありますし、先方との示談交渉に赴くときもあります。また、裁判となれば訴訟の手続きも行います。

弁護士の案件には、主に民事案件と刑事案件に分かれています。近年は過払い金の請求もテレビCMなどでうたわれており、弁護士への相談件数も増えていることがわかります。一般的に弁護士とは、当事者間でのトラブルで解決するのが難しいときに、依頼人の代理として総合的なサポートをすることが主な業務内容といえるでしょう。

法務省の「法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)」(下記参考)によると、弁護士の勤務先は法律事務所や弁護士法人が93%、企業が3.4%、官公庁・法テラス2%となっています。

弁護士の平均年収と将来性

弁護士は高給取りというのが世間的なイメージといえます。法務省の「法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)」(下記参考によると、弁護士の平均年収は1年目が568万円、3年目には900万円、5年目には1,300万円となっており、民間企業の平均は1年目が360万円、5~9年目でも500万円程度なので、民間と比べても遥かに多いことがわかります。もちろん、これには個人差があるので、人によっては弁護士のほうが少ない年収になるケースもあります。

弁護士の将来性に関しては、決して安定というわけでもなく、定期的に依頼が常に舞い込んでくるわけでもありませんので、依頼を受けられるように営業もしなくてはなりません。ただ依頼をこなしていくだけでは安定した収入を得ることも満足できないことになります。

公式サイト:法務省
法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)【法務省】

弁護士という仕事のスケジュール感

弁護士の仕事は週休2日という一般的なサラリーマンとは違い、不規則なスケジュールで活動していることも特徴的です。朝がゆっくりのときもあれば、遠方の裁判所に赴く場合もあります。また、平日は仕事で相談にこられない依頼人も多いでしょうから、土日に合わせて仕事をしている弁護士も少なくありません。

弁護士のスケジュールには、電話連絡や事務所へと訪問した依頼人の相談受付、契約している案件の書類作成、時には拘置所に接見もあります。民事・刑事に関わらず、裁判所や依頼案件での関係者などへの訪問はありますし、弁護士事務所での打ち合わせにも出席しなくてはならないでしょう。

また、その間にも電話連絡が入ることも多々あります。

顧問契約している企業からの相談や依頼もあるでしょうから、なかなか思うように一日にスケジュールが定まらないことが多くあります。それぞれ書類作成にも時間をとられてしまうのも弁護士の悩みといえます。

未経験から弁護士になるには

弁護士になるには司法試験に合格しなければならない

弁護士資格を取得するためには、司法試験に合格しなければなりません司法試験には受験資格があり、受験資格を得る方法は2つあります。

法科大学院(ロースクール)を修了する

弁護士になるための一般的な方法は、法科大学院(ロースクール)を修了することで受験資格を得る方法です。ロースクールを卒業後、5年間は司法試験の受験資格が与えられます

ロースクールは、大学が法学部だった場合の人は2年制、そうでない人は3年制を受験するのが一般的とされています。

弁護士資格は、ロースクールを修了し、司法試験に合格したあと、司法研修所で1年間司法修習を修了して、司法修習考試に合格できれば取得することができます。

司法試験予備試験に合格する

法科大学院(ロースクール)を修了していない場合でも、司法試験予備試験に合格すれば、司法試験の受験資格を得ることができます合格後、次の年から5年間、司法試験の受験資格が与えられます。司法試験予備試験には、受験資格はなく、誰でも何度でも受験可能です。

弁護士資格は、司法試験予備試験に合格後、司法試験を合格したら、1年間司法修習を受け、司法修習考試に合格すると取得できます。

弁護士に求められるスキル

誠実さ

弁護士はクライアントの立場に立ち、弁護することが仕事です。そのため、仕事に対して常に誠実でいなければなりません

弁護し、勝訴するためには、入念な下調べや地道な書類の作成も必要となってきます。どのような依頼に対しても、正義感を持ち真摯に取り組む人でなければ仕事は務まりません

論理的思考

クライアントを弁護し、裁判官や裁判員を納得させるためには、物事を論理的に捉え、説明でき、かつ説得力のある物言いができなければなりません。論理的思考が弁護士には必要となります。

弁護士資格がなくても法律事務所で働くことはできる

一般職員での法律事務所への需要は増えている

法律事務所には弁護士が在籍していますが、全員が弁護士資格を有しているわけではありません。当然ですが一般職員も働いています。

主に弁護士の仕事をサポートする立場にあります。電話受付や書類作成、スケジュール調整などの秘書や事務職的な役割を担っています。

担当する案件が複数あり、打ち合わせの段取りやスケジュールで細かな調整が必要なときは、弁護士1人では対応するのが困難ともいえるでしょう。スマホや飲酒によって毎年のように起こる交通事故問題、生活スタイルの変貌よる離婚問題や過払い金問題など、法律相談に訪れる人も年々増加しています。そのため、法律事務所での一般職員の需要は高まっています。

法律事務所で求められるのは弁護士をサポートできる資格

弁護士の秘書的業務を担当する場合、秘書の経験がある人はその経験を活かすことができます。書類の作成やスケジュール調整は普段から多忙の弁護士には負担となります。きめ細かい対応ができる秘書経験者は法律事務所にも求められるでしょう。

また、依頼人が日本人ばかりとは限りません。外国語、とりわけ英語のスキルを有していると採用の確立は高くなるといえます。

どの事業所や企業にもいえることですが、財務・経理のスキルがともなっていることは、転職市場において非常に有利となります。この知識を得意としていると、経営面でサポートすることができますので、弁護士事務所においても重宝される確率が高くなります。

法律事務所は若い世代よりも年齢に関係なく即戦力を求める

一般企業ですと、未経験者の転職は比較的若い世代が中心とされます。あまり他の会社の色に染まっておらず、吸収力が高い20代を積極的に採用していることでしょう。

しかし、法律事務所は専門性の高い仕事をしていますので、即戦力を求める傾向が高くなります。若くてスキルが伴っている場合は問題ありませんが、30代でも事務職の経験をしっかりと積んでいれば、採用の確立は高くなります。

したがって、一般企業では敬遠されがちな年代の方でも、大手法律事務所などでは経験を積んできた即戦力の方であれば、転職のチャンスは十分あるといえます。

その他、未経験でも採用されるコツ

全くの未経験よりかは、ある程度法律の知識を持っているような、法律業界で働いた経験があると転職には有利といえます。しかし、未経験でも採用されるコツがあります。

法律に興味があり、社会人経験がしっかりと身に付いていれば問題ありません。一般的な社会人のマナーが身に付いていることが前提といえるでしょう。

法律の知識は仕事をしていくなかで自然と身に付いていくようになります。法律をもって仕事に取り組むのは専門家の弁護士が主役です。業界での就業経験がないのに、法律の知識を持っているというアピールは面接で参考にすらなりません。

むしろ、知識はなくても一から努力して勉強していくという姿勢が好まれます。

法律事務に向いている人

法律事務ではクライアントの個人情報を保管しているはずです。守秘義務をしっかりと守れる厳格な人が向いています。

また、契約書や裁判所への提出書類というのはミスがあってはなりません。提出枚数や誤字脱字など、きめ細やかな仕事をできる人も向いているでしょう。

未経験から法律事務所に転職、失敗しない転職先の選び方

選んではいけない求人とおすすめ求人の見分け方

ブラック企業に立ち向かってくれるのが弁護士ですが、中にはブラック法律事務所も存在しています。有能な弁護士が必ずしも優秀な経営者とは限りません。

勤務弁護士の年数が短い事務所スタッフが明らかに少ない事務所、暗い雰囲気の事務所などには注意が必要です。

一方で、勤務弁護士が長く続いている場合や事務所の雰囲気が明るいときは、ホワイト事務所である可能性が高くなります。

接客応対の質で依頼者への態度が分かりますから、訪問者に対してしっかりと向き合って話をしている事務所代表の場合はホワイトであるといえるでしょう。

未経験OKかつ条件の良い弁護士の求人を見つける方法

ハローワークや求人サイトから自力で未経験可の優良求人を見つけるのは難しいので、求人紹介をおこなう転職エージェントに登録し、好条件の非公開求人を紹介してもらうのがおすすめです。

転職エージェントは登録時にコンサルタントにキャリア相談が可能で、転職活動をサポートしてもらえるので、不利になりがちな未経験転職も上手に進めていくことができます。

また、コンサルタントから、転職先の労働環境や職場の雰囲気などの情報を得ることができるので、転職後のミスマッチを予防することもできます。

未経験からの転職なら法律業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめ

転職エージェントには、総合型のエージェントと、特定の業界を専門的に扱っている特化型のエージェントがあります。

総合型の転職エージェントは、取り扱い求人の業種の幅が広く、求人数も豊富なため、特化型にはない求人が見つかる可能性があります。しかし、法律業界の転職ノウハウはそれほど期待できないため、登録はおすすめしますが、総合型のエージェント1社では不安が残ります。

法律業界専門の転職エージェントであれば、業界に精通しているため、各事務所の内部情報も豊富ですし、転職ノウハウも長けているため、専門的なアドバイスも期待できます。未経験からの転職であれば、転職ノウハウが豊富な法律業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。

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キャリアコンサルタントは経験豊富で、さまざまな業界に精通しているので、面接対策や応募書類添削までしっかりサポートしてくれます。
非公開求人もかなり多く扱っているので、弁護士の資格を活かしてキャリアアップも見込める求人の紹介も期待できます。

転職サポートの流れもスピーディーなので、今すぐ転職したい人も頼りになります。土日の相談が可能なのも有難いですね。

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まとめ

弁護士は、法律のスペシャリストとして、依頼人の利益や権利を守ることを主な役割とし、トラブル解決の手助けを行う仕事です。

弁護士になるには、司法試験に合格しなければならず司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか、司法試験予備試験に合格しなければなりません。司法試験に合格後も、1年間司法修習を受け、司法修習考試に合格しなければ、弁護士資格は付与されません。

しかし、弁護士資格がなくても法律事務所で働くことは可能で、一般職員として、弁護士の仕事をサポートすることができます

法律事務所に転職する際には、勤務弁護士の年数が短い事務所スタッフが明らかに少ない事務所暗い雰囲気の事務所は避けるようにすると失敗が少ないです。

未経験OKかつ条件の良い弁護士求人を見つけるには、法律業界に特化したエージェントを利用することで、希望の条件に合った求人を見つけることができるでしょう。

この記事を参考に転職活動を成功させてくださいね。